あらすじ
グレン・ミラー(ジェームス・スチアート)は、しがないトロンボーン奏者で、バイトをしながら演奏の仕事が入ると質屋に預けたトロンボーンを受け出し、演奏活動をしていた。
ある日、ベン・ポラック(本人出演)の楽団員テストがあると聞き、編曲者としての採用を希望するが、譜面を置いてゆけと言われただけ。
帰りかけたとき、コルネット奏者希望者が、偶然そこにあった譜面を見て演奏してしまつた。その演奏を聴いたポラックは気に入り、ポラックの助手として採用される。
生活の目途が付いたミラーは、二年間音信不通だった恋人へレン(ジェーン・アリスン)に電話で会いに行くと伝える。へレンには、エドという婚約者がいたが、ミラーは独自の音楽、独自のサウンド、個性のある編曲の夢を語ったため心がほだされる。
そのうち、ミラーは楽団斡旋業のドン・へインズに認められるようになると、ミラーはポラック楽団を去る。
また、質屋通いにもどったが、レッド・二コルスが楽団を結成することをへインズが知らせてきて、ミラーは参加する。メンバーには、ベニー・グッドマンやジーン・クルーパーなど大物が加わった。
ニコルス楽団に入団が決るとミラーは、へレンに駅から「ペンシルバニア6-5000」に電話しろと会いたいことを告げ、プロポーズし結婚式を挙げる。
式後のパーティでは、ルイ・アームストロング(本人)やジーン・クルーパー(本人)の演奏にミラーも加わって盛り上げる。
ニコルス楽団で、ミラーの生活は安定したが、へレンは不満で、資金を用意してミラーに自分の楽団を編成させる。ところが編曲した「ムーンライトセレナード」は、バラードが派手で歌手もいまいちで、また「虹の彼方」は楽器の組み合わせが上手くゆかず不評に終わる。
ボストンのボールルームの演奏へ行く途中自動車の故障で演奏を辞退したのをきっかけで楽団は解散する。
しかし、ボールルームの再度の要請で、楽団を復活。そのなかで練習中、トランペット奏者のケガで、クラリネット奏者が代わりをやったことが偶然大ヒットになり、正式なムーーンライトセレナーデが完成する。その後、第二次大戦が始まり、軍司令部から召集がかかり軍楽隊に入隊する。
軍楽隊としてヨーロッパ各地を慰問するが、1944年のクリスマス特別放送のためロンドンからパリへ飛行機で行く途中、行方不明となる。
将軍からヘレンにその知らせは届き、へレンは悲しみにくれる。
 
感想など
1 映画の中の楽団の見せ場は、各所に観られた。
 
・ ミラーとヘレンの結婚式の当日ホテルで演奏されるショーでは、ルイ・アームストロング(トランペットとボーカル)やジーン・クルーパー(ドラムス)の演奏にミラーが加わるところは、素晴らしく盛り上がる。
 
・ 新楽団が編成され、自宅パーティで「ペンシルバニア6-5000」が演奏され、それが結婚のきっかけになった電話番号だとへレンが思い出し、喜ぶシーンは楽しい。
 
・ 一番の醍醐味は、ヨーロッパ戦線の慰問中、敵機来襲があり、聞いている兵士が全員ひれ伏したにも係わらず、「インザムード」を演奏し続けるシーンは感動的であった。
 
2 ヘレン役のジェーン・アリスンの輝くような笑顔が観ている私に楽しさを与える。また、ジェームス・スチアートもせっかちで、とぼけているが真摯な姿がよかった。
 
3 グレン・ミラー楽団は、スイングジャズのビックバンドとして、カウント・ベイシー、ベニー・グッドマン、デュークエリントンと肩を並べる楽団であり、私は何回も何回も聞き楽しんだ。グレン・ミラーの死後は、残ったメンバーが「ニューグレン・ミラー楽団」を編成して現在も活動している。
 
4 この映画では、以下の曲が演奏されていた。
・ ムーンライトセレナーデ     ・ チャタヌガ・チューチュー
・ インザムード         ・ 虹の彼方
・ 茶色の小瓶          ・ ムーンライトカクテル
・ 真珠の首飾り         ・ カラマズーの娘
・ タキシード・ジャンクション ・ アメリカンパトロールなど
・ ペンシルバニア6-5000                       イメージ 1     イメージ 2
                         結婚式              自宅パーティにジーン・クルーパー来る
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   ルイ・アームストロングの演奏                 グレンミラー楽団結成イメージ 5   イメージ 6
       敵機来襲のときの演奏          ミラーの死で思い出の茶色の小瓶を見つめる
 
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グレン・ミラー実像