黒い羽根 -23ページ目

家に帰ってからユウくんにメールを返した

ユウくんはまだ起きていて

無事に帰れてよかった
送ってあげられなくてごめんね

と…やさしい人
ちょっと罪悪感を感じるけど
次にユウくんに会ったら タクシー代を返して終わろう

メールを開いてみたら

そこには一言だけ…



ごめん



いつも謝ってばかりの「彼」

涙が溢れてきた 私も泣いてばかり

泣きながら途中でタクシーを降りた

降りたところは「彼」の家の近くの駅

迷いながらも「彼」に電話をした



すぐに電話に出た彼

私の周りが騒がしかったので


今どこかと聞かれた



今から迎えに行くから



そう言って電話を切った後

10分くらいして「彼」が来た

車の中ではほとんど無言…

ただ

「彼」は私の右手をギュっと握って離さなかった



私はお酒を飲んでいたのと


「彼」に会えたことで安心してしまい

そのまま眠ってしまっていた



着いたよ



と起こされたのはもう家の前だった

このまま話さず帰るわけにはいかないけど…

でもどうしたらいいのかわからなくなってしまって



…ありがとう



と言って右手を離して車から降りようとしたら

グイッと引き戻されて後ろから抱きしめられた…



あの時を思い出した



「彼」が初めてうちに泊まった日



後ろ向きのまま


この五日間考えたことをポツリポツリと話した

「彼」は私を抱きしめたまま黙って聞いてた…



「彼」を突き放そうとしたって



こんなに不安そうで崩れそうな「彼」を放り出すなんて



私にはできそうにない…

金曜日の飲み会は
余計なことを考える間もないほど楽しかった
私自身 余計なこと考えたくなかったので
携帯の電源を切っておいた

あれから光らないし鳴らない携帯だったのだけど一応

友人たちが連れてきてくれた人は
人見知りが強い私でもすぐに話せてしまうくらい
とっても気さくな人
友人が「ユウくん」と呼んでいたので私も途中がそう呼んだ
なんと身長が185㎝前後あるらしく
待ち合わせの場所で思わず見入ってしまった

ユウくんの職業は少し変わっていて
今までスーツを着たお仕事の人としか接点のなかった私には
とても新鮮で話すこともすごく興味深かった

帰り際には携帯番号とアドレスを聞かれた
携帯の電源を切っていたのをみんなに疑問に思われたけど
なんとかごまかせたかな

ユウくんはタクシーを捕まえて
電車で帰ろうとした私を乗り込ませた
今日のご飯代も出してもらって

さらにタクシー代まで持たされてしまった

帰りのタクシーの中で一件のメールが入った
ユウくんだった
今日のお礼とまた近いうちご飯に行こうというお誘いだった
お礼は私のほうが言わなきゃならないのに

出してもらってばかりで気になるし
私ももう一度会ってみたいと思ったのでメールしようとした時
またメールが入ってきた

「彼」からだった…
なんでこのタイミングなんだろう…
それまで平気だったのに

また心臓がギュウッとなって

携帯を持つ手が震える
私 うまく「彼」のいない生活に戻れる気がしてたのに
立ち止まってただけでちっとも前進してなかった