★間接法カラー魚拓の第一人者 中西泛祥(なかにし ほうしょう)先生。清らかで美しく、まるで日本画のような作風は、他の作家の追随を許さず、モナコ海洋博にも出展・好評を博されました。

 

★全国の釣り師から届く、大物級の魚たち。間接法で拓すと、その魚は、もう食べられなくなってしまうそう。小柄でいつも先生の傍にいらした奥様が『四、五番目位に大きいお魚には、送って下さった方が、しっかりとお魚に十字に包丁をいれてあって・・・中には、これは魚拓にしないで食べてくださいね。と手紙をつけて送ってくださる方もあります。そうでないと、気づくと、魚拓に・・・。』と笑顔で話していらっしゃいました。

 

★こちらは、2008年5月の個展開催時の拙文です。

【みなさんは、魚拓というと、どういうものを想像されますか。おそらく、海辺などで大物を釣り上げた釣り師が、墨をくろぐろと直に魚に塗って拓す野趣あふれるものを想像されるのではないでしょうか。そのイメージとは全く違う、間接法による、カラー魚拓の展覧会です。それはまるで日本画のように清らかで明るく繊細『眼から鱗』の美しさ。作家の中西氏は、昭和4年島根県隠岐の島生まれ。モットーは『釣りあっての魚拓、魚拓ありて釣りまた楽し』。魚に布(羽二重)をのせ、独自のタンポで、丁寧に着彩する独自の手法の間接法のカラー魚拓。創始者泛子師亡き後、この手法の第一人者でもあられる中西氏の作品は、上品な色彩と魚の配置の妙が加わった素晴らしいものです。その師匠譲りの、こだわりは『魚一匹一匹にもそれぞれ個性があるので、同じ魚を2度同じ布上で使うことは流れを止めてしまうので使わない、魚の眼を描く時以外は決して筆を使わない、魚のことを深く全て知る』などなど。『魚拓に明け暮れて46年、釣り魚を主体に拓した魚種は200種以上、まだまだ拓したい魚の多さに生きがいを感じている毎日です。31回目の今回は、マダイの群泳50号、南洋キンメ・マンジュウダイ・アラ・カラフトマス・イズカサゴ・イワナ、オニカサゴなど60点あまり展示致します。魚拓の実習及び相談コーナーも行います。』と、中西先生からのメッセージ。平野文さんの著書『魚河岸のプリンセス』やエッセイなどの挿し魚拓や、NHKテレビBSの『一魚一会』の背景魚拓、ためしてガッテンへの出演、しながわ水族館の東京湾の魚たちのパネル展示。モナコ海洋博・特別招待、2008ダイワ精工企業カレンダーなどなど。神奈川県横浜市でお教室も。毎回「これが、魚拓?こういうものは初めて見ました!」と新鮮な驚きと感動の声が、聞こえる2週間、ワクワク楽しい展覧会です。人気の縁起の良い大鯛も。達人の円熟の技をどうぞ、ゆっくりとご堪能くださいませ。(97年より毎年開催。)大ヒラメ、ナマズ、鯛、鮎、鮒・・・作品や制作手順を見ることがサイトが、ございますので、どうぞアクセスしてみてくださいね。珍しい魚 大物等釣果の記念に魚拓を残したい方もどうぞ!(サイトは現在休止中)】

 

★2010年の傘寿記念展まで、毎年ギャラリー銀座にて個展開催。横浜みなとみらいでも大規模な個展を開催。現在は、東京駅黒塀横丁の、中島水産のお店【奈可嶋】などに中西先生の作品があります。美味しいお魚と一緒に楽しんでは。

 

★2016年9月に門下生の方々が、展覧会をしてくださった折に、中央区観光特派員の方が取材してくださった記事がこちらにございます。

http://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/2016/09/post-3677.html

 

★中西先生の、少し前の時代の作品には、日本画や色紙に多く用いられた額装がしてあるものも多いです。(特注サイズ、職人仕事の今ではもう手に入らない額も多いです。)もし、今の部屋に、もっともっとイメージをあわせたい場合は、マット(額と作品の間にあるアイボリー系の白い厚い台紙)を、青などの色のあるもの、又はお部屋のイメージにあうものに変えても、すごく良い感じになると思いますよ。

 

(文責 旧ギャラリー銀座運営者  岩井)

 

 

銀座の路面レンタルギャラリーre open!

ギャラリー銀座2018年〜新規約にて 

ギャラリー銀座 1F(限定週)・2F