これは重い。脚本は良くできていていい。
なにが正義、何が悪なのかは・・・・
確かに1人を中心に取り巻く人みんなが不幸になる介護問題。
不幸なことが多く重なっていいことはない、
介護生活はたのしくはないですねと言われると
・・・・。たしかに。
 
老々介護、仕方なくやるしかないのでやっている人が多いと思うが
楽しいかと聞かれるとやはり楽しくはないだろう。
 
 
その人がいなくなると介護していた人はみなホッとして楽になる。
 
この映画では坂井真紀がそういうシングルマザーを演じている。
(自ら介護していた痴ほう症の実のお母さんが亡くなると自分のことがよく見えてきて明るくなるという設定である。)
 
長澤まさみ演じる検事の母親(藤田弓子演じる=ドクターコトーにも出ていたが元気だなあ)が自らホームに入っているがここは長野県の高級老人ホームという設定でお金のある人しか入れないのだ。この母がトイレに行く際にまさみが連れて行こうとすると母が
「娘にそんなことさせられないよー」と職員を呼ぶシーンがあるがなんとも切ないなあ。
 
 
 
今年見た邦画では一番いいかも。
 
この監督「豚がいた教室」をとった人でこういった倫理的問題について問題意識の
高い方なのだろう。自分は豚がいた教室の当時小学校教諭の方は質的実験データが欲しいという理由があるにせよ、やはり物事の考え方がややゆがんだ方だと自分は思う。(小学生はこの行事を拒むことができないからだ)
 
沖縄県でヤギ汁にするヤギをしめる際に小学生の子供の前でやる人はまれだろう。
だからわざわざ(しめるところをみせるわけではないが)都会の小学生に
そんなことを想像させる経験をさせるという必要がないように思うのだ。
この先生(今は大学の先生)はやはり少しおかしな人ではないかと考えるわけである。
 
しかし頭がおかしい人は国立大阪大学大学院の博士後期課程を修了することはできないし入ることも、受験することすらできないとも思う。(博士後期は受験前に気違いかどうかを教授陣に確認されるから)
 
ただミー坊自身がおかしな人ではないということを書いているわけではない。

 

 
 
 
 
 
 
 
こっちの映画は介護問題。
 
ミー坊と同じくらいの60歳位で老人ホームを予約してる人もいると聞くが自分はこういう場所には入りたくはない。
入院なども嫌だ。(ボケて入れられてしまうばあいはあるだろうが)
80歳になってからではもういいホームには入れないからということだが、ハナからそんなところにはいる気がないので自分には関係ない。少人数のグループホームなども含め利用者はどうしても
監獄やペット以下の扱いだと思うからである。(と言っている人が入るようになっちゃうんだよな)老人はボケていても幼稚園児とは違うのだが施設の従業員はそんなことはわかっていても別の扱いはできんのじゃ。作業が一杯一杯で。
 
なぜにそうなるのか。
理由はそんなに従業員が集まらない、給与が払えない、従業員を教育している時間がないなど理由はさまざまである。
 
自分は動けなくなっても車いすを押されるのは嫌だという人である。
 
 
 
 
 
以下一部ネタバレ含む
 
 
風俗嬢がTVで事件報道を見ているシーンの意味が自分にはわからなかったがその後本作を観たという
千葉のSF映画マニアがこの風俗嬢の一人があの元施設従業員の女性だよと教えてくれたが
あれはちとわかりずらい。(SF映画マニア的には考えないとわからないので、いらないシーンだと)
化粧で別人に見えてしまうので自分は風俗嬢がなぜこんなニュースを見ているのかと思ったのと聞いたあとで施設をやめて風俗に堕ちるなんてあんまりないのでは?(たとえ気が狂ったとしてもない)と思ったな。
 
 
 
松山ケンイチあまり好きではなかったがこの作品の長澤まさみとの2人芝居は良かったねえ。
ややケンイチの人物像が極端ではあるが。
 
「検事さんはどう思われますか?」とかあーいうシーンは好きだが実際にはおそらく答えず「あなたの質問に答える必要はありません。」で終わってしまうだろう。
犯人がまーここまで理論的な発言を検事相手にできる人物だとしたら日に3度の飯が食えなくなったり、生活保護申請の必要はなく、いま人手不足の介護職員どころかどんな仕事にもつけるだろう。
あそこまで何もみずにすらすらものが言えるのは(お芝居だが)大学院の圧迫面接などでどの教授に聞かれた質問にもてきぱきと答えられるのと同等であるからかなり給与のいい仕事につける人材になってしまう。
 
実際にこのような事件の犯人がいるとすればやはり、やまゆり園事件の容疑者のような容姿なのではないかと思う。
 
法廷で被害者の娘が「お母さんを返せ」というシーンがあるのだが、これはいらなかったように思う。わかりやすいが
やや非現実的であるし、ぼけてしまった母を同じ状態で返されても・・・となるわけだ。
本当にそう思っている人は少ないということが観客にはわかっているのでこれはなかった方がいいと。実際には被害者の娘であるが、単に慰謝料が欲しい被害者のふりをする悪人にも見えてしまう。
 
 
 
ラストに流れる森山直太朗の歌さもありなんはさもありなん。ちょっとやりすぎで自分は正直好きじゃない。
ちょっとこの映画に合わせない方がいいと思うなあ。(この映画のために書いたのかとも思うが)