地を這うようにのびる根っこを踏み越えてゆく。
ただ人為的に一本切られていた。


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みきの真ん中が貫通してるブナの木。人間なら生きてない。

鳥獣のねぐらだったのかな。
見上げると見事な薄緑の葉を繁らせていた。

いつか強い風を受けて折れて倒れてしまいそう。
それくらい大きくポッカリと空洞になってた。


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枝の突き出し方が半端じゃない。鬼だ。


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山深い峡谷沿いの細くうねった車道を走り秋山郷に入る。
「三合目まで車で…」との小さな看板を見つけ左折。


途中、坂路をゆっくり登ってゆくと、車越しながら、雪どけ水をたっぷり含んだ清涼な滝とカモシカとキツネに遭遇する。 
 
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広い駐車場に着くと
四、五名のおじさんたちが山頂方向に三脚を立てたカメラを向けていた。




登山道入口を番人のように、ブナの巨木が立っている。
三本のブナが結合したほどの大きさだ。
太古の神々のような存在感と美しさにあふれていた。


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今ひとり、東北方面に旅に来ている。

天気が良すぎて、北国らしい寂寥感がない。
毎日、明るい日差しと温かさにあふれている。

下北の恐山にも行ったが、風車のなかで地蔵さまが可愛いらしく見えた。

境内に硫黄の温泉があって、のんびりつかっていたら、団体バス客が大勢ゾロゾロと賑やかに通り過ぎて行った。
観光化され過ぎて、信仰の聖地という感じはあまりない。



風呂に入り気持ち良かった。硫黄臭さがやけに鼻の奥に残るもやむを得ない。



霊場恐山というイメージを壊したくないなら、なるべく寒い時期に来るべきである。



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