原爆から放射された熱線をあびた人々が、ゾンビのように手を前に突き出してるには理由があります。
火傷で皮膚が剥けた腕を心臓の位置より下げると痛いので、
上へと少しでも痛みを減らさんがための苦し紛れの行為でした。

暗闇のなか、自分でも異常だと思えるくらい、YouTubeの原爆に関する映像をずっと見ていた。
そのなかでThe Cranberriesの「ゾンビ」という映像曲があった。
アイルランド出身のバンドらしく魂を響かせる歌声だ。
ヒロシマ、ナガサキの被爆者が映像の主体になってることからして反戦、反核の歌のようだが、英語なので歌詞の内容が全くわからないのが残念。
しかし「ゾンビ」が被爆者を意味することはわかる。
もちろん被爆者はゾンビなどではない。
死んだ数十万の被爆者たちが生き返ることはないからだ。
また道義的に許される形容ではない。
だが、原爆を二発も落とした国から見れば、あの被爆者の群れはゾンビなのである。
執拗に手を伸ばして追いかけてくる潜在的罪悪感がゾンビなのだ。
罪悪感としてのゾンビは決して死ぬことはない。
無惨にも化け物に変わり果てた少女の顔は、すさまじい怨念と悲哀が張りついたままだ。




