昨年の年末の話になりますが、ゴルトベルク変奏曲チェロ独奏版を聴いてきました。

元々チェンバロで演奏するために書かれた曲ですので、ピアノであれば第二声、第三声と一人で演奏できますが、チェロ一人でどうやって再現するのだろう??と興味深々で伺ったのですが、原曲がそのまま再現されたかのような素晴らしい編曲でした
私も素人ながら弦楽器を多少弾くので、どのように弦を押さえているか見ていたのですが、プロだから技術的に可能な部分が一部ありつつも、オクターブを変えて押さえられるようにアレンジしたり、かなりの知恵が使われていました。
勝手に、これはバッハも編曲に感激しているだろう、と思っておりました
ゴルトベルク変奏曲は、不思議なことに私が不眠症のときにたまたまGlenn Gouldさんの演奏している曲に出逢って、30も変奏曲があるのでちょうどいいと思って、聴いていたのがご縁でした。
バッハの他の曲しかり、異次元が垣間見えるような摩訶不思議なエネルギーが流れてくるので、聴き入ってしまって、結局眠りにはつけないのですが
そして、アリアから始まって、アリアで終わるので、タロットカードの愚者の旅のように、全曲通して聴くといろいろな経験をして少し成長したような感覚でまた振り出し地点に戻るので、なかなか感慨深いです。
このコンサートで曲の解説を頂いていて初めて知ったのですが、ゴルトベルク変奏曲は不眠症の伯爵が寝付けるように作曲の依頼があったもの、とのこと。
変奏曲が30もあるので、羊が一匹、羊が二匹・・・という感覚にも少し重なります
私の場合は、聴いていると、曲の世界観があまりにも大きいので、眠れないという事自体が大した問題ではない、という感覚になっていました
ピアノ以外の楽器では、ハープのカトリン.フィンチさんの演奏もオススメです