「干支(えと)」は、「”植物”の1年間の成長過程を現す」
ことに変わりありませんが、

「午」というのは、「杵」(きね)の象形文字で”木へん”を省略した字体。
二人でキネを、交互に上下させ米をつく象形です。

漢字「午」の語源では、
漢和辞典に「貫き突き通す」と極めて強い解釈をしています。これが「午」の原点です。

 

 

 

 

 

おそらく古代人は、季節の繰り返しの中で、
太陽が一番暑く”突き通す”ように感じる時期を、
1年間の”中心”にあるものとして「夏=午」の字体を使用したのでしょう。

朝の太陽から夕方の太陽になる「折り返し点」という意味から、
「正午」(朝から夕方の中間)の用語ができ、
それより前を「午前」、後を「午後」といいますね。
要するに、
太陽が一番強い意味ですから、方位も「午=南」を表すようになったのです。

 

 

 

 

 

言い換えれば、
「午」という字体は、十二支の中でも”植物”の生育を最も盛んにする季節・・・
現在では「夏」、方位では「南」を表すようになったということです。

ですから、後の「”子”・丑・寅・卯・辰・巳・”午”・未・申・酉・戌・亥」の十二支は、
「子=冬」と「午=夏」として、前後五つずつの季節にし、
「午」を”1年の折り返し中心点”としたのです。

他の「()丑・寅・卯・辰・巳・()・未・申・酉・戌・亥」の10文字は、
全て”植物”の成長過程を表す字体ですよ。

 

 

 

 

 

全て、ここで説明すると長くなりますので、
最も判りやすい字体を言いますと、
「卯」は動物の”兎”ではなく、植物の”新芽”であり
、「申」は動物の”猿”ではなく、”枝が伸びる”の”伸”のニンベンを略した字体ですよ。

第一、「干支」を”えと”と読むのも疑問があるでしょう。
「干」は”幹”、
「支」は”枝”の一部分・・・どうですか「幹」も「枝」も”植物”でしょう。

このように、古代人は象形文字から一部分を省略した字体を良く用いたのですよ。
それはなぜ? 
青銅器(年号の刻字)などの鋳造技術が未熟で、
出来る限りの簡略体にしたのです。
どうも中国人は、略することが好きなのか、
現在でも「漢字」を”簡体文字”にしていますね。