議会運営委員会視察報告 (新潟市、新発田市、上越市) 委員会の活性化、決算重視  | 町田市議会議員 ふじた学 オフィシャルブログPowered by Ameba

議会運営委員会視察報告 (新潟市、新発田市、上越市) 委員会の活性化、決算重視 

ありがとうございます。
藤田学です。

7月14日から16日まで、議会運営委員会で、新潟県3市を視察させていただきました。
その所感です。しっかりと町田に持ち帰り、議会活性化に活かしていきたいと思います。

今回は自分なりに、「予算に活かすべく決算審議の在り方について」に、問題意識をもち、伺ってきました。

●新潟市議会(7月14日)  

 新潟市議会基本条例を制定し、様々な改革を進めている中で、「調査すべき議案をしっかりと調査し、議論し、審議する」という基本姿勢がしっかりしていると感じました。  
 中でも、私が質疑させていただいたのは、地方自治法改正により「基本構想」が議決案件からはずされたが、新潟市議会では、議会の責任と権限との思いで、あえて流れに逆行する形で、「新潟市議会の議決に付すべき事件に関する条例」の一部改正を行い、「基本構想」を議決案件として追加していました。  
 さらには、市の将来を大きく左右する「次期総合計画(平成27年度から平成34年度までの8年間)について調査研究を行うために、議長を除く全議員による「総合計画特別委員会」を設置。  「地方自治・大都市制度分科会」「暮らし安心・子育て教育分科会」「拠点性強化・活力向上分科会」「持続可能な行政運営と環境保全分科会」の4つの分科会に分かれ、委員間討議をしっかりとしながら議会として総合計画に対する意見を取りまとめ、市長へ申し入れを行っています。  
 最後に、今回の視察において、全体的に「予算に活かすべく決算の在り方」を自づからのテーマとして課題意識をもっていました。  
 新潟市においては、議長及び監査委員(2名)を除く全議員が、基本的に常任委員会所管単位の分科会に分かれ審査していました。
 全議員が取り組む決算審査、大変、参考となりました。一つの大きな成果ポイントでした。

    

 ●新発田市(7月15日)  

 新発田市議会は、まず、委員会審査に重きを置いていました。
 例えば、損害賠償の額の決定、一部事務組合の規約、指定金融機関の指定、意見書、決議等に於いても、委員会に付託し、しっかり審議していました。  
 決算は、特別委員会を設置して審議しているが、その中身において、通常(町田市も含む)参考送付となっています「第3セクター」(新発田市では、下越土地開発公社(持ち株比率(出資比率)80%)、紫雲寺風力発電株式会社(同51%)、株式会社紫雲寺記念館(同33.7%)、公益財団法人勤労者サービスセンター(66.6%)、株式会社エフエムしばた(50%)、一般社団法人新発田市観光協会(出損金1970万円、平成24年度予算観光推進事業負担金3300万円))の決算状況について、参考人に出席要請を行い、審議の参考としていました。  
 昨今の情勢で、第3セクターが夕張市のように市財政を圧迫する要因になっており、しっかりと監視していかねばならないとの趣旨であり、この点については、全く同感するところでした。  さらに、特別委員会において、所管単位の審査終了後に、市長総括質疑が行われ、市長、副市長、教育長、政策調整監(27年度機構改革により現在は置いていない)、会計管理者が出席している。  この、市長ら理事者も出席し、委員会重視という点は、かなり参考になりました。
 審議案件と共に、しっかりと持ち帰って、町田市の審議の在り方に、前向きな意味で提言していきたいと思っています。

 ●上越市(7月16日)  
 議会改革度上位の上越市は、さすがに学ぶべきことが盛りだくさんでした。
 その中でも、象徴的であったのは、政策立案の意欲と体制づくりでした。  
 市民との意見交換会の企画・運営、聴取した市民意見の整理、議会だよりの編集等を行い、市民との情報共有を推進し、市民参画の充実をはかる「広報広聴委員会」。  
 そして、広報広聴委員会が聴取した市民の意見及び議員・会派等が提案した政策提言等について、議会としての対応方針を協議するためをする「課題調整会議」。
  そして、議長から諮問された案件について専門的に検討し、議会として政策立案及び政策提言等を行う「政策形成会議」。  
 さらに、議会独自にパブリックコメントを行う体制も整えられていました。
 実際に、議員提案で、政策提言、条例案提出、そして成立が図られていました。
 その為に、議会事務局に法務経験担当者を配置していました。  
 
さて、注目の決算であるが、上越市では、常任委員会に付託され、審議されていました。
「付帯する意見はどうしているのか」、質問させていただきました。
 答えは、「委員間討議が活発に行われており、担当者も理事者も市民もその過程をしっかり聞き、予算編成等に活かしていただいています。
 さらに、討議の中で、決議や付帯意見が自ずと生まれてくる」。とのことでした。  
 まさに、質疑だけではなく、委員間で活発な討議が行われていることに、議会、委員会の活性化を視ることが出来きました。  
 委員室の設えも、まさに討議の場となっていました。参考にしたいと思います。  

 私見でありますが、決算は、予算を審査した常任委員会がすべきであり、またサイクルの中で、その決算を次年度の予算に活かす審査をすべきと思います。
 そして、決算は、やはり予算審査のように議員全員が関わるべきと思っています。  
 町田市でも新公会計全国初で導入され、「決算重視」の方向で動いています。
市議会としても即応すべきと強く感じています。  
 今回は、このことを確信した有意義な視察でした。