血管性浮腫(Hereditary angioedema、HAEと略)という病気をしっていますか?皮膚や粘膜に急激に局所性浮腫をきたす深在型のじんま疹で、血管神経性浮腫、クインケ浮腫、などと呼ばれています。ウキペディアの写真のような浮腫をくりかえす病気です。わかりやすい写真がのっていましたので、紹介します。
浮腫は、12-36時間続き、2-5日間続く。このあたりの出現期間も、蕁麻疹との違いが出ます。http://en.wikipedia.org/wiki/Angioedema
蕁麻疹と似てして、しばしば同時に皮膚に現れます。血管性浮腫の方が、皮膚の表皮より深い部分で、血管成分が漏れ出るので、神経の関与が大きいと考えれてきたが、証明が難しい。蕁麻疹では、かゆみがあるが、痛みを伴うことは無く、一方、血管性浮腫は痛みを伴うことが、時にある。顔面の広範囲に現れることがあり、苦痛を伴う。


血管性浮腫は、原因となる薬剤や、原因不明のものが多いが、中には遺伝性のもの(C1-INH、C1(補体第一成分)エステラーゼ抑制物質)の遺伝子異常があり、これは検査で診断可能になる場合がある(保険診療による検査が可能)。

遺伝性血管性浮腫は常染色体優性遺伝で家族性に発生する。遺伝性のものは、SERPING1遺伝子異常で、2種のタイプがあり、1型は、C1-inhibitor(C1-INH)の低下、2型は機能異常によるもので、外傷、小手術摘出、抗原との接触、誘発されることが少なくない。なぜ、このようなイベントがおきるのかというと、動物には、補体と呼ばれる重要な機能物質があり、C1r、C1s、C1q という成分がC1複合体をつくると、補体が活性化してくる。補体は、ブラディキニン を増やす。この物質が、血管の漏れやすさをつくり、血管内容物質が、血管外に出てしまう。補体は、細胞を溶かす力があり、細菌などを溶かす。

腸管で、浮腫のイベントが起きると、原因不明の急性腹症として、回復手術となることがある。
ごくまれだが、食物アレルギーで、喉頭浮腫となり致死的に至る時もある。

薬剤との関連においても、注意する。
血圧をさげるACE阻害剤は、ブラディキニンの働きを壊すACE(体内酵素)の働きを抑制するので、この薬をきっかけに、浮腫がおきることがある。
• ①INHC1(esterase)inhibitor(C1-INH)の欠損
• ②染色体5のHageman(XII)因子の遺伝子異常
• ③遺伝子異常のはっきりしないものもある
• 血管性浮腫が年間12-20回起きる。反復性が特徴なので、思い当たる人は医療機関で検査をうけるのが良い。


• 薬剤との関係があったのは、 ピル(ピルを飲んでいる時のみ症状のでる人もいる)妊娠、HRT(ホルモン補充療法)などが要注意。