君たちはどう生きるか アカデミー賞 | 楽典詩人

楽典詩人

楽典に触発された詩、フィットネス、空手・武道、物見遊山、飲食

マスコミ報道によると宮崎駿監督のアニメ映画「君たちはどう生きるか」が米国のアカデミー賞を受賞したとのことだ。

 

日本人の大部分は、「君たちはどう生きるか」というタイトルの作品が吉野源三郎の書いた物語と宮崎駿のアニメ映画の二つがあるということを十分に認識している。それは、「風の谷のナウシカ」という宮崎駿が書いた漫画とアニメ映画の二つの異なる内容の作品があるという認識とは異なるものだ。

 

吉野源三郎の作品が先になければ、それとはまったく異なるストーリーの自分のアニメ映画を宮崎駿はそのタイトルにしなかったのではないだろうか。つまり、宮崎駿は同じタイトルにすることによってなんらかの意味を自分の作品に添加したかったのだろう。こうした二重性は、大部分の日本人は宮崎アニメを観る前から認識している。

 

ところで、アカデミー賞を受賞した宮崎駿のアニメ映画の英語のタイトルは「the boy and the heron」というようだ。どこにも「君たちはどう生きるか」を連想させないタイトルになっている。そこに二重性はない。

 

大部分の日本人が感じる二重性をタイトルから感じ取らないで、その作品を直接評価することの方が、より意義深いことだと思われる。

 

私は若い頃から、外国映画の邦題がおよそ原題の意味から離れてしまったものもあり、そのタイトルが観客の興味を惹くためだけにつけられたようなものが多くあり、我慢ならない気がしていた。

 

そうした点では「the boy and the heron」はあまり文句をつけなくてもいいのかなと思う。