四当五落は古い
昔は四当五落と言って,4時間睡眠で頑張れば受かるが,5時間寝てたら落ちる,と言われていましたが,脳科学的にはどうなのでしょう?
人により様々ですが,大体6時間から9時間くらいがいいそうです。
レム睡眠とノンレム睡眠
人の眠りというのはレム睡眠とノンレム睡眠が交互にやってくることで成り立ちます。
- レム睡眠:身体が眠っているのに、脳が活動している状態。急速眼球運動(Rapid eye movement)が起こっている。夢を見ているのはこの睡眠時。
- ノンレム睡眠:ぐっすりと寝ている状態。睡眠の80%はこちらの睡眠。大脳が発達した哺乳類と鳥類のみに見られる睡眠。
人は寝ると最初の3時間で一気に深いノンレム睡眠に落ちていきます。
この3時間で脳の回復,免疫作用,ホルモンの分泌,体力の回復などが強く働きます。
つまりこの3時間はどれだけ睡眠時間を取れなくても絶対に確保しなければならない睡眠時間,と言う事です。
そしてこの3時間をしっかり深い眠りにできるかどうか,が睡眠の質を左右する大きな要因となります。
ちなみに居眠りのほとんどがこのノンレム睡眠です。
回復力が高い睡眠なので,軽い昼寝や居眠りは目覚めが良くなります。
逆にしっかり寝入ってしまうとなかなか起きられなくなります。
3時間以降の睡眠は,約90分置きにレム睡眠がやってきます。
この約90分置きというのがポイントです。
レム睡眠は眠りの浅い睡眠なので,目覚めがよくなるのはこのタイミングで起きたときです。
つまり90分の倍数の時間で目覚ましをかければ起きやすいという事です。
例えば12時に寝たとすれば,3時,4時半,6時,7時半が起きやすい時間と言う事になります。
よく「私は10時間寝ないと寝た気がしなーい!」という方がいらっしゃいますが,睡眠障害か,起きたくないか,思いこんでいるだけの人がほとんどでしょう。
欲望ではなく,純粋に起きやすい時間を探せば大体上記のようになるはずです。
睡眠は3時間で十分?
さて,では睡眠は3時間で十分なのかというとそうではありません。
3時間以降の睡眠でも体力や脳の回復が完璧ではない事があります。
それを回復させていく重要な役割があります。
しかしそれも長ければいいという訳ではありません。
寝る時間が長くなると,今度は寝疲れを起こします。
いくら寝ても寝足りないというのは大かたこのパターンです。
起きやすいタイミングでパッと起きるようにすると解決する事も多いですよ。
6~9時間が最適な時間
では結局のところどれくらいの睡眠時間を取るのがいいかと言いますと,色々な県で睡眠時間と学力の関係を調べた調査結果があるのですが,大体6~9時間睡眠のあたりに学力が高い子が集まっているようです。
でも実はハッキリとした相関性がある訳ではありません。
単純に生活リズムが6~9時間の子が一番多いために成績がいい子もそこに集まっただけかも知れません。
しかし睡眠時間が5時間を切ったり,10時間を超えたりすると明らかに学習効率が下がってくる事はわかっています。
毎朝子供が起きないと困っている保護者の方も多いと思います。
力ずくで起こすのではなく,なるべく自然に起きられる生活習慣を探して見る事が,本当の学力向上につながってくるのではないでしょうか。
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