仕事のピークが過ぎつつある。
年末・年始には全く休みが取れず、朝から晩まで塾で仕事をしており、洗濯物は溜まるわ、
睡眠は足りないわでかなりストレスを感じていました。
授業・授業・授業…合間に質問攻め。
「頼むから、ごはんくらいゆっくり食べさせてくれ~」
泣き言を言いたくもなった。
「早く受験が一段楽すれば良いのに」
何度も忙しさから解放される日を待ち望んだ。
一人合格し、また一人合格し…授業に集まるメンバーが受験を終了していくと
質問攻めに来る塾生も減ってきた。
今年は私大志望者が多く、国公立受験者が少なかったこともあり、午前中はかなり余裕がある。
ようやく忙しさから解放されつつある。待ち望んだ緩やかな時の流れ。
全然嬉しくない。
全然楽しくない。
あの質問攻めの日々が懐かしくすら思う。
過労死という言葉が何十回も脳裏によぎったあのほんの数日前が懐かしいのだ。
仕方なくWeb Siteの更新作業を進めている。
そんな時、個別指導部の塾生が質問に来てくれた。
「誰か数学できる人いますか?」
私は化学講師である。しかし、このチャンスを逃すわけにはいけない。
「俺、でいい?」
ちょっと遠慮目に言ってみたが、心はウキウキである。残念ながら男の子であるが…。
おっと予備校講師たるもの、質問にくる塾生が女の子か男の子かで一喜一憂するなど言語道断である!
早速、気を取り直して(なんでやねん!今自分で言ったこと否定するんかい!)、早速質問を受ける。
「やばい!これは難しい問題だぁあああ!」
ちょっとビビるが、この緊張感が溜まらない。
「じゃあ基本的なところから説明するね」
ちょっと上から目線で問題を眺める。ようやく方針が立つ。この間コンマ数秒。良かった、大丈夫だ。
化学においては「神様」扱いされる私も、この半年以上離れている数学はちょっと怖い。
瞬間ビビったことを悟られぬように、冷静に説明する。
「じゃあちょっとまとめを作っておくね。」
頼まれもしないのに今説明したことをまるで参考書の執筆をするテンションで丁寧に紙に書きまとめる。
「つぎ、これもお願いします。」
おっ漸化式か。これは得意分野だ。もう焦りはない。さらりと説明をこなす。もはやオレの独壇場だ。
ほんのつかの間ではあったが、確実に充実したひと時であった。
そういえば、生物の凄腕講師も同じ症状にかかっていたような気がする。
俺たちはみんな仕事中毒だ。