「肺結核」と心理カウンセリング　　「隗より始めよ」(その一/全3章)

①整体による実例

●37才・男性・サービス業

・20代前半に一度肺結核にかかり、半年間ほど入院生活を送っていたそうです。その後職を転々とし、一時はすさんだ生活もしていたそうです。

・今のサービス業に転じてそれなりに落ち着いてきたそうですが又肺結核が再発し、ペニシリン療法を中心に現在病院通いをされています。

・十二指腸潰瘍や胃潰瘍なども、それぞれ治っては再発する事を二度三度と繰り返していて、全身的な体調もすぐれないので、肺結核の整体治療も兼ねて当治療室に来院されました。

・最初の4-5回は内臓整体とカイロプラクティックを施術していましたが、当初から心理的ストレスが根強く感じられたので、整体治療中にカウンセリングについてのインフォームドコンセントをしていました。

・その結果、患者さんから心理カウンセリングの希望を告げられたので、整体治療を中止して心理カウンセリングに切り替えた症例です。

②診察

・整体治療中での雑談から心理分析したところ「恐怖・固定・保護」の三つのキーワードが観えてきましたので、「この三つの言葉が今回のカウンセリングの決め手になると思うよ」と、説明しました。しかしこの患者さんは「何のことだか???・・・」と、不思議そうに考え込んでいました。

・この患者さんは以前に何度か心療内科を受診されていて「軽いウツ」と診断を受け、抗うつ剤などの処方も受けていたそうです。ですから上記の疾患だけでなく、人としゃべる時もオドオドとしてまともに話せなかったり等〃、心理的な問題も数多くあったようです。

・病院などを何度も変えていて「ドクターショッピング」を感じさせる節もありました。☚「身体表現性神経症」などでよく見られる所見です。つまり「私は誰にも治せないんだ!」といったハンディキャップ的なお墨付きを得ることで、自分の身体的な愁訴を利用してストレスの回避に努めている神経症の一つです。

・ウツ等の心理的ストレスは免疫機能を低下させ感染症(肺結核等)に罹患しやすくなったり、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの発症にも強く影響しますので、やはり心理カウンセリングを導入して心理的ストレスを少しでも緩和させていくことが、身体疾患の改善につながると考えました。

・・・その二に続く

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