枕を新しく替えた後、首が全く動かない… 重度の寝違え(変形性頚椎症の可能性?!)の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

●当院は「整体治療」と、「2年制整体学校」を運営しています。
●各疾患・症状に対しての研究-治療成果、患者さんとのエピソード、コラムなどを掲載しています。
●当院での治療(左下欄参照)、又は学院への入学希望の方は専用メールか06-6180-6880までお電話下さい。

枕を新しく替えた後、首が全く動かない…
重度の寝ちがえ(変形性頚椎症の可能性?!)の整体治療の解説です。
患者Tさん=43才-女性-会社員/主婦の症例

寝違い、むち打ち症、腕・手の痛み/しびれ 整体治療法と治療例【総合案内】はこちら
● JHSC整体院の総合治験例はこちら


 

 

①    Tさんの病歴・・・「一か月前から寝違えが治りません…」
患者Tさんは、一か月ほど前に枕を新しく買い替えたそうです。しかしその翌日から、起床時の首のコリが酷くなり、それだけでなく、度々寝違えが生じ、首が回らない状況で仕事をする日が増えていたそうです。その様な状況の中で、三日前に生じた今回の寝違えは、今までの中で最悪の状態だそうです。本件で、整形外科などの受診はしていないそうです。

 




②    Tさんの診察
・Tさんの身長と体重は、155cm、41.5kgだそうです。
・新しく買い替えた枕は、以前の枕よりやや大きめだそうです。
・枕を替えてから、起床時に起き上がる時、首が「ポキッ」と鳴ることが増えていたそうです。
・寝違えの状況は、首の前後屈、左右の側屈、左右の回旋すべてで可動域制限があり、特に後屈がほとんど不能の状態で、首を動かすたびに首のあちこちに痛みが生じるそうです。
・手指の筋力低下や、上肢への放散痛などは無く、また手指巧緻運動障害もないそうです(パソコン作業に問題は無い)。また歩行時のつまずきや階段下行時の障害も無いそうです。
・上肢の神経学検査で異常はありませんでした。
・上肢の腱反射は、それぞれやや減弱していました。
・ホフマンテスト、ワーテンベルグ反射および10秒テストは陰性でした。
・特段のスポーツ歴は無く、転倒や交通事故などの事故歴も無いそうです。
・仕事はパソコン作業がほとんどですが、勤務時の姿勢は、椅子の上にチョコンと正座をして作業する事が多いそうです(☚かなり猫背の姿勢)。
・瞳孔は正中にあり、左右対称で、眼球運動に異常はありませんでした。眼瞼下垂などはありませんでした。
・難聴や耳鳴りは無いそうです。
・顔面の表情筋に異常は無く、構語や嚥下障害もありませんでした。
・胸頸部聴診上、血管雑音や心音、呼吸音の異常所見はありませんでした。
・頸椎の棘突起叩打痛テストで、C4,5,6,7の巧打で、軽度の違和感が生じたそうです。
・頸部触診上、それぞれの頸椎棘突起間の間隔がかなり近接していました。またC4,5,6,7の棘突起押圧で、グラグラとした不安定感があり(☚ハイパーモビリティの状態)、軽度の痛みが誘発されました。
・左頸部(下顎角の下方/胸鎖乳突筋中部)に自発痛があり、同部に服などが擦れると、切れる様な痛みが生じるそうです。
・排尿や排便などは普通にできて、膀胱直腸障害は無いそうです。





➂ 治療目標と整体治療…椎間板の間隔を広げる治療目標 !!

⑴    頸椎椎間板の体液循環を促進し、椎間板の厚みを厚くして、頸椎椎体間および椎間関節間の間隔を広げる
⑵    上記⑴でもって、ルシュカ関節などの接触を抑制し、頸椎痛(寝違え)を改善する
⑶    上記⑴でもって、頸椎を支持する椎間板や靱帯などの機能回復を期待し、また予測される頸椎の変形を少しでも解消する事を期待する
⑷    Tさんに頸椎牽引の方法を指導する
⑸    整形外科での検査を推奨する

   ・頸椎牽引テクニック
   ・頸椎の自己牽引法指導
   ・念のために、整形外科での画像検査を勧める





④    経過と結果・・・1診目で大幅改善 !!
・初診治療後、

首の痛みはほとんど解消され、また頸椎の可動域は大幅に改善されていました。
 

・2診目来院時、

「あれから毎日、職場も含めて首の牽引をしていますから、このあいだの様な痛みは起こっていません。それからネットで、頸椎の牽引器具を見つけたので、それを注文しました」と仰っていました。
 

・3診目来院時、

「職場では自分で牽引していますが、家では牽引器具で首を引っ張っています。今のところ首の痛みはほぼありません。」と仰っていましたので、これで様子をみて頂くことにしました。




⑤     今回の症例の概説、、、椎間板狭小の可能性 ?!
◆ 寝ちがえの原因は"頸椎"にある ?!…

・いわゆる寝違えは、様々な原因で起こります。ですからその原因に適切な治療法を選択しないと、治るものも治らなくなります。『寝違い、むち打ち症、腕・手の痛み/しびれ【総合案内】はこちら』参照
その観点からTさんの寝違え症例をみていくと、その原因はTさんの頸椎にあると考えられました。


・その最大の根拠は「枕を替えてから、起床時に起き上がる時、首が「ポキッ」と鳴ることが増えていたそうです」といった、Tさんの所見にあると思われます。つまりカイロプラクティック的にいうと、この状態は頸椎がハイパーモビリティの状態にあるのでは、と推測されるからです。

 

 

 

 

 

◆ 頸椎がグラグラと不安定化している ?!
・ちなみにハイパーモビリティを簡単に説明すると、頸椎が安定せずにグラグラとしている状態を指します。ですから先述の様に「枕を替えてから、起床時に起き上がる時、首が「ポキッ」と鳴ることが増えていたそうです」といった所見が生じるのだと思います。


・頸椎がハイパーモビリティの状態に至った原因は数多くあるでしょうが、慢性的な要因では、これもTさんの所見にあった「勤務時の姿勢は、椅子の上にチョコンと正座をして作業する事が多い(☚猫背の姿勢)」が考えられます。この様な猫背の姿勢により、日常的に頸椎に負担がかかる事になり、頸椎を支える椎間板や各種の靱帯、関節包、関節軟骨などの損耗が進み、頸椎を安定的に支える能力が減弱していったのでは、と考えられます。カイロプラクティック的には先述のハイパーモビリティの状態ですが、整形外科的には変形性頚椎症を想定させる状態だと思われます

 

     


◆ 椎間板を厚くし、頸椎の安定化を図る治療目標で瞬時に軽快 !!
・この様にして、Tさんの頸椎支持組織(靱帯、椎間板、関節軟骨、関節包など)が限界近くまで損耗している時に、少し高めの枕に買い替える事で、就寝時に首とベッドの高低差が生じる事により頸椎支持組織にさらなる負担が増え、頸椎の支持が限界を超え、上下の頸椎間隔が接近しすぎてルシュカ関節(☚下記注1参照)などが接触し、頸椎痛=寝違えが頻発するようになったのでは、と推測されます。


・以上の仮説を基に、上記③「治療目標と整体治療」に掲げる施術をしたところ、瞬時に寝違え症状が軽快した事から、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と考えます。




◆ 頸椎安定化の問題「その一」とその対策とは…
・とは言え、ただ問題が二つありました。一つは、この頸椎牽引による軽快が長続きしにくい事です。仮に変形性頚椎症だとすると、(変形の完治は難しいですが)完治を期待するには頸椎椎間板の厚みを厚くして、ルシュカ関節などの接触を抑制する事が肝要です。なぜなら、血管支配の無い椎間板は、その栄養・O2補給を、上下の椎体面=軟骨終板から拡散する体液に依存しているので、頸椎椎間板を厚くするには、頸椎を牽引-減圧して、菲薄化した椎間板内に椎体の上・下面にある軟骨終板からの体液が拡散しやすい状況を作る必要があるからです。


・しかし残念ながら、一度の頸椎の牽引治療効果(椎間板の肥厚)はさほど長続きせず、すぐに薄くなります。従って頻繁に頸椎の牽引を続けていないと、安定的な椎間板の肥厚を維持できませんただその懸念は、頻繁に頸椎を牽引し、椎間板に栄養分やO2を含んだ体液で充たす状態を常態化する事で、ある程度解決できるのでは、と思っています。つまり椎間板内にいる線維芽細胞(軟骨細胞)がそれらを利用して、椎間板内のコラーゲンを増殖させてくれる可能性に期待しているのです。

        

・この件については、Tさんに頸椎の牽引法を指導する事で、かなり解消できると思いました。また運よく、Tさんのお母さんが、以前に頸椎の牽引機を購入していたので、これの借用も可能でしたから、その意味でも一つ目の問題はクリアできそうでした。
Ps その後Tさんは、自宅用の頸椎牽引器具をネットで購入されました

 

 

◆ 頸椎安定化の問題「その二」とその対策とは…
もう一つの問題は、いわゆる脊髄症(ミエロパシー☚下記注2参照)の危険が無いか、です。この点については、整形外科などでの精査が必要です。ですからTさんにその旨を告げ、出来るだけ早めに整形外科の受診を約束することが出来ました。ただ3診目来院時においても、整形外科に受診されていないとの事でした。寝ちがえの症状はほぼ解消していたので、とりあえずは安心できましたが、とは言え、念の為に改めて整形外科で検査する事をお勧めして、今回の集中治療を終了する事にしました。




注1)    ルシュカ関節 (鈎状関節/鉤状突起)
頸椎の椎体側面の上部は、他の脊椎と異なって上方に突出している部分があり、それを鉤状突起と呼んでいます。この鉤状突起と一つ上の椎体の下面との接触面をルシュカ関節(鈎状関節)と呼んでいます。この際、上下の椎体の間隔が椎間板の厚みによって広げられている状態では、その接触は少ないので臨床症状は発現しませんが、加齢-退行変性などで椎間板が薄くってルシュカ関節が接近-接触強度となると、頸椎痛などの臨床症状が発現する事があります(☚変形性頚椎症の主因の一つ)。
また加齢や退行変性などで、鉤状突起などに骨棘(☚骨の突出部分)が生じる事がありますが、これもまた頸椎痛の原因となり、変形性頚椎症の主因となります。

     




注2)    脊髄症(ミエロパシー)
中枢神経の一部である脊髄が、何らかの理由で圧迫され、様々な神経系の症状が発症する病態です。具体的には
・頸椎(項部)や胸椎(背中)、腰椎(腰)の疼痛
・手足の痺れ感あるいは疼痛
・手足の筋力低下
・手指の巧緻運動障害(箸で食べ物をはさめない、字を書きにくい、、、など)
・歩行時の足のつまずきや階段下行の不能
・膀胱直腸傷害(尿漏れや排便のコントロール不能など)

但し、(事故などを除いて)これらの症状が同時に現れる、というものは少なく、一般的には一つの症状が単独で、あるいは幾つかの症状が組み合わされて、極めて緩慢に発症してくるので、なかなか早期に発見できない事があります。
脊髄症の原因は幾つかありますが、その代表例は以下の通りです。
 ・正中ヘルニア
 ・変形性脊椎症
 ・後縦靭帯骨化症
 ・脊柱管狭窄症
 ・外傷
 ・腫瘍

 

           

 

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------

上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。


寝違い、むち打ち症、腕・手の痛み/しびれ 整体治療法と治療例【総合案内】はこちら

● JHSC整体院の総合治験例はこちら

 

 

● 治療のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

付属治療室

JHSC整体治療室

●診療時間 【予約制】
 ・午前診…10時~13時
 ・午後診…15時~18時

●診療日
 ・月曜日~金曜日
 (水曜日=午前診のみ)
 ・第2土曜日、第4土曜日=午前診のみ

●休診日
 ・第1土曜日、第3土曜日、日曜日、祝日

●治療費
 ・初 診 7,500円
 ・2回目以降  5,000円
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F

      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880 

メールでのご相談・治療予約はこちら



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

● 本学院-入学のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

2年制整体学校

ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院


次の二つのコースからどちらかを選んで入学して頂けます。

1 本科2年課程 (一般の方が入学するコース)
2 プロコース (鍼灸師、理学療法士などのプロの方が入学かるコース)

 

●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話  06-6180-6880
●メールでのご相談資料請求体験入学…受付中


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

患者さんが通院される主な地域
大阪市、淀川区、東淀川区、西淀川区、大淀区、福島区、中央区、北区、旭区、都島区、此花区、大正区、東成区、城東区、住吉区、住之江区、平野区、守口市、門真市、寝屋川市、交野市、枚方市、東大阪市、大東市、八尾市、四条畷市、藤井寺市、柏原市、吹田市、豊中市、摂津市、茨木市、高槻市、箕面市、池田市、川西市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、堺市、岸和田市、和泉市、泉佐野市、奈良市、生駒市、京都市、
亀岡市,向日市、長岡京市、松山市、岐阜市、広島市、横浜市、東京都、和歌山市、和歌県、紀の川市、名古屋市、北海道-札幌市、鹿児島市、島根県、三田市、八王子市、福島市、津市、さいたま市