7年前から続く精巣痛(陰嚢痛)と射精痛の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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7年前から続く精巣痛(陰嚢痛)と射精痛の整体治療

10診目でほぼ完治した症例の解説です。

 

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①    Gさんの病歴・・・
患者Gさんは、7年ほど前にきつめのジーンズをはいている時に勃起したそうですが、その時に右の精巣が引っ張られているような感じがあったそうです。そしてその直後から右の精巣が一日中ずっと痛む日々が続き、非常に不快な状態で集中力が出ず、仕事にも支障が出ているそうです。幾つもの泌尿器科や大学病院などを受診されましたが、その全てで「どこにも精巣痛の原因と思われる異常はありません」と言われ、さらに「特に治療法はありません、、、どうしてもという時は手術しかないですね」とも言われたそうです。仕方なく、他にカイロプラクティックやオステオパシーなど、たくさんの治療を試されましたが、全く効果が無いそうです。

 


 

②    Gさんの問診と診察所見
・痛む部位は右の精巣で、精巣の全面が痛むそうです。痛みの性状は、野球のボールが軽く股間に当たった時の様な痛みだそうです。痛みは持続性で一日中あり、体調により増悪したり、軽減したりする事もあるそうです。また、椅子での座位や自転車に乗っている時、あるいはきつめのズボンをはいた時などに、精巣痛が徐々に増悪するそうです。ただ座位時に精巣痛が増強しても、背中を後方に少しのけ反らせると、精巣痛は緩和するそうです(但し、ゼロにはならない)。
・泌尿器科での画僧検査で、左の精巣より右の精巣が小さい(1/4以下)、と指摘されているそうです。担当医には「右精巣が小さいのは生まれつきだと思います」と言われているそうです。ただ、20代の時に泌尿器科を受診した時は、右精巣が小さい事を指摘されていなかったそうです。左精巣の静脈がうっ血して静脈瘤があり、安静時でも静脈血の逆流があるそうです(腹圧増強でさらに逆流が増える)。これにつては手術が検討されているそうです。
・血圧は正常範囲で、血液検査や尿検査で異常を指摘されたことは、一度も無いそうです。ただ、陰嚢反射の検査では、右陰嚢の方が左に比べて反応が鈍かったそうです。
・数か月前の不妊症検査では、精子数が正常の1/5程度と少なく、自然妊娠の可能性は極めて低い事を、指摘されているそうです。
・排尿障害、排尿痛や射精痛は無いそうですが、射精後の数時間後or翌朝に右精巣痛が増強する事があるそうです。
・排便は普通で、下痢(軟便)や便秘も無いそうです。今まで腸炎など、特段の消化器系の疾患に罹患した事は一度も無いそうです。アレルギーも無いそうです。
・いわゆる、お腹をこわしたような腹痛は無いそうですが、数年前から、右下腹部から右上前腸骨棘(ASIS)~腸骨稜付近にかけて、痛みというよりは「変な感じと」いった違和感が常時あり、精巣痛が増強する時にこの違和感も増強するそうです(☚この件について医療機関での検査は受けていない)。
・トーマステストは陰性でした。左右股関節の可動域制限や疼痛の誘発はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音はなく、グル音はやや弱めで聴取出来ました。
・腹部触診上、腹部全般は軟ですが、右下腹部-鼠径部に著明な緊張と圧痛があり、特に右恥骨結節~恥骨結合の深部にかけて顕著でした。また、右鼠径部(恥骨側)-直上の押圧で、同部から右上前腸骨棘(ASIS)~腸骨稜にかけて神経痛様の放散痛がありました。左下腹部にも著明な緊張と圧痛がありましたが、特に鼠径部に沿って顕著でした。また、腹部の左右の胸骨ライン上の深部にも(特に右臍部~右恥骨結節)、極めて著明な緊張と圧痛がありました。但し、鼠径靱帯(鼠径管)そのものに緊張や圧痛はありませんでした。
・特に決まったスポーツをしていたわけでは無いそうですが、10代から30代にかけて腹筋運動をされていたそうです(平均500回/日)。また同時期に(現在もたまに)、ロードバイクをされていて、200kmほどのツーリングをよくしていたそうです。

 




➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    精巣神経(動脈)の絞扼を解放する
  ⑵    精索(精管)の絞扼を解放する

・精巣神経(動脈)解放テクニック
・精索(精管)解放テクニック
・陰部大腿神経/腸骨鼠径神経解放テクニック
・消化管(空腸)平滑筋テクニック
・膀胱解放テクニック
・腹膜-筋膜-鼠径管解放テクニック
・腸骨はがしテクニック

 

 

 


④    経過と結果・・・
・初診治療後、右の精巣痛はかなり解消していました。


・2診目来院時、前回の治療後に消失していた精巣痛は再燃していたそうです。しかし2診目の治療後には、前回同様、精巣痛はかなり解消していました。


・3診目来院時も、前回の治療後に消失していた精巣痛はやはり再燃していました。これらの事から、2診目、3診目の治療後の精巣痛改善は、治療の効果もあるかもしれませんがそれは微々たるもので、それよりも仰臥位により体幹-股関節が(屈曲せずに)直線的に伸びていたからでは、と推測されます。


・ところが4診目来院時、「(今回は)調子よかったです。席に座る事(体幹-股関節の屈曲)が多かったですが、今までの5/10くらいの痛みでした」と、喜んでおられました。今回の精巣痛軽減は整体治療の効果である、と考えられます。前回から今回の4診目まで、Gさんは立ったり座ったり、あるいは歩き回ったりと、(体幹-股関節間の屈曲を含む)様々な運動をしていたにもかかわらず、精巣痛が半減していたからです。


・6診目来院時、「(右の精巣痛は)3/10程度まで軽くなっています。そして、少しだけですが右の精巣が少し大きくなってきた感じがします」と、不思議そうに仰っていました。


・8診目来院時には、右の精巣痛は2/10に軽減していただけでなく、「昨日、性行為をしましたが、翌朝に増強する精巣痛は、いつもの半分以下でした。」とも仰っていました。そして次の9診目来院時には、射精後の痛みは1/10にまで解消していました。


・10診目来院時、Gさんは満面の笑顔で「(精巣の痛みは)0.5/10以下で、ホントに快適でした」と、大変喜んでおられました。精子数や右精巣の静脈瘤の件は、この段階で検査を受けていないので確認されていませんが、とりあえずGさんの主訴である「7年前から続く精巣痛」は解消されたので、左精巣静脈の逆流や精子数などの検査は後日受けて頂く事とし、今回の集中治療を終了することにしました。

 

 




⑤     今回の症例の概説、、、
◆ 精巣動脈/神経の走行ルート・・・
精巣動脈は第2~3腰椎付近の腹部大動脈から左右に起始し、それが腰椎椎体の側面に出て、その後面は大腰筋筋膜に、前面は腹膜に挟まれつつ鼠径部に向かって下行し、深鼠径輪から鼠径管内に入り、浅鼠径輪から出て陰嚢内の精巣に侵入する走行ルートをとる。精巣神経も脊髄-腎神経節から出た後は、精巣動脈に接しつつ、同様のルートをとって精巣に入る。

 

 

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◆ ロードバイクや腹筋運動が精巣痛の遠因か ?!
・今回のGさんの7年に及ぶ右精巣痛の遠因は、おそらくGさんの趣味であるロードバイクに主因があると思われます。それにGさんが若い頃にしていた腹筋(500回/日)も関係する、と思われます。そして精巣痛の直接的な原因は、右の精巣神経が、その後面は右大腰筋によって、その前面は腹膜を介して小腸によって絞扼され(おそらく一部癒着している?)、それによって右精巣に痛みを感じる、絞扼性神経障害の可能性が高いのでは、と考えます。さらに、腹直筋-内/外腹斜筋の最下端部である恥骨上縁部で、これらの腹筋群と回腸の間で精巣神経が絞扼(or癒着)され、同様の機序で絞扼性神経障害が生じる事も、追加されていたと思われます。

 

  

 

 

◆ 過剰なロードバイクで大腰筋が緊張or肥厚➡精巣神経を圧迫刺激 ?!
・Gさんは200kmのロードレースを日常的にされていたので、その膨大で過剰な大腰筋の収縮回数によって、大腰筋筋膜と腹膜との間で摩擦過多による軽度の炎症が生じていたのでは、と考えられます。そしてその摩擦は10年、20年と続いたわけですから、その長期の間に炎症が腹膜を超えて空腸にまで達していたのでは、と推測します。


・その結果、大腰筋筋膜と腹膜の間で精巣神経が圧迫過多となり、あるいは癒着される事により、同部で精巣神経に絞扼性神経障害が生じ、結果的に右精巣に痛みが常時生じるようになったのでは、と考えます。この仮説だと、体幹-股関節を屈曲させる姿勢(☚椅子に座る姿勢)で精巣神経の圧迫/絞扼が強まる為、Gさんが言うように座位で精巣痛が増強する事の説明が成り立ちます。逆に屈曲していた体幹-股関節を伸ばす事で、圧迫されていた精巣神経が解放され、精巣痛が軽減する事も説明できます。


・大腰筋筋膜と腹膜との間を走行しているのは精巣神経だけでなく、精巣動脈も通っていますから、ひょっとしたら精巣動脈も絞扼される事で精巣への血流不足が生じ、栄養/O2不足による精子減少&精巣萎縮に至っているのかもしれません。

 

 

 

◆ 精子数減少の原因、、、鼠径部での精管の絞扼が関係 ?!
・ただ推測ですが、正常の1/4以下にまで精子数が減少しているのは、右精巣動脈の絞扼だけでは無いのでは、と考えます。なぜなら、右の精巣は萎縮していますが、左の精巣は普通の大きさですから、であれば精子数が1/2であれば話は分かりますが、1/4以下であれば、何か追加の精子数減少の原因が無いと、納得しにくいからです。


・その追加の原因とは、下記にも述べますが「腹直筋-内/外腹斜筋の最下端部である恥骨上縁部に想定される癒着」が関係しているのでは、と考えます。なぜなら同部は、精巣(陰嚢)から鼠径管を通り深鼠径輪から下腹部(膀胱の後面)に侵入してきた精管が通過する部位だからです。ひょっとしたらここで左右の精管とも絞扼され、自然のパイプカットのごとく、精子数が1/2より少ない、1/4以下に減少しているのでは、と推測されるからです。

 

 


・従って同部の緊張/絞扼を解放する「精索(精管)解放テクニック」は、(楽観的ですが)精子数の増加に寄与する予想もありうるのでは、と思います。そして「精巣神経(動脈)解放テクニック」による右の精巣動脈の解放が右精巣の栄養/O2補給に寄与し、両者合わせて少しでも精子の増産ができれば、と思いを込めて施術しました。

 

 

 

◆ 陰部大腿神経、腸骨鼠径神経の刺激も関係している可能性 ?!
・腹直筋-内/外腹斜筋の最下端部である恥骨上縁部に想定される癒着は、陰部大腿神経あるいは腸骨鼠径神経などにも絞扼性神経障害をもたらす可能性があり、それが精巣痛の原因の一つに加わっている可能性もあります。またGさんの愁訴の一つである『数年前から、右下腹部から右上前腸骨棘(ASIS)~腸骨稜付近にかけて、痛みというよりは「変な感じと」いった違和感が常時あり、精巣痛が増強する時にこの違和感も増強する』も、前出の腸骨鼠径神経が恥骨上部の癒着部で刺激されている結果かもしれません。

 

 


・7年前の発症は、きついズボンを履いている時に勃起した事が直接的な誘因ですが、それは単なるきっかけに過ぎず、それまでの何年間もの間に、上記の一連の病状は徐々に進行していたのだと思われます。そしてこの様な仮説が妥当であれば、いくら精巣や泌尿生殖器の検査をしても、あるいは何件も検査を受けても結果は出ず、結局「原因不明の精巣痛」のレッテルを張られるだけになるのは、当然だったと思われます。

 

 

◆ 上記考察による治療目標は、、、
・以上のような考えから、前出の治療目標
 ⑴    精巣神経(動脈)の絞扼を解放する
 ⑵    精索の絞扼を解放する

を掲げ、
 ・精巣神経(動脈)解放テクニック
 ・精索解放テクニック
 ・陰部大腿神経/腸骨鼠径神経解放テクニック
 ・消化管(空腸)平滑筋テクニック
 ・膀胱解放テクニック
 ・腹膜-筋膜-鼠径管解放テクニック
 ・腸骨はがしテクニック

を施術したわけです。


・結果的に、4診目になって、この7年間で初めて効果らしい効果が出はじめ、さらに10診目には0.5/10以下と、ほぼゼロの状態まで解消していましたので、上記仮説でおおむね妥当では、と考えます。



 

 

◆ 射精数時間後の精巣痛の原因は、、、精巣への血流不足が原因 ?!

・射精痛は無いが、射精の数時間後or翌日に精巣痛が増強する件に関しては、これは全くの憶測ですが、射精後に精巣上体に蓄えられている精子が激減し、その為に精子の増産が図られる結果、精巣への血液供給が増す可能性がありますが、その際Gさんの精巣動脈は、先述のごとく腹部で絞扼されているものと思われるので、精子への血液供給が不足し、それによる栄養/O2不足などが射精痛の増悪に関係しているのでは、と推測します。


・上記仮説は少し乱暴ですが、精巣動静脈の血流を回復させる「精巣神経(動脈)解放テクニック」によって、精巣痛と同時に射精後の痛みも激減しているので、概ね妥当ではないか、と希望的に考えたいと思います。

・左精巣静脈の逆流については、左の精巣の静脈還流も大幅に改善見込みが伺えるので、いずれGさんが検査を受けられた時、少しでも静脈瘤が解消している事を祈るのみです。

 

 

 

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