腹部のしこり(腫瘤)と胃痛の整体治療・・・上腸間膜動脈症候群(SMAS)の疑い | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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腹部のしこり(腫瘤)と胃痛の整体治療

上腸間膜動脈症候群(SMAS)の疑い?!
患者Aさん=24才-女性-主婦の症例


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①    Aさんの病歴・・・
患者Aさんは、半年ほど前に血便が出て(☚血便はこの一度だけ)、その時は治癒したそうです。しかしその後胃痛が強くなっていったそうです。総合病院で超音波・その他の検査を受け、異常無しとの診断だったのですが、その後もずっと胃痛や腹部不快感が続いていたそうです。別の大学病院でCTや血液検査、あるいは胃カメラ・大腸カメラを受けましたがやはり異常は無く、結局軽度の胃腸炎との診断を受け、その投薬治療をされていましたが一向に効果が無かったそうです。さらに左右の季肋部(左右結腸曲付近)に鶏卵大のしこりが一つずつあり、また心窩部にも小さなコリコリとしたしこりが2~3個ありますが、これも原因不明だそうです。

 



②    Aさんの診察
・胃痛の部位は心窩部で、体幹を右側に回旋すると胃痛が増強するそうです。
・左右の季肋部(左右結腸曲付近)に鶏卵大のしこりは立位や座位の時にだけ触診でき、仰臥位では消失するそうです。
・Aさんの身長は163cmで、現在の体重は59Kgで、妊娠時以外に体重の変動は無いそうです。
・血圧は正常だそうです。
・4才と2才のお子さんがおり、両者とも安産だったそうです。産後の肥立ちも良好だったそうです。
・排便は一日に一度の快便だそうです。
・胸やけやゲップ、呑酸は無いそうですが、ガスが多い方だそうです(☚特に起床時に連続して数回出るそうです)。
・軽度のイボ痔があるそうです。
・月経周期は28日で、月経期間は7日だそうです。以前は生理痛は無かったそうですが、第二子の誕生後、二か月に一度のペースで生理痛(下腹部痛)が生じるようになったそうです。排卵痛も無いそうです。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでしたが、左季肋部(十二指腸空腸曲付近)から臍部にかけて著明な血管拍動がありました。Aさん本人も、この部位の血管拍動について自覚しているそうです。グル音は弱く聴取されました。
・腹部触診上、心窩部に二つほどのやや硬い腫瘤感がありました。また左右の季肋部(左右結腸曲付近)に鶏卵大の軟らかいゴムボール様の腫瘤感がありました。右下腹部(回盲部~臍部)に著明な緊張と圧痛があり、同部の押圧により心窩部痛が誘発されました。肝叩打痛があり、臍部に放散しました。下腹部全般が軽度に膨隆し、充実感-緊張感がありました。

 



➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    上腸間膜動脈と静脈の絞扼を解放する
  ⑵    消化管の緊張を解放する
  ⑶    大腸の機能的狭窄部位(ハーシュ、ペイヤー・ストラウス)の緊張を解放する

・腸間膜根解放テクニック
・胃腸の平滑筋テクニック
・右・中・左結腸動脈神経叢解放テクニック

 




④    経過と結果・・・
・初診治療後、左季肋部の血管拍動はほぼ解消していました。さらに左右季肋部の腫瘤感も半減し、Aさんは「あっ、(左右季肋部の腫瘤が)触れなくなっている、スゴッ!!」と仰っていました。さらに心窩部の胃痛としこりも半減していたそうです。


・2診目来院時、初診治療後に解消していた左季肋部の血管拍動は若干(50%くらい)強くなっていたそうです。左右季肋部の腫瘤も少し元に戻っていたそうです。心窩部のしこりと胃痛も半分くらい元に戻っていたそうです。しかし施術後には上記の全てが、ほぼ衣装していたそうです。


・4診目来院時、心窩部の胃痛としこり、左季肋部の血管拍動は全く無かったそうです。左右季肋部の腫瘤は少しだけ残存していましたが、それ以外の他の主訴は全て施術後には解消していたので、とりあえず今回の集中治療は終了し、様子をみて頂くことにしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
・Aさんの心窩部痛(胃痛)の最大の特徴は体幹の右回旋で痛みが増強する事だと思われます。この体幹の右回旋で一番刺激される部位を考えると、その心窩部痛の原因臓器が見えてくるのでは、と考えられます。そしてその可能性の一番高い臓器は「腸間膜根」と思われます。

 

 

 

・腸間膜根は右下腹部の回盲部から「ノ」の字型に左季肋部に斜め上行し、十二指腸空腸曲付近に停止する腹膜のヒダです。このヒダ=腸間膜根に緊張が生じていると仮定すると、体幹の右回線でこの腸間膜根がさらに引っ張られて過緊張状態となり、十二指腸空腸曲~トレイツ筋~心窩部が牽引され、それが胃痛の原因となっているのでは、と考えられます。
 

・また同時に、この仮説で左季肋部の血管拍動(上腸間膜動脈症候群(SMAS))も説明できると思います。つまり上腸間膜動脈は十二指腸空腸曲の右方から腹部大動脈を分岐し、腸間膜根の内部に進入して回盲部まで下行するからです。腸間膜根の緊張があれば、その内部を通過する上腸間膜動脈の血流が阻害され、その根元に当たる左季肋部に拍動が生じると考えられるからで、これが上腸間膜動脈症候群(SMAS)の原因になっているのでは、と推測されます。

 

 

 

・ではなぜ、腸間膜根の緊張が生じたのか、それははっきりとは言えませんが、仮説として半年前の血便が、何らかの腸間膜根の緊張の原因になっているのでは、と推測されます。実際、この血便の後からAさんの今回の一連の症状(心窩部痛、左季肋部の拍動、左右季肋部の腫瘤)が生じている事からも、強く疑われます。憶測ですが、何らかのアレルゲン食物(?)を食べ、その際に生じた炎症産物が静脈性(上腸間膜静脈)に腸間膜根内に吸収され、その炎症産物によって腸間膜根にスパズムが生じたのかもしれません。
 

・この様な仮説から、上記➂「治療目標と整体治療」に掲げる『⑴上腸間膜動脈と静脈の絞扼を解放する手技=腸間膜根解放テクニック』を施術した訳です。結果的にこの手技が著効を示したので、概ね妥当な仮説であったのでは、と考えます。
左右の季肋部(左右結腸曲付近)に鶏卵大のしこり(腫瘤)については、大腸の機能的狭窄部位の過緊張が関係しているのでは、と考えます。

 


 

・消化管の全長は口から肛門まで約10mありますが、所々に括約部があり(噴門、幽門、回盲部など)、消化産物の移動を調節しています。その括約部は一般的に肥厚した括約筋がありますが、大腸においては構造的に肥厚した括約筋が存在せずに、機能的に活躍している部位があると言われ、それは以下の7か所あると言われています。
 1ビュシ(盲腸部)
 2ハーシュ(上行結腸部)
 3キャノン(右結腸曲付近)
 4ペイヤー・ストラウス(左結腸曲付近)
 5バリ(S字結腸・吻側)
 6ムルター(S字結腸・肛門側)
 7ロッシ(直腸)

 

 


・半年前の原因不明の血便の際、消化管内の毒素(?)を排出する為に、消化管平滑筋(特に大腸)の総蠕動的な収縮があったと想像されますが、その収縮が予想以上に強く、かつ持続した結果、上記2=ハーシュと4=ペイヤー・ストラウスと呼ばれる括約部だけ弛緩せずに活躍したままなのでは、それが「左右の季肋部(左右結腸曲付近)に鶏卵大のしこり」としてAさんの主訴の一つとなっているのでは、と考えられます。
 

・そこで「大腸の機能的狭窄部位(ハーシュ、ペイヤー・ストラウス)の緊張を解放す」目的から「右・中・左結腸動脈神経叢解放テクニック」を施術した訳です。
残念ながら左右季肋部のしこりについては、4診目の施術後も少し残存していましたので、他のしこりの原因がある可能性もあると思われます。

 

 

 

 

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