整体コラム❼  内臓自動力の機序…その六「腎臓の自動力」の発生源と効率的な手技について | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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整体コラム❼ 
内臓自動力の機序…その六「腎臓の自動力」の発生源と効率的な手技について


前著“整体コラム❻ 内臓自動力の機序…その五「小腸・大腸の自動力」の発生源と効率的な手技について” に続く第六弾として、次は腎臓について考えていきたい。
・まず、オステオパシーでは腎臓の自動力を次のように教えている。
エクスパー=左腎はL字型、右腎は逆L字型に上昇する
インスパー=逆方向に下降する
これらエクスパー⇔インスパー交互運動も、胃や肝臓その他の臓器と同期して生じている、と述べられている。


・胚子形成期の腎臓について特徴的な事はいくつかあるが、自動力に関するものであれば次の事が指摘できる。それは、腎臓の発生については二つの原器、つまり約100万個に及ぶネフロンを形成する後腎中胚葉と、集合管系を形成する中腎由来の尿管芽が、間葉由来の転写因子WT1や尿管芽由来のWNT9BやWNT6などにより誘導され、その二者が胚子形成期5週頃に胚子の最下端部(骨盤域)で別々に発生し、最終的にこの二者が融合して一つの腎臓が完成することである。


・また生後の腎臓の解剖学的特徴は、これも自動力に関するものであれば、腎臓は他臓器との間接的な接触面は多いが、しかし腎臓を腹腔上方で直接的に支持・固定する靱帯様の組織が、他臓器に比べて極めて少ないことである。ここでその直接的な支持組織について掲げるのであれば、以下の組織であろうか。
1, 腎動脈
2, 腎静脈
3, 腎筋膜内とその内部に充填されている脂肪組織
4, 尿管
言い換えれば生後の腎臓は、袋様の腎筋膜で囲まれた脂肪組織の中でプカプカ浮いている”ブイ(浮標or浮体)”の様なものである。


・胚子形成期に話を戻すと、胚子の最下端部に発生した腎臓はいわゆる”腎臓の上昇”を経験する事になる。それは当初胚子の最下端部=骨盤域=に位置していた腎臓が腹腔上部にまで上昇するのである。その上昇機序は腰部、仙骨部の上昇、あるいは胚子の彎曲度減少など、いくつか言われているが、最も積極的な上昇機序は腎動(静)脈によるものであろう。つまり腎臓が骨盤域に位置している時は大動脈の骨盤枝からの枝動脈を受けているが、次第にその動脈は消失し、代わってより高位の大動脈から発生した枝動脈が新たな腎動脈として腎臓に侵入し、それによって腎臓も引き上げられる。それが腹腔上部の定位置に到達するまで繰り返されるのである。これによって腎臓は腹腔上部に上昇する事になる。これが”腎臓の上昇”である。


・先述のように、腎臓を支持・固定する靱帯様組織が少ない、と言うことは、逆説的に考えれば、少しのエネルギーで腎臓を動かす事ができるのでは、と推測される。従って腎臓自動力に関しては”果たしてそれは何か?”、、、と言うことが次の課題であるが、右腎に関しては次の組織が最有力ではなかろうか。
ⅰ,十二指腸球部~下行部の十二指腸筋膜と右腎筋膜の接着面
ⅱ,肝無漿膜野~腎筋膜前層・後層の接触面


・十二指腸のエクスパー時、十二指腸は時計回り回転をしつつ左方に移動するが、その際、上記ⅰの接着面を通じて右腎に上方やや左側への牽引力が伝わり、そのエネルギーによって右腎が上昇=エクスパー運動=する…(A)。
厳密に言えば、左右大腰筋は逆V字型にL1から筋裂孔に向かってやや外方向に傾きながら下降しているので、その大腰筋の斜め外方下降線に沿って腎臓は逆L字型にエクスパー運動する事になる。


・また、肝臓のエクスパー運動(左斜め下方)によって肝臓後面の無漿膜野が左斜め下方回転し、それが右腎筋膜の上方への牽引作用を生む。これも右腎の上昇=エクスパー運動=に寄与する…(B)


・インスパー運動に関しては十二指腸のインスパー運動に連動する事も関係するが、腎動静脈や尿管も関与するものと思われる。つまり腎臓が上昇する事により上記1,2,4の腎動静脈や尿管も牽引-緊張するので、それによる同動静脈や尿管の弾性線維も牽引される事で下方への弾性力=位置エネルギーが生じる…(C)。
従って
(A+B)>C=上方内側へのエクスパー運動
(A+B)<C=下方外側へのインスパー運動
の、エクスパー⇔インスパーの自動力交互運動が生じる事になり、これは十二指腸あるいは胃や肝臓などと同期して動く事になる。


・次に左腎に関してであるが、これには脾臓の自動力が関係しているものと考える。”整体コラム❸ 内臓自動力の機序…その二「肝臓(脾臓)の自動力」の発生源と効率的な手技について”で記したように、脾臓はエクスパー時に胃の右斜め下方回転による脾胃間膜の牽引エネルギーによって、脾臓も胃と連動して右斜め下方にエクスパー運動をすると指摘した。ところで横隔脾ヒダ(脾腎間膜)は脾臓の後面と左腎前面の上半分とを連結しているが、この脾臓の右斜め下方への回転運動に連動して脾臓の後方にある横隔脾ヒダ(脾腎間膜)が持ち上がって上方に牽引され、それが腎臓の上方へのベクトルとなり、右腎と同じ考え方で左腎のエクスパー運動が生じると思われる。


・左腎のインスパー運動に関しても右腎と同様と考える。


・この脾臓の腎臓牽引力は微弱と思われるが、筆者の経験上、右腎は比較的容易にその自動力傾聴に成功するのであるが、左腎については容易には傾聴しにくい。それは脾臓の牽引エネルギーが微弱である事が関係しているのでは、と思われる。


・腎臓のエクスパー⇔インスパー交互運動と、胃や小腸・大腸などの他臓器のそれが同期する機序についてであるが、上述のごとく腎のエクスパー運動は十二指腸や脾臓のエクスパー運動により連動して誘発されるので、交互運動が胃や肝臓などと同期する事は必然である。


・また、腎臓の自動力についてはオステオパシーが指摘する胎児期の内臓の動きが関与しているものではない、と考える。それは胎児期の腎臓の特徴は”腎臓の上昇”であるが、上記で説明してきた通り腎臓に関しては腎動静脈がそれ程関与していないからである。


・臨床的観点からすると、オステオパシーの教える一般的な自動力の誘導法、あるいは可動力の治療で、いくつかの際立った効果が期待できるのでは、が筆者の経験による感想である。例えば慢性腰痛、過労、性機能障害(インポテンツ)などである。腎臓は多くの臓器と接触面を持っているが、先述のように腎臓を直接支持・固定する組織は少ないので、腎臓の自動力に影響を及ぼす障害が波及しにくいからかもしれない。ただこれだけで、腎臓自体の自然治癒力増進につながるかどうか、については疑問が残る。従って、少しでも腎臓自体の自然治癒力向上のために、次の様な手技を追加することを推奨する。
a,腎動静脈解放テクニック
b,十二指腸平滑筋テクニック
c,尿管解放テクニック
d,消化管平滑筋テクニック
上記手技を必要に応じて追加する事で腎臓の血液循環を確保してその庇護機能を促進させ、尿管の流れを促進させて水腎症的な腎臓内圧が上昇する様なダメージを避け、十二指腸の自動力のエネルギーを腎臓に伝わりやすくし、東洋医学的には気血の腎への補充を通じて、補腎に寄与する。

 

 

 

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