整体コラム❺  内臓自動力の機序…その四「膵臓の自動力」の発生源と効率的な手技について | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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整体コラム❺ 
内臓自動力の機序…その四「膵臓の自動力」の発生源と効率的な手技について


前著“整体コラム❹ 内臓自動力の機序…その三「十二指腸の自動力」の発生源と効率的な手技について” に続く第四弾として、次は膵臓について考えていきたい。
・まず、オステオパシーでは膵臓の自動力を次のように教えている。
エクスパー=左斜め上方にすべるような動き
インスパー=元に戻る逆方向への動き
これらエクスパー⇔インスパー交互運動も、胃および肝臓その他の臓器と同期して生じている、と述べられている。


・胚子形成期における膵臓の原器は二つあり、発生30日までにそれぞれ別々に発生する。一つは未だ縦に一直線状態である十二指腸前面の胆管付近に発生する腹側膵芽(☚後の鉤状突起と膵頭の下部)で、もう一つはその後面で背側腸間膜に包まれて生じる背側膵芽(☚上記以外の膵臓部分)である。両者とも十二指腸の内胚葉性上皮細胞由来であるが、前者は臓側中胚葉由来の転写因子PDX1によって誘導され、後者は脊索や背側大動脈内皮由来のFGF2やアクチビンによって誘導される。この段階では、膵臓特有の細長い形状(=タラコ状)を呈していず、球状に近い小さな芽体である。
 

・前著でも記したが、発生初期の5週頃においては未だ胃の膨張や右回転はそれ程達成されていず縦に細長い紡錘状で、肝臓や脾臓もまだまだ小さい状態である。その位置関係はその腹側から背側に向かって「肝臓→胃→脾臓」の順で正中に一直線に背側胃間膜内に包まれた形で位置している。その後、十二指腸は細胞増殖による伸長と同時に、胃の右回転に伴って十二指腸もC字ループを形成しながら右回転するが、この運動に伴って腹側膵芽も十二指腸背側に移動して背側膵芽に近づくと同時に体幹の右側に回転する(この時、胆管開口部も背側かつ右側に移動している)。
 

・そして発生6週中ごろには、腹側膵芽は、急激に尾側に伸長している背側膵芽の前端直下に融合し、かつ背側膵芽内の膵管と腹側膵芽内の2本の膵管が合体して1本の主膵管になり、同菅の開口部(膵頭)が総胆管と共に十二指腸C字ループの陥凹部(☚大十二指腸乳頭)に突っ込んで掴まれるようにして連結する事で、膵臓-十二指腸の解剖学的連続性が完成される…(A)。
 

・この様にして我々にお馴染みのタラコ様の膵臓は、十二指腸下行部にあたる左方陥凹部に膵頭を突っ込み、膵尾をやや左上方に上げて水平方向に細長い形状を呈して位置する事になる。この段階で膵臓はは、十二指腸と共に背側腸間膜内にスッポリと包まれた腹膜臓器であるが、やがて同膜は消失し、十二指腸と共に膵臓後面は、後部体壁に押し付けられて固定され、その前面を腹膜に接するだけの後腹膜臓器となる。
 

・オステオパシー的な観点からすると、上記  A部は大きな意味を持つことになる。つまり前著“整体コラム❹ 内臓自動力の機序…その三「十二指腸の自動力」の発生源と効率的な手技について”で触れたように、胃のエクスパー運動である右回転に引っ張られるようにして十二指腸も時計廻りに右回転かつ左方へ移動するが(☚エクスパー運動)、当然この十二指腸の運動と移動は、直接連結している膵臓をも牽引し、それは左斜め上方への移動を誘発する事とになる。これは冒頭で記した膵臓のエクスパー運動に他ならない。逆方向の膵臓のインスパー運動は、胃のインスパー運動と同期して起こる十二指腸のインスパー運動と連動して生じる事は、言うまでもない。従ってこれらが膵臓自動力のエネルギー源になっているのでは、と考えられ、膵臓が胃や十二指腸と同期してエクスパー⇔インスパーの交互運動が生じる根拠になる、と思われる。
 

・但し、前著”十二指腸の自動力”でも触れたが、上記”膵臓後面の体壁固定”については、その固定によって膵臓自動力運動が本当に生じているのか、あるいはそれが生じていても極めて微力であると想像させるので、その自動力の誘導法にどれだけの臨床的意義があるのか、、、についての疑義を考えさせる(下段の臨床的観点を参照)。
 

・言い換えれば、胃自身の運動による膵臓への影響は極めて少ないと思われる。それは上記理由だけでなく、胃と膵臓の間には網嚢が障壁として存在するので、胃の運動が伝達しにくいと予想されるからである。但し、胃炎その他の病態で、胃→網嚢→膵臓間に癒着などが生じると、何らかの影響がお互いに生じるのでは、思われる。
 

・臨床的観点からすると、オステオパシーの教える一般的な自動力の誘導法で相当の効果が期待される、とのことだが、しかし私はその効果は期待しにくいのでは、と考える。それは前述のごとく、膵臓の後腹壁固定を考えると、そもそもどれだけ膵臓が運動するのか分からないし、従ってその運動を改善する事で膵臓の自然治癒力回復・増進につながるのか、その根拠が定かでないからである。。
 

・そこで膵臓に対する手技を考える場合、別の観点から考える方がより効率的かつ有効であると思われる。その一つとして考慮すべきことは、腹部臓器の中では小さな臓器である膵臓に、8種類もの動脈が通じている、という解剖学的事実である。言い換えれば、それだけ膵臓は血液依存が強いのでは、と想定される。従って、何らかの理由で膵臓への血流が低下すると、それは膵臓の脆弱性(☚庇護機能低下)につながりやすいと考えられる。
 

・従って、以下の様な施術を追加する方が、膵臓の自然治癒力の回復・増進に効率的かつ有効である、と考える。
a,下部食道括約筋解放テクニック
b,胃-幽門部平滑筋テクニック
c,十二指腸平滑筋テクニック 
d,十二指腸空腸曲解放テクニック
e,胆嚢-総胆管マニピュレーション
f,下膵十二指腸動脈解放テクニック
g,上膵十二指腸動脈解放テクニック
h,脾動脈解放テクニック(大膵、後膵、下膵、膵尾動静脈の解放)
上記手技を必要に応じて追加する事で胃の右回転力(エクスパーエネルギー源)を回復させ、ひいては膵臓自動力も回復させる。また胃~十二指腸の平滑筋疲労と緊張を緩和し、胆嚢の胆汁排出能力改善と胆嚢(および肝臓内部)のうっ滞を解消させて膵液の逆流を阻止し、最終的に膵臓各部位への血流を確保する事でその細胞再生=新陳代謝を促進し、膵臓の自然治癒力の確保とその機能増進を目的とする。

 

 

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