子供の権利・・・「パパとママと一緒に住む権利」
今は昔、とある離婚問題のカウンセリングが終了しました。夫はやり直したい気持ちだったのですが、妻側はどうしても離婚したい旨を譲りませんでした。
結果的に協議離婚で収まり、当時保育園児だった一人娘(A子ちゃん)の親権は妻が持つことになりました。
それから2年程経ったある時、このA子ちゃんと再開する機会がありました。ですからこの子も小学2年生になっていたのですね。その時のA子ちゃんが私にボソッと言った言葉が、あれから数年たった今も耳にこびりついて離れません。。。
「パパとママ、、、まだ仲直りせえへんねん・・・」
衝撃的でした。
ショックでした。
離婚が成立する数か月前からこの夫婦は別居状態でしたので、都合2年半以上パパとママ(A子ちゃんはママと同居)は離れて暮らしている訳です。当然、A子ちゃんにはママから離婚について簡単に説明されていました。
ですから、低学年とはいえA子ちゃんもパパと同居できない事、仲直りできないことは理解しているものと思っていました。
しかし2年半です。
2年半経った今も、このA子ちゃんは「パパとママは仲直りするもの」と思い込んでいたのです。パパとママに期待していたのです、仲直りする事を。
私はどの様に答えていいのか分からず、しどろもどろとしていました。
その後何度かA子ちゃんとママにお会いする事がありましたが、その度ごとにA子ちゃんは「パパとママが仲直りしない」旨の事を繰り返し言っていました。
ところがA子ちゃんが3年生になって少しした頃から、一切「パパとママの仲直り」について話さなくなりました。
きっとA子ちゃんの小さな心の中で「離婚」の意味を悟った瞬間があったのでしょう。自分の心の中で折り合いをつけたのでしょう。パパとママの仲直りを期待していたA子ちゃんにとって、離婚の、パパ、ママと三人で一緒に住めない事実の折り合いをつける事はどれ程残酷でつらかったでしょうか!! 悲しかったでしょうか!!
それを思うと胸が張り裂けるような思いになりました。
今どきバツイチやバツニは当たり前。熟年同士の出会い系や婚活パーティーも増加傾向にあるとの事。
また、最近の子供はドライやからあんまり気にしてないよ、子供も。。。
そんな時代に何を感傷的になってんねん、と思われるかもしれません。
大人は言います、
「私はこれだけ苦労してんねん。一度しかない人生、それを離婚してやり直したい、その権利が私にはあるんや!!」
「今まで死ぬほど努力してきてん、、それでも一緒に住むのは無理!」
それは間違いではありません。一人の人間として正しい事です。
でも別の場所でも間違っていない、正しい事があります。
それは子供からみた
「パパとママと一緒に暮らす権利」
です。
この権利の行使は、この訴えは裁判所で取り上げて頂けるのでしょうか!!
よく言われる事ですが「仮に離婚せず夫婦-子供が同居していても、夫婦仲が悪ければ子供にも悪影響が出るでしょう。であれば思い切って離婚する方が子供の為や。」
これも正しい事でしょう。
でも子供はそんな事を望んでいるんでしょうか、口では「離婚」について納得していたとしてもです、、、。
「○○ちゃんはパパとママ、どちらと一緒に住みたいの?」
この質問に答えを要求する大人、こんな残酷な質問が、答えが世の中にあるのでしょうか?
「私はこれだけ苦労してんねん。一度しかない人生、それを離婚してやり直したい、その権利が私にはあるやん!!」
「パパとママ、、、まだ仲直りせえへんねん・・・」
一体どちらの言葉の方が重たいのでしょうか?
子供の「パパとママと一緒に住む権利」はどうなっているのでしようか?
確かに離婚は、それは最後の手段であり権利なのかもしれません。離婚した方が良いケースもあるのかもしれません。でも子供はその最後の手段だけは、本心は使ってほしくないのではないでしょうか、どんな正当な理由が大人にあったとしても、です。
その最後の手段=大人の権利を行使する前に、A子ちゃんの「パパとママ、、、まだ仲直りせえへんねん・・・」という言葉を、子供の「パパとママと一緒に暮らす権利」を、私たち大人はもう一度深く考えてみなければならないのではないでしょうか、、、DV夫であっても、ぐうたら妻であっても、です。
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