オレオレ詐欺とスパイ大作戦(☚ミッション:インポッシブル) | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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オレオレ詐欺とスパイ大作戦(☚ミッション:インポッシブル)
喜劇と悲劇のプロデューサー


先日、ある警察物の小説を読みました。題名は雫井脩介さんの「犯人に告ぐ②」です。
「犯人に告ぐ①」も大変面白かったので②も読ませて頂いたのです。これも面白かったですね。
ところで②の大まかなあらすじは、あるオレオレ詐欺集団が今までの「詐欺」という犯罪に飽きたので「誘拐」という犯罪に挑む、というストーリーです。


今までの「誘拐」という犯罪の流れは、子供を誘拐して身代金を奪取or奪取できずに捕まったり、場合によっては誘拐された子供が殺されたりなど、猪突猛進的なストーリーが一般的な印象でした。しかし今回の「犯人に告ぐ②」では、身代金受け取りの手法の中に「オレオレ詐欺」の手法、つまり「人をコロッとだますテクニック」が全面に出ていて、読んでいて面白く「なるほど~、こんなふうに人はだまされるんや~」と、ハラハラドキドキ的にある種の痛快感(快感)を覚えました。

当然、実際の誘拐事件でその様な痛快感を感じてはいけませんが、この「犯人に告ぐ②」も警察小説としての商業本ですから、作者もその点を意図して執筆されたんだろうと思います。


ただ読んでいる時、「この痛快感は以前に同じような感覚を感じた事があるな~」と、ふと思ったのです。それが今から40年以上も前のテレビドラマ「スパイ大作戦」だったのです。
同ドラマは私が小学生の頃、ですから昭和40年代に大変流行っていたシリーズ物で、近年はこのドラマの続編としてトム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」として映画として上演されているので、お若い方もご存じの方も多いと思います。


私の様な年齢の者からすると、やはりテレビの「スパイ大作戦」の方が圧倒的に印象深く、主演のスパイのリーダー=ジム・フェルプスが当局から命令を受ける「おはよう、フェルプス君…」から始まり「例によって君もしくは君のメンバーが殺されても当局は一切関知しないから。。。」の件は、今で言うところの「流行語」となっていたと思います。


ところでこのスパイ大作戦のストーリーですが、それが「オレオレ詐欺」の手法と全くソックリ、うりふたつ、なのです。

それはリーダー=ジムのメンバー数名がそれぞれの「役」を決めて、ターゲットである相手方スパイを騙し目的を達成する・・・その「相手方スパイを騙す手法=ストーリー」を考案するのは当然主演のリーダー=ジム・フェルプスですが、またその騙すストーリーが見事なんですね。人間の心理の盲点をついた絶妙の騙しのテクニックが。そして数々の危機はあるものの、またそれがハラハラドキドキのスリル感となり、最後は仇敵のスパイがコロッと騙される結末=痛快感は、視聴者である私たちにとって「ハラハラドキドキ=痛快感」の最たるものと言えました。

また、この「スパイ大作戦」は数年に及ぶ超人気番組でしたから、毎回毎回その「騙す手法」をテレビ制作者が考える訳で、「よくもまあこんなにダマすアイデアを考えるもんや」、と感心もします。

ちなみに「ドッキリカメラ」なんてのも、これらの類いに入るのでしょうね。時々「これ、やりすぎと違うやろか」と思う時もありますが、全般的に見ていて非常に面白いですからね。ですから「人を騙す」の中には快感である部分も内包されているのかもしれませんね。


ところでジムたちの騙しのテクニック、、、これは目的がオレオレのように「金銭」なのかスパイ大作戦のように「政治的使命=国益」なのかの差だけで、相手を騙す手法はまったくオレオレ詐欺と同様なんです。と言うより、オレオレ詐欺の首謀者が「スパイ大作戦」からヒントを得て「オレオレ詐欺」を思いついたのかも、と想像してしまうくらいソックリなんです。

これは噂ですが、昭和40年代当時の米ソの冷戦真っ只中の時、あのCIAが「スパイ大作戦」で放送された騙す手法をそのまま真似して(パクッテ)、実際のCIA工作活動に使ったと言われているくらいですから。


警察機関やマスコミ等で、オレオレ詐欺に引っかからない様に様々な予防の為の宣伝がされていますが、一向に詐欺被害が収束していく気配がありません。それどころか今回の雫井脩介さんの小説「犯人に告ぐ②」やドッキリカメラの作者の様に、以前はスパイ大作戦の作者の様に、言い方は悪いですがますますその詐欺手法が進化しているようにさえ感じます。


人を騙す・・・これは私たちの住む世界では「悪-倫理」として教えられてきました。
しかしこの「騙す」という機能、それは他の動物(一部の例外を除く)には真似のできない、人独特の高等な機能=特権である事に間違いはありません。ですから必ず誰かがこの特権を行使します、そして進化します。家族の中で、政治のなかで、経済のなかで、そして上記の様にいろんな場面で。善にも悪にも使われるのです。そして喜劇が生まれ、悲劇も生じる。。。
もし神様が人を創造したとするなら、神様は絶妙なプロデューサーなのかもしれませんね。