ハント症候群(顔面麻痺)の整体治療例 その三(全7章)
「3回、私にチャンスを下さい。」･･･Aさんとの二人三脚の始まり。
患者さん(Aさん-女性-68才)の症例
その二はこちら
◆始めに
●本コラムは、
8年前から「ハント症候群(顔面麻痺)」に罹患されていた女性(Aさん-68才)が、
およそ「2か月半-11回の整体治療」で回復していく過程を、7回に渡って綴ったコラムです。
ご面倒ですが、下記の①から⑦まで順番に読んで頂ければ、その回復過程がよく分かると思います。
② 医師のひと言･･･「自然軽快を待つしかないな、、、長引くかも。」
③「3回、私にチャンスを下さい。」･･･Aさんとの二人三脚の始まり。
⑥ チューの動作が出来る?!…「これで旦那さんとチュー出来ますね。」
●ハント症候群は
「帯状疱疹ウイルス」の感染により、いわゆる「みずぼうそう」を顔面や耳などに呈した後、片側の顔面筋が麻痺に陥り、反対側に顔が引きつれてしまう疾患です。感染部位によっては耳鳴りや難聴・めまいなども合併する事もあります。
●初期治療は
病院にて「抗ウイルス剤・副腎皮質ステロイド剤」などで炎症を抑えるのが一義的です。しかし「顔面麻痺」は治癒しにくく上手くしゃべれなかったり飲水時に水が口からこぼれたりなど、日常生活にも支障が生じます。また数年、あるいはそれ以上の長期わたり顔面が片側に引きつれた状態が続きます。この長期にわたる「顔面麻痺-顔面引きつれ」に対する有効な治療法は西洋医学的には特になく、「自然経過に任せましょう…」的な言葉しか医師から発せられないのが現状です。
●今回のコラムは、
私がずっと以前にお世話になった方(☚8年前にハント症候群に罹患)の来訪から始まりました。
それまで年賀状でしか接点がありませんでしたが、ある日ひょんなことから当治療室に来院され、そこでこの「ハント症候群による顔面麻痺」の事を知り、治療する事になっていった顛末記です。
●全てのハント症候群による顔面麻痺に
効果があるかどうかは分かりません。しかし今回の経験から、相当効果的な治療が可能なのではないか、、、そう考える次第です。
ハント症候群による顔面麻痺に悩まれている方は少なくないと思います。その様な方の一助になれば、幸いです。
･･･ここより患者さん(Aさん-女性-68才)の症例です。･･･
◆その三「3回、私にチャンスを下さい。」･･･Aさんとの二人三脚の始まり。
●「顔面への鍼治療は危険だからやめときましょう」
それが鍼灸師の先生の言葉でした。
そう言われれば仕方がないですね。先生が鍼をうってくれないのであれば、自分でうつしかない、、、てな訳にはいきませんからね、鍼治療は。しかし顔面麻痺に効くツボがあったはずなのですが、、。
行きつけの接骨院でも特にハント症候群に対して”ドウコウスル”といった治療も無く、インターネットで調べても”イマイチ”的で、結局お医者さんの言う「自然治癒」を期待するしかなく、いつのまにか八年が過ぎたそうです。
●そんな時に
ひょんなことから当院に来られ、余計なひと言を私が言ったものだから、このハント症候群の話しに火がついてしまったわけです。
でそこで、また私が言ってしまったんですね、
「それ、ひょっとしたら治るかも知れませんよ」って。
その時、さすがに古い知人だとは言っても、すぐに素直に信じられる訳がありません。
ですから「半信半疑」、と言うよりは、失礼ですが「五分の四半疑」的なお顔だったと思います。
●そりゃそうでしょうね。
８年間も改善せず、久しぶりに会ったからといって、話しを十二分にすることなく「それ、ひょっとしたら治るかも知れませんよ」ですから、「信じろ」と言っても無理ですよね。
ただ、そこは古くからの知人ですから、全く信用されていない訳ではない訳で、とりあえず
「３回ほど私にチャンスを下さい。三回やって手ごたえがあったなら治療を続けていきませんか、全く手ごたえが無かったら残念ですがその段階で治療を打ち切る、という事では如何ですか?」
そうお話しすると、
「３回でダメだったらどうなるの?」
と、不安げに仰ったので、
「お医者さんの言う通り、自然治癒を待つ、と言う事でしょうか、、、」
と、自信無げにご説明しました。
●ただ、本当のことを言うと
かなり自信があったんです、その時。
末梢性の神経炎の後遺症ですから、「整体で何とかなるはずだ」との確信めいたものがその時あったんですね。
つまり、「基礎医学的に考えて治癒しない原因が残っていたら、そしてそれを整体で取り除くことが出来たなら、治癒して当たり前だ(ノクラッカー)」だと思ったんですね。そしてその原因が「ある場所」に有るはずだ、という確信めいたものがあったんですね。
ただ、Aさんが来られた時、その後に予約が入っていたものですから、詳しい診察をする事無くその日はそれでお帰り頂きました。
そしてその一週間後からAさんとの二人三脚が始まりました。
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付属治療室
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