心と身体のつながり(その一)…鼻水と流涙の自律神経的観点からカウンセリングへ
よく「心と身体はつながっている」と言われます。
では、
「心と身体は、解剖学的にはどこでどうつながっているのか??? そしてその意味は???」
そう問われると、はっきりと解説されている文献は少ない様に思います(☚ただの勉強不足かもしれませんが)。
しかし、その心と身体の解剖生理学的なつながりと意味が分かって来れば、心身症や神経的な愁訴などの整体治療・カウンセリング(心理療法)の手助けになる事は間違いない、と思います。
チョッと突飛な例を紹介します。皆さんイメージしてくださいね。
ここは某警察署の取調室です。
ここであなたは刑事から殺人事件の尋問を受けています。
あなたは本当は真犯人なのです。でも「しらを切って」いる状態です。誰だって刑務所に入りたくないですからね。
でも刑事の尋問は熾烈極まりないものです。
あなたは自分を守るために、その精神の極度の緊張から交感神経がマックス状態です(☚自律神経的には超アンバランス状態)。
こんな状況下で刑事が決定的な証拠を出してきました。
あなたはこれ以上はしらを切る事が不可能な状況である事、それを意識も無意識も認めざる負えない状態まで追い詰められました。
「・・・刑事さん、私が殺りました。。。」
とうとうあなたは自供しました、、、その瞬間、あなたは
「大量の涙と鼻水が流れ出します」。。。
刑事ドラマはともかく、実際の尋問では、犯人が自供した瞬間は上記の様に「大量の鼻水・涙」が出るそうで、それはほとんどの刑事さんの周知の事実だそうです。
つまり自供時の大量の鼻水は「これで完落ちした」という身体的証拠として多くの刑事さんの指標になっているそうです。
ちなみに自律神経的には、鼻水や流涙は副交感神経が刺激された時に分泌されます。
ここで思い出してほしい事は、自供直前までは「交感神経がマックスの緊張状態」であったことです。
自供により自分を守るための緊張が必要なくなると、それまでマックス状態にある交感神経とのバランスを取る為に副交感神経もマックスまで緊張してバランスを取ろうとします。その副交感神経のマックス緊張によって鼻腺や涙腺も強烈に刺激され、大量の鼻水-流涙の分泌に至る、これが自供時の大量の鼻水-流涙の自律神経的-解剖生理学的なつながりだと推定されます。
本来は、この副交感神経による流涙-鼻水によって「眼」や「鼻腔」を洗浄するのが役目だと推定されます。それは当然安静時に生じる生理機能です。逆に言えば、狩猟(捕食行動)や闘争・逃走などの緊急時に(☚交感神経緊張状態)、のん気に眼の洗浄や鼻の洗浄などしている暇がある訳ないですからね。
●鼻水の意味
●流涙の意味
この意味が分かると、もしあなた(orあなたのクライアント)が原因のよく分からない(風邪・アレルギーなどで無い)「鼻水」や「流涙」といった不定愁訴に悩まされている場合、それは副交感神経の緊張状態がある、それによって身心を癒す必要性の存在があるのでは、、、そしてその裏に隠された「危急存亡状況の存在=交感神経の緊張」があなた(orあなたのクライアント)の心身を支配している状況に置かれている、といった事が推定できたりします。
そこを突破口としてカウンセリングを展開していける可能性が高まります。
実際、私もある患者さんが自律神経的に失調状態ではないか、と推察した時、この鼻水と流涙(特に排便時の)について問診する事があります。意外に排便時に鼻水が出てくる人は多いようですよ。
とっても役に立つ解剖生理学と心身のつながりの事例だと思いますので、是非参考にして下さいね。
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