千葉県民に質問です。
神奈川県と聞いて近いと思いますか、それとも遠いと思いますか。
群馬県と聞いて近いと思いますか、それとも遠いと思いますか。
中堅の大学として東海大学と東洋大学を例に挙げて考えてみましょう。
東海大学は神奈川県の平塚市にメインの湘南キャンパスがあります。
一方、東洋大学は群馬県の邑楽郡板倉町にもキャンパスがあります。
通うのは果たしてどちらが大変でしょうか。
殆どの人は群馬が遠くて通えないと思うはずです。
そのように思い込んでいる訳です。
実際はどうでしょうか。
柏駅 → 東海大学前駅 1211円 2時間7分
6か月通学定期101110円
柏駅 → 板倉東洋大前駅 720円 1時間21分
6か月通学定期29650円
どうですか、イメージとは全然違うでしょう。
神奈川が近くて群馬が遠いというイメージがあったでしょうが、実際は逆です。
直線距離で見てみましょうか。
柏駅 → 東海大学前駅 89km
柏駅 → 板倉東洋大前駅 52km
これが事実です。
これが事実でないと言い張るのならば、それは国土地理院を否定することになりますよ。
一般に、難関大学には手が届かない場合、日東駒専の他に東海大学や獨協大学などが受験候補に挙がると思います。
例えば、生命科学を学びたい場合に東海大学、東洋大学、日本大学を考えることでしょう。
東海大学と日本大学はともに神奈川県で比較的近い場所にあります。
しかし、日本大学は少なくとも2回乗り換えのため、ここでは1回乗り換えで済む東海大学を東洋大学の比較対象校とした次第です。
私は実際にどちらも行って来ました。
両校ともに基本的には当校の塾生には全く縁のない大学ですが、物事は知っていて困ることなどありません。
実際にその路線に乗って、キャンパスも学生も見て来ました。
わざわざ行くのは大変な手間です。
時間もお金もかかります。
私はそうしていますが、それをどなたにも勧めるものではありません。
そこでアプリです。
スマホでアプリならば全然手間などかかりません。
寝転がってでも「確認」することができます。
僅かな手間で済むのですから、面倒がらずにアプリを使いましょう。
受験決定でない限り、一般には遠くまで行かなくても、Yahoo!乗り換えアプリで調べることができます。
それでも私は実際に行くことを常としています。
では、1円も儲かる訳でもないのに、逆に結構な出費があるのにどうしてそこまでするのか分かりますか?
理由は二つです。
一つは塾生が通える範囲にある学校は全て見ておこう、そうすれば生徒から何を相談されても返答できるからです。
普通の学校・塾・予備校の先生は生徒から相談があった時に資料を見ながらでないと応じられないでしょう。
特に志望校を決めなければならない時期には、夜中でも生徒は突然相談したくなる訳です。
実際に当校の生徒や保護者は夜中の2時でも早朝の5時でも不安な時に相談メールを送って来ます。
私は学校情報が頭の中に入っているので、何時であろうとも即答です。
即答したら生徒も保護者も安心するではないですか。
普通の先生は絶対にこんなことはしていないでしょう。
「生徒本位」「面倒見」など様々な言葉で宣伝していても、誰も私のようにはしていませんよね。
それはできないからです、するつもりもないからです。
もう一つの理由は、噂やイメージと実際が全然違うからです。
ここでは通学にかかる時間と交通費を比較対象として来ました。
東洋大学の板倉キャンパスは東武線に乗って2回乗り換え。
車内で本を読んでいたら、「もう着いたのか!」と思ったほどです。
それに対して、東海大学の湘南キャンパスは1回乗り換えなのに、「まだ着かないのか?」と思ってしまいました。
何度も行く訳ではない私が「まだ着かないのか?」と思うキャンパスに、入学した学生は毎日通うことになります。
それは大変ですよ。
通学疲れしてしまいます。
実際に「確認」することもなく、イメージで神奈川県の方が近いと思い込んで東海大学にしたら、通学疲れから勉強に集中できなくなる恐れもあります。
だからこそ実際に「確認」する作業は欠かせないのです。
では、どうして私はここまでするようになったのでしょうか。
そこには居住地と勤務地の違いがあるからです。
私はよそ者です。
我孫子市民ではありません。
柏市民です。
毎日柏と我孫子を往復していると、隣り街なのに両市が持つ雰囲気がまるで違うことに気づきます。
その違いが両市の発展の違いとして表れていることを指摘せずにはいられません。
柏の人口は約43万人。
それに対して我孫子は僅か13万人ほど。
大変な違いです。
柏はレイソルの存在もあって、その名は全国区です。
一方、我孫子はメディアでその名を見ることなど殆どありません。
ところが、江戸時代には水戸街道の宿場町として長い歴史のある我孫子。
我孫子が宿場町として栄えていた頃、柏はただの寒村。
何もありません。
明らかに「柏 < 我孫子」だったのが、今では「柏 > 我孫子」です。
なぜそうなってしまったのか、それは柏と我孫子を毎日往復している私には、よそ者として冷静に我孫子を見ているので欠点が分かってしまいました。
柏は事実に目を向けます。
行政も市民も事実が好きです。
それに対して、我孫子は噂やイメージに執着しています。
平成の大合併の時、沼南町は町の名を捨てて柏の名をもらった方が良いと考えて合併を受け入れました。
名より実です。
住所の表示も変わって便利です。
東葛飾郡沼南町大島田 → 柏市大島田
しかし、我孫子はその名を捨てることなどできないと合併を拒否。
合併されてから沼南町は、柏市の業務としてインフラが整備されて住みやすい街になっています。
柏と我孫子を結ぶ道は、柏側は綺麗に舗装されているのに、我孫子側はデコボコだらけ。
我孫子は上場企業だった日立精機がなくなってしまいましたよね。
NECも我孫子からの撤退が時間の問題です。
さらに、川村学園も我孫子にあることで評判が悪いので近い将来出て行きます。
東大の誘致に成功して、柏駅と柏の葉キャンパス駅という二つの拠点がある街に発展している柏とは大きく差をつけられてしまいました。
プライドの高い我孫子とプライドなど関係ない柏。
これは群馬県にもあります。
同じく平成の大合併として桐生市と太田市が合併を目指しました。
ですが、複数の理由から桐生が合併協議から離脱したのです。
その当時、「桐生はプライドが高いから」と太田市民がよく口にしていたものです。
その後は?
社会科の教科書に必ず登場する長い歴史のある桐生はどんどん過疎化。
路線バスは廃止されるし、市の中心部には更地があるほどです。
それに対して、太田は富士重工(スバル)を中心にして発展を続けています。
取り残されたという点で我孫子と桐生が同じです。
ともに原因はプライドの高さです。
一般に、プライドが邪魔をすると真実が見えなくなってしまいます。
その典型が学校選び。
柏では特別には人気校でない学校が我孫子では一番人気と二番人気。
自殺の絶えない学校と生徒の犯罪が絶えない学校が我孫子では人気ナンバーワンを争っているのです。
柏市民の私には未だに理解ができません。
自殺の絶えない学校も生徒の犯罪が絶えない学校も私は大嫌いです。
そんな私が縁あって、価値観が真逆の我孫子で教えています。
出会いは縁です。
アダム・スミスが言う「見えざる手」によって導かれたのでしょうか。
出会いは運かも知れません。
出会った生徒や保護者は何としても救ってあげたいと思って日々努力しています。
だからこそ、このところの炎天下でも、38度の猛暑でも帽子すら被ることなく大好きな日向のみを歩き回って学校偵察を行っています。
ここまで読むと、プライドの高い人から見れば変態、もしくは異常者として映るのでしょうね。
でも、これは私の趣味ですから、誰にも迷惑はかけていません。
それどころか、こうすることによって縁のあった者は確実に毎年救って来ています。
縁のある人だけ救えれば私は満足です。
自己満足のために運営している塾ですから。
既に午前5時になってしまいました。
もちろん外はもう明るいですよ。
いつも通りにこんな時間にも私は仕事をしています。
今作っていたのは中2の困ったちゃん専用の教材です。
諦めずに何としても救ってあげたいので、パソコンに何時間も向かったままです。
しかし、さすがにそろそろ仮眠を。