目を覚ますとすでに6日目の午前11:00をまわっていて、こちらにきてから一番深く眠った。ドミトリーのルールでは朝7時～11時までなら朝食にキッチンの卵やシリアルを自由に使っても良いのだが、今日起きた時点の気分ではドミトリーの朝食はパスして、とりあえずソファで今日の道場のクラスの内容を確認しながらくつろいでみる。奥からTrinityがきて挨拶をしてくるが昨夜の約束を破られたこともありそっけない挨拶を返す。小せえな、自分…。Trinityもその態度に察したのか、「昨日はすまなかった」と詫びられたことに逆に申し訳ない気持ちになった自分はやはり礼儀を重んじる日本人だと実感した。
朝からちょっとした文化の違いを感じたところで洗濯をしないと。日本から持ってきた下着やシャツがそろそろ底をつくのでコインランドリーに行くことにした。先日近くを歩いている時に近所のランドリーをチラッと見かけたのだが、詳しい場所を忘れてしまった。暑い中だらだら探すのが嫌だったのだがマップで調べてみても思いの外マップ上には詳細に記載されていない。しょうがなくウロウロしていたら目の前に発見。よくよく街中をみてみるとマップには出ないものの案外ランドリーは多く、日本とは違い外に干す文化がアメリカには無いので観光客、地元住民問わず利用者も多い。だいたい2ドル以内で洗濯と乾燥ができる。コインランドリーは名の通りコインしか使えない。25セントにあたるクォーターコインオンリーで利用する。そこで意外にもクォーターコインの大切さを感じた。洗濯中は時間が余るため、近くのチャイニーズレストランでブランチを食し戻ると洗濯は終わっていた。
それから乾燥機に30分かけている間はランドリーで適当な雑誌を広げて待つ。乾燥も終わりドミトリーに帰り、日課であるラン。朝決めた本日受けるクラスのタイボクシングとMajapahit Silat とカリをしに道場へバスで向かった。道場の最寄りで降り軽くお腹がへったのでドーナツ屋にはいりドーナツを食す。
今日で3回目になる道場の稽古に少しはついていけるかなと思ったがやはり甘かった。ほとんどついていけず形を覚えるだけで精一杯。格闘技の世界は深く、改めてたかが15.16日間じゃイロハのイの字も習得できない甘いものでは無いことを思い知らされた。でも限られた時間でやれる事はやって帰ろうすこしでも多くのことを吸収しようと心に刻んだ。回を重ねるごとに悔しくなるが、少しでも技術を日本へ持ち帰りたいとまた不思議と気合いが入った。クラスが終わり、今週だけ特別にトレーナーとしていらっしゃっていたTさんがドミトリーまで送ってくださる。帰りの車の中では道場の歴史だったり、Tさんの現在にに至るまでの簡単では無い経緯をお聞きし、改めてとんでもないところにきてしまったんだなと再確認した。Tさんはすごい方だとはおもっていたが桁違いにすごい方だった。ブルースリーにインストラクターに認定されたお弟子さんは三人しかいなく、(内1人はお亡くなりになっているが)残りの2人のイノサント師父とターキー師父との両師父から唯一お墨付きを頂いてるというとんでもない方だったのだ。ハリウッドのそうそうたるメンツにもアクションを教え、アクションコーディネートでも活躍するTさんと将来一緒にお仕事ができたら…などとおこがましくも思ってしまった。さらにドミトリー近くのタイレストランでまたまたご馳走にまでなってしまった。
何から何までNさん同様Tさんも僕なんかのために至れり尽くせりしていただき感謝しかない。いつかお世話になった方々に他のカタチで恩返ししたい。その後コンビニで降ろしてもらい、ビール缶一本購入し宿でシャワーを浴びた後、ビールを疲れた身体に流し込み、ヘトヘトな1日を終えた。