自分には訳合って家族が1人もいない。

正確には家族は居るんだけど
ここには書ききれない理由で縁が切れ、連絡も取っていないし
会ってもいない。

会社にも「両親はいない」ことにしている。


そんな自分だが、実は「総合保険」に入り
「死亡時の保険」に加入している。

その額、数千万円。


自分が死んだ時、支払われるようにしてある。


でも、家族はいないとしている自分。
そして、結婚しているわけでもない。
子どもももちろんいない。


じゃあ、誰が受け取るのか・・・・?


「受取人」は「甥」にしてある。
(※注釈を参照)


実は、自分には姉の子ども、つまり「甥っ子」が1人いる。


会ったことはない。見たこともない。

今頃は3歳ぐらいだろうか。

自分が亡くなったら、この子にその金を渡したい。


その子の、教育費にしてほしいのだ。


自分には心残りというか、どうして胸に引っかかるものがある。

自分は予備校に通ったことも、塾に通ったことも
何か習い事をしたことも一切、ない。
(正確には、父に習わされていた剣道をずっとやっていた)

理由は様々だけど、大きな原因として
ものすごい小さな北海道の農村に住んでいたこと。
学校は一切教科書とかに触れず
ほとんど、遊びのような授業で、まったく進学目的の
勉強なんてやったことがなかった。

小学、中学、高校・・・・相当苦労した。

大学は何とか、一応は有名なところに入ったけど
それだって、予備校などには一切通っていないし
自分の力で相当苦労したと思う。

今から思えば・・・仮に予備校に通い
有名な私立の学校でも、有名な公立の学校でも通っていれば
自分の人生は大幅に変わっていた・・・・のかもしれない。


街中の塾や、予備校、有名な小学校や中学校の学生を見ると
どこか自分の人生が、物悲しいもののような気になって
深くため息が出るときがある・・・。


今まで出会った人や、いろんなことがあって
それら全てを否定する訳じゃない。

でも、東京や埼玉の街を歩いていると
何かむなしいような・・・
どこか、自分の味わった苦労のようなものを
別の誰かに与えたくないような・・・そんな気になる。


甥はこの金で、自分とは違う
楽しい人生を送って欲しい。


そのための保険、未来へのプレゼントでもある。


毎月、まあまあの掛け金を払う。

大きくも小さくも無いけれど
こんなお金の使い方があってもいいんじゃないかと
少し希望を持ちつつ、お金を払っている。


長生きしたら嫌だな、意味無いじゃん(笑)



※保険会社によると保険金の受取人には
 通常、親等の制限や、法廷最低相続分などがあるので
 全額「甥」に行くことは不可能だそうですが
 遺書などで指定することで、取り分を多くすることは
 可能とのことで、「受取人は甥にしてある」と書きました。