今日も猛暑です。

お昼休憩は一番近くのホテルへ。

高くて美味しくないけど、そんな事どうでも良い😡😰。

ギラギラした日差しから、逃げるように入りました。


8月最初の最高気温予報が、とうとう40度と表示され、皆で真っ青に。

「倉庫の荷物が心配やなあ。

大事な物は移動しようか?」

早目の夏休みという手もあるけど、涼しい店でゆっくり調べ物をしよう。


さて、今日の市場です。

昨日下見で、「日本の美術」の資料付き(←写真と全く一緒)で、額に入った辻が花の端切れが出ていました。


本物なら凄い値段です。

辻が花は世界中の美術館が、欲しがりますからね。


でも、何か違う。😅😖

貝紫が、古代染色と違う気がする。

全体が醸し出す雰囲気にも違和感が。

拡大して真剣に見ました。

何か引っかかるのです。

私の結論は、時代が足りない。

つまり、「本物の辻が花ではない」でした。


買わないけれど(私の見立てで良いのか?)、午後は、それを確認するのが、大きな仕事です。


生地が専門の業者さんも、残っています。

「私は偽物だと思うけどなあ?

2人(←この分野の老舗の方)も来てないよ」

「来てへんか?」


情けない事に、これが本物かどうかの最終判断は、老舗の2人の買いっぷりを見るしかない。

その2人が来てないのは、やはり本物ではないのでしょう。

私は瞬時にそう判断したけど、道具屋たちは見果てぬ夢を追いかけます。


「2人とも用事があるん違うか?

僕が買って見せに行こうか?」

「いえ、午前中にお見かけしました。

欲しくないから、来てないのでは」


隣りの方との会話です。

いつもは生地を扱わない業者まで参戦して、たかが布切れが高くなる。

でもやはり本物ではない値段で、終わりました。


「辻が花も安うなったねえ」

「本物ではないのだと思います。

本物なら、老舗2人が逃すはずがない。

必ず来ます。

少し若い気がしました。」


そこからは喧々諤々。

もしかしたら、「日本の美術」の本自体が間違ってるのかも?と、なります。

日本の美術には、時々間違いがあるのだとか。


分かりにくいけど、切れっ端でもとんでもない値段になる「辻が花」は、誰もが扱いたい。

興味が近いからこそ、(自分の力不足を認めて)老舗2人にお任せしようと、あっさり諦められる私と違い、皆一攫千金狙いです。


道具屋さんたちの弱点を見た気がする一日でした。

もっとも私も、他の方から見たら、とんでもない事をしてるのかも?

骨董は分野が広いので、こんな感じで、誰もが手探りを続けています。


「辻が花」は後で大きな図録を広げて、じっくり勉強しよう。

どうして偽物と思い、その判断が正しかったのか、記憶が消えない間に、明確な答えを見つけたい。



今日のニューカマーは、蜻蛉の鍔です。

裏まで、オッポが回っていますよ。

蜻蛉は勝ち虫とも言われ、兜などについています。

辻が花狂想曲の後に、何とも平和な入手品でした。