寺町通りで、(こんなお店をしたかったなあ)と、瞳をハートマークにしたのは「大書堂」。

浮世絵を始めとした日本の古い木版画や古書が、ずらりと並んでいます。


和物なのに、ヨーロッパの街角の匂いなのは、海外の方がターゲットなのでしょう。

魅惑的で、自分の仕事もおサイフの中味も忘れ、1日入り浸りそう。

アンタッチャブルな世界です。


ここに客として、堂々と入れる日が来ました。


米国のお客様から、買い物代行を頼まれたのです。

「貴女のお店の、その2点の版画を買います。

送って下さい。

ついでにお願いしたい事があって…」

こんなメールが来ました。


読んでみると、彼女は布が好きな米国のデザイナー。

20人ほどのメンバーで、布を追いかけて、6月に日本全土を2週間以上船で回った。

美山の藍染作家の工房にも、彼が亡くなる直前に訪問したそうです。


写真から(ああ、あの時の方!)と、思い出しました。

お買い上げの後、調子に乗って、久留米絣のお城や夜着を見せると、瞳を輝かせて、こう言って下さったのです。


「素晴らしいわ、ミュージアムクラスね。

見せてくれて有難う。

これらは貴女が持っているか、相手を選らんで、大切に売るべきよ」


この時の印象が良かったし、信頼出来ます。

それに、欲しい木版画がまだあるか、探してきて欲しいという店が、憧れの古書店「大書堂」だったので、引き受ける事にしました。(←こんな事をするから、余計に忙しい😖😅)

同業者で先輩のお店には、行きにくい。

でもこんなミッションがあれば、大手を振って入れますからね。


ネットでお店の案内を読むと、老舗のここも、初代は露天から始めたとの事。


後100年😅あれば、私もこんな店を作れる?

いやいや、100年あっても無理。😅😖

紙物も好きだけど、細工物も焼き物も好きな私には、絞り切れない世界です。


そんな妄想とともに歩く京都の街。

モア〜っと来る、今日のこの暑さはなんなのだろう?

アーケードがあって、通り全体が涼しい新京極や寺町に、半パンの観光客が避難していました。

気持ちは分かる。

私だって、ここから出たくない。


遮る物のない横断歩道を渡るのが怖かった。


救急車の音が、世紀末感を醸し出します。

この暑さ、そりゃあ倒れる人もいるよ。



店に返って、芸妓さんから聞いていた、涼しげな簪を作ります。

透明感の高い蜻蛉玉と、差し替えてみました。





せめて、目から涼を。

そして身体も冷やそう。

エアコンが苦手な私も、この数日エアコン漬け。

今夜もそうなりそうです。

テレビの解説によると、それで良いのだとか。