古い陶印が纏まって出た。
陶印は文人たちに人気だ。
文人に憧れるミーハーな私も、そそられる。
なかなか出ないから、このチャンスを逃してはいけない。
「ワオウ〜!大好き!」
2人で歓声を上げ、座り込んで判読を始めた。
上下も曖昧なまま、いい加減に押している。
回しながら3人でああでもないこうでもないと読み、印談義です。
この場合、私は合いの手を入れるだけ。
彼女たちの提示に、
「あ!
そうなるんだ!
日本でもそんな熟語があるわ」
つまり感心するだけ。
情けない限り。😅😆😂
彼女の友人は、医学を勉強しながら、漢詩に嵌ってるとかで、印の前から離れない。
スマホで何時までも調べ続ける。
理系と文系、二刀流だけあって、流石に勉強家です。
この陶印の意味は良い。
中国でも古い陶印はないのだそうだ。
篆刻の文字も時代によって変わるらしい。
調べて字が分かると、2人で歓声を上げハイタッチ。
「疲れるから、いい加減にすれば」
「ゲームみたいで、メチャクチャ楽しいのよ。
私達は大好き!」
20才前後の若さで、こんな謎解きが楽しいなんて!
私なんて直ぐに疲れ、諦めるのに。
彼女たちの知性に完敗です。
昨日はその後も、中国の方に感心しきりだった。
デザイナーの奥様が、坪庭の小さい石仏が欲しいと言う。
取り出して、諦めを施す。
「でも持って帰るには重いから…」
「大丈夫です」
ご主人も持ち上げて頷く。
「うん、大丈夫」
三千院で石仏を見た帰りなのだそうだ。
その写真を見せて下さり、私に(あ〜あ)といった表情をして言う。
「彼女は気に入ったら諦めない。
それがインスピレーションの元だから、仕方ないです」
前進する事に貪欲な中国の女性たち。
尊敬しかありません。
明日からはそんな方々を相手に、切った張ったが始まる。
「ファイト!」
と、自分にカツを入れてます。