故郷の桜祭りが3月末と、シルバーさんからメールがきました。

「時期が合えば帰りたいから教えて」と、お願いしてたのです。


この日程なら可能かも?


母は96歳、出来る事なら頻繁に帰りたい。

そう思っても、店を構える身、なかなか叶いません。

でも春先に思いがけず私が顔を出したら、どんなに喜ぶだろう。

これ以上の母へのプレゼントはないはず。


よし、帰ろう!


「3月末に四国に帰って来るね。

お母さんに会うのと、お墓参り。

そしてすがわら座の文楽を見る。

宜しく!」

言外に(貴男は無理よねえ、ごめんなさい)と含ませます。😅


昨年末に出血性気管支炎になって以來、夫は朝晩、ネブライザーと痰の吸引器を使う。

家を空けれません。

実はお正月も、その制約の為に私一人で弾丸帰省でした。


ところが文楽に反応して

「僕も行く」ときっぱり。

一歩も引かない気迫です。😅😆

「大丈夫?」

「大丈夫!」


故郷辺り、昔から文楽が盛んでした。

地元には小さな文楽の拠点があり、鉄筋ながら昔の芝居小屋の雰囲気で作られています。

一度楽屋裏を見せて貰うと、古い見事な頭(かしら)が無造作にゴロゴロ。

動物の頭もあって、それらはここでしか見た事のない物でした。


以降は中途半端な文楽の頭に、手を出さなくなったほどです。

私の自慢の故郷の文化。


写真も自慢の「劇場訓家図絵」です。


小道具、大道具、芝居小屋、床山、看板等、芝居周辺の事が全て書かれています。
希少本で、南座の大道具さんも玉三郎さんの床山さんも、歓喜してページをくって下さった。
江戸期出版の和本。





こんな和本がうちに来たのは、コロナ禍でのどさくさに紛れての事。
訳が分からずとも、採算度外視で手に入れた自分の英断を、今更ながら褒めてあげたい。
貴重な財産です。


…と、話がそれましたが、故郷の文楽の拠点は、こんな匂いをプンプンさせる空間。

やっぱり、文楽見るなら、こんな会場でしょう。


丁度アップされた、歌舞伎見物にお着物を予定されるブロ友さんの記事に、刺激されました。😍

(そうだ、着物で行こう。

お母さんが縫った着物が一枚ある。

一度も着てないあれを着て、文楽見物の前にホームに面会に行ったら、どんなに喜ぶだろう。

地味だから充分今も着れる)


それに、着物姿は舞台に花を添えるはず。

早速深夜に(←これしか時間がない😅)出してみます。

お襦袢の襟付けを頑張り、それまでに数回予行演習すれば何とかなると、目星を付けました。


でも夫が一緒となると、私は忙しい。

荷物も多くなり、実家での家事も増えます。

着物は諦めるしかないかも?😰



実は故郷の文楽に関わるのが、私の老後の野望の一つ。

(もう一つは綿の栽培と綿布作り)


この仕事を始めた頃扱った、アンティークの着物の残りを、そのまま持っています。

何時か文楽の衣装に使いたいと。


地元の方に呼び掛けて、あの頭のグレードに相応しい衣装に変えたいのです。

素晴らしい頭に比べ、お粗末な地元の文楽人形の衣装。

残念だし気になって仕方ない。

外部からだけど、文楽をもり立てたいと、長年思っていました。


そんな諸々も小屋の片隅から模索しよう。

忙しい3月を乗り切る楽しみが出来ました。

さあ、まずは目先の骨董祭の準備だあ。


春待つ気分を桜の花型の菓子器で。😍