お客様がいない時は磨き仕事です。

本も読みたい。

下のオールドノリタケについて、調べようと思いながら、ついつい手を動かす貧乏性。😂😅😆



それでも今日こそはと、本を開きました。



この本は東京催事で隣のブースの方が書いたもの。

彼はこの分野の第一人者です。

明治から戦前までの、日本の輸出陶磁器についての知識と情熱は、半端ありません。

仲良くなって、色々教えて頂いたり、刺激を受けてます。


さて、裏を見ましょう。

オールドノリタケは、裏印で大体の製造年代が分かるのです。

まずはカップから。


ソーサーの裏です。

ケーキ皿の裏。

模様は同じなのに、裏の印がそれぞれ違う。

どう言う事?

??


じっくり本を読んで判明しました。

印も手描きなので、微細な違いがあるようです。

このカップアンドソーサーは、米国向け輸出品で、1912年から発売され、1940年の世界大戦前夜に終焉を迎えます。


裏印が転写でグリーンのケーキ皿は、やはり米国向けに、ディナーセットとして輸出されました。

こちらは1912年〜1921年。


これらから、このセットは1912年〜1921年に米国に渡った物の里帰りか、一部輸出されなかったお品と推察できます。


それにしても手描き絵付けは美しい。

繊細な金彩の、盛り上がりに魅せられました。
筆の跡が見えます。


 こんな事をしてたら、入ってらしたカップル。

一緒に覗き込むので、お国を尋ねると、ルクセンブルクでした。


「まあ、貴方がたの国の方に初めてお会いしました」

「小さい国だから」

「でも美しい国ですよね。憧れです」

「有難う。

京都も美しいです」

 

笑顔で交わした会話は、細やかながら民間の国際交流。


小さなお雛様を選ばれます。

「日本は小さなものが沢山あるのね」

「そうなんです。

日本の文化だなあと、思います」

つい最近辿り着いた考えを、思わず口にしました。