昨夜は映画館から映画館へと、夜の三条通りを疾走しました。
まずは文博フィルムシアターで、松竹下加茂撮影所時代の、モノクロの「忠臣蔵」。
1932年当時、制作費30万円、制作日数は8カ月をかけて作られた、伝説の大作です。
機会があれば見たいと思っていました。
「身代わり忠臣蔵」の封切日と重なる昨夜の上映なんて、絶好のチャンス。
逃せません。
どちらも2時間近くの作品。
しかもタイムテーブルを見ると、映画館の移動で精一杯。
夕食を取る時間はない。
座席に座って予告編の時間で、フードコートのコーヒーとホットドッグで凌ぐという、若創り(?)なスケジュールを、夫とこなしました。
まさにバカップル😆😅
衣笠貞之助監督の「忠臣蔵」は、フィルムの劣化で画質も音も今いち。
映画を見慣れてないと、キツいかも?
でも集中力を高めると、独特な世界に潜り込めます。
演劇界からの大物総出演のせいか時代の演出のせいか、芝居感が強い。
まるで舞台を見ているよう。
重厚な美術や衣装、私の知らない解釈もあり、古い作品なのに新鮮でした。
さて、そんな後で見る「身代わり忠臣蔵」の軽快で見やすい事。
時代考証とかめんどくさい事は、クソ食らえ!という、思い切りの良さ。
原作や脚本の斬新さ、制作陣のセンスの良さを感じました。
一人二役のムロツヨシさんの自然体さが、さらに物語を身近に感じさせます。
楽しかった〜!
これが最近の東映時代劇ですよね。
歌舞伎界に振り回されて、中途半端に重厚な松竹と違い、思い切りが良い。
時代物というくくりに捉われず、フリーハンドで人間を描いているのが、好きだなあ。
同じテーマながら、描く角度の違う2作品。
約100年時の隔たりを超えて、見比べることができました。
どちらも見応え充分。
人間をしっかりと描いていて、切なさが胸に迫ります。
こんな事が出来るのも京都ならでは。
この地に住む幸せをかみしめました。
モノクロの「忠臣蔵」はともかく、「身代わり忠臣蔵」は封切られたばかり。
ぜひぜひ劇場で!