昨日、露天で知り合った方が、奥様を伴い来て下さいました。


東寺では油壺を纏めてお買い上げです。

実は油壺は、勉強するつもりで持っていったもの。

あまり古くはありません。

でも形が良くて、野草が似合いそう。

私も使いたいし、棚に置くだけで雰囲気が出ます。


詳しい業者さんが来たら、尋ねるつもりでした。

時々店に来る、焼き物好きな方が見て、気になるから後日店にくると言ってたけど、あっけなく完売。

ごめんなさい。

先着順です。


ご夫婦は弘法さんから天神さんまでホテルに滞在し、骨董屋巡りをするそうです。

昨日も弘法さんの後、縄手周辺のお店(←恐れ多くて、私では覗けないクラスの店ばかり)を幾つも覗いたとか。

露天にはほとんど居なくなった、正統的な骨董に散々お金を使ってきた、目利きの方でした。


あの油壺、2つは伊万里という事です。

露天には持っていけないお品を見て頂いたり情報交換したり。

楽しい時間を過しました。


下の写真がお見せした一つです。
根付けなら幾つか見てきたけど、これを緒締め玉で見るのは始めて。



蓮の実から種が飛び出る仕組みです。
実は、手に入れるまで、これには気付いて無かった。
金煙管に目を取られてたのです。😅
流石に金煙管の持ち主と、唸りましたよ。

私も驚いた緒締め玉に、細工物に詳しいご夫婦も、いたく感動下さる。

次の上洛からは、直接お店に来て下さるそうです。

嬉しい出会いでした。


昨朝でまだ暗く、雨が土砂降りの頃、市場が主戦場の業者さんが、声を掛けて下さいます。

私は灯りを頼りに設営中でした。


「こんな時も休まんと、ご苦労さまです」

「おはようございます。

でも、もう今年一杯のつもりなんです」


立ち止まり、しっかりこちらを見据えて、答えて下さいました。

「充分です。

今まで出続けはった事に、頭が下がります。

年末までと言わず、いつ止めても良いんと違いますか」

「有難うございます。
ラストランだし、雨にも負けず頑張ります」
「もう充分だから、無理せんとね」

姿が見えなくなると、涙が滲みます。

この方は、メインの市場の激しい争いぶりを、いつも見ている。

今や露天でお会いする中で、唯一知識や情報が信頼出来る、ベテラン凄腕の業者です。


そんな方が、多くを言わなくても、思いをそのまま受け取って下さった。

私ももうそれで充分かな。



色々楽しい事があり、後ろ髪を引かれる露天だけど、少しずつ外堀を埋めています。


片付けが一段落して、早速露天のご褒美の花を。
抜け目がありません。😅


お花の手入れをすると、疲れが吹き飛びます。