昨日、露天で知り合った方が、奥様を伴い来て下さいました。
東寺では油壺を纏めてお買い上げです。
実は油壺は、勉強するつもりで持っていったもの。
あまり古くはありません。
でも形が良くて、野草が似合いそう。
私も使いたいし、棚に置くだけで雰囲気が出ます。
詳しい業者さんが来たら、尋ねるつもりでした。
時々店に来る、焼き物好きな方が見て、気になるから後日店にくると言ってたけど、あっけなく完売。
ごめんなさい。
先着順です。
ご夫婦は弘法さんから天神さんまでホテルに滞在し、骨董屋巡りをするそうです。
昨日も弘法さんの後、縄手周辺のお店(←恐れ多くて、私では覗けないクラスの店ばかり)を幾つも覗いたとか。
露天にはほとんど居なくなった、正統的な骨董に散々お金を使ってきた、目利きの方でした。
露天には持っていけないお品を見て頂いたり情報交換したり。
楽しい時間を過しました。
次の上洛からは、直接お店に来て下さるそうです。
嬉しい出会いでした。
昨朝でまだ暗く、雨が土砂降りの頃、市場が主戦場の業者さんが、声を掛けて下さいます。
私は灯りを頼りに設営中でした。
「こんな時も休まんと、ご苦労さまです」
「おはようございます。
でも、もう今年一杯のつもりなんです」
立ち止まり、しっかりこちらを見据えて、答えて下さいました。
「充分です。
今まで出続けはった事に、頭が下がります。
年末までと言わず、いつ止めても良いんと違いますか」
姿が見えなくなると、涙が滲みます。
この方は、メインの市場の激しい争いぶりを、いつも見ている。
今や露天でお会いする中で、唯一知識や情報が信頼出来る、ベテラン凄腕の業者です。
そんな方が、多くを言わなくても、思いをそのまま受け取って下さった。
私ももうそれで充分かな。
色々楽しい事があり、後ろ髪を引かれる露天だけど、少しずつ外堀を埋めています。