哲仁王后&海街チャチャチャの『竹林』について | OLがけっぷち日記

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このままじゃ、まずいよね?

お久しぶりです!!

10月は忙しくなるって言ってたんですけど、本当に忙しくなって自分でも焦ってます。

 

しかし、お休みに見た海街チャチャチャ14話に、哲仁王后の考察をせざるを得ない案件があったので戻ってきました…笑

 

今回は『竹林』について、考えてみたいと思います。

 

毎度のことながら、がっつりネタバレしているので、ネタバレNGの方はこちらでお戻りくださいね! 

 

………

(1)海街チャチャチャに現れた『竹林』

まず『海街チャチャチャ』なんですが、哲仁王后と同じtvN土日9時枠で放送中のドラマです。(Netflixでも同日配信中です)

 

あらすじは、こんな感じ↓

歯科医のヘジン(シン・ミナ)は仕事で上司ともめて勤務先を退職。訪れた家族の思い出の地・海辺の村コンジンで、急転直下、自分のクリニックを開業する事に。礼儀はないけどなんだかんだ面倒見のいいホン班長(キム・ソノ)を始め、都会とは違う距離感で生きる村の人たちに最初は戸惑うヘジンも徐々に馴染み、ホン班長とは恋愛関係に!しかし、ホン班長には隠している暗い過去があり

 

物語も佳境の14話。韓国ドラマの王道、男主人公の過去のトラウマが繰り出されまして、二人の交際の危機となったところで問題のセリフが出てきました。

 

過去のことを話してくれないホン班長に、恋人として信頼してもらえてないのではと落ち込むヘジン。町内会長でホン班長を幼い頃から知っている姉貴分のファジョンさんがヘジンに言ったセリフがこちら。

 

Netflix字幕「先生ならドゥシク(ホン班長)の心のホットラインになれる」

韓国語字幕「두식이 대나무 숲이 돼 줄수있을 거 같은데?」

(ドゥシキ テナムスィ トェジュルスイッスル コ カットゥンデ?)

 

はいはいはい!!!

なんか聞いた事ある単語きた!!!!

 

『대나무숲/テナムスッ』

 

『哲仁王后』の番外編のタイトルにも使われてた『竹の森(竹林)』って意味の単語!

 

でも、なんで?

字幕では「心のホットライン」だったのに、なぜ『竹林』??


ということで…

 

調べました。

 

(2)『竹林』の意味

『竹林』を調べたところ、韓国の「三国遺事」という本に載っているお話が出てきました。

 

新羅の第48代王・景文王の説話

景文王が即位した後、王の耳が急に長くなり、ロバの耳のようになった。妃や宮人は誰も気付かなかったが、唯一、王の帽子を作る職人がこのことに気付いてしまった。職人は誰にもこのことを話さなかったが、死ぬ間際になって道林寺の誰も来ない竹林に行き、竹に向かって「王の耳はロバのようだ! 」と叫んだ。その後、風が吹くと竹が「王の耳はロバのようだ」と鳴るようになった。これを苦々しく思った王は竹を伐りとって山茱萸を植えさせたところ、風が吹いても「王の耳は長い」とだけ聞こえるようになった。

Wikipediaより引用)

 

童話「王様の耳はロバの耳」の韓国版のお話のようなのですが、これに由来して『竹林』には「誰にも言えない秘密を言う場所」の意味ができたようです。

 

先に書いた『海街チャチャチャ』のファジョンさんが言っていたのは、これに由来した『竹林』だったという事ですね。


字幕の「心のホットライン」は意訳で、もう少し意味をかみ砕いた訳にするとしたら「(ヘジンは)ドゥシクが誰にも言えない秘密も言える存在になってあげられると思うけど?」という感じでしょうか。

 

『哲仁王后』の番外編も「宮廷では誰もが秘密を抱えて生きています。そんな隠された秘密を今回はちょっぴり覗き見してみましょう」的な導入だったので、タイトルの『竹林』の由来はこの『竹林』で間違いないと思われます。

 

(3)もう一つの『竹林』

更に調べると『竹林』という名前で有名な物として、2012年頃から流行ったインターネット上の匿名暴露SNSもありました。

 

こちらも(2)で紹介した景文王の話に由来して「誰にも言えない秘密を暴露する掲示板」みたいな意味なんですが、業界や分野ごとでいろんな『竹林』があって、それぞれで匿名で内情を吐露したり、告発したり、その分野の有名人の悪口なんかも書き込まれているようです。

 

『哲仁王后』は割とシニカルなネタが好きなので、チェ尚宮や待令熟手が竹林でソボンの悪口を叫ぶシーンは、故事に由来した意味だけでなく「朝鮮時代の宮廷人はネットの“竹林”ではなく、本物の“竹林”で秘密や悪口を言う」というシニカルジョークだったのではないかと思います。


 

(4)海外視聴者のドラマ鑑賞

小ネタをまとめている中でも感じたことですが、韓国国内の視聴者には特に説明しなくても伝わる比喩表現などは海外視聴者には伝わりにくく、そこに秘められた意味なども掴みにくいということが多々ありますよね。

 

でも、こうやって別のドラマで使われているのを見て、そういえば前に見たドラマでもこうやって使われてたから何か別の意味があるのかな?韓国で流行った言葉なのかな?など、興味を持って調べるきっかけにもなると、ドラマに留まらない文化をより深く知る事ができて楽しいので、ぜひぜひ皆さんも「あれ?これ前にも見たことあるな…」と思ったら、ググってみてください!

 

意外に面白いことがわかるかもしれませんよ~!
 

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※あくまで個人の考察です。
※画像はお借りしました。