ネタバレです・・・。
文ちゃんとインドに行くことが決まってから、数日後。
春休みに入った主人公たちは、撮影旅行の支度をしていた。
主 「だいたい終わりそうですね」
文 「・・・ん、○○は?」
主 「私は、あと少しです」
(えーっと、これで服は大丈夫だし・・・あとはシャンプーとかの洗面用具かな?)
自分の荷物を確認していると、タオルを手にリビングに戻って来た裕ちゃんが
明るく声をかけてきた。
わっ・・・裕ちゃん、お・ひ・さ~(*^▽^*)
裕 「○○ちゃん、はい、これ・・・」
主人公は差し出されたタオルを受け取り、笑顔を返す。
それをカバンに入れる主人公を見て、裕ちゃんがため息混じりに言った。
裕 「しっかし、ふたりしてインドに行くことになるなんてねえ・・・」
彼は、少し離れたところで鼻歌混じりに支度している文ちゃんを見て、苦笑する。
裕 「文ちゃんってば、○○ちゃんとふたりっきりになれるからなのか、すっごく機嫌いいなぁ。
ま、ここんところ調子悪そうだったから、いいんだけど」
(あ・・・桜庭さんも気づいてたんだ・・・)
そう思いながら彼の顔をじっと見つめると、裕ちゃんは照れたように微笑んで主人公に
抱きついてきた。
裕 「そんな可愛い顔して見られたら、文ちゃんにあげたくなくなっちゃうー」
主 「ちょっ・・・さ、桜庭さん・・・!?」
裕ちゃんの身体を押し戻そうとした瞬間、ふと主人公の身体が引っ張られる。
裕 「あ・・・」
驚く裕ちゃんの顔と背中から感じる温かさ。
振り向くと、後ろから文ちゃんが険しい顔で抱きついてきていた。
文 「ダメ、 サクさん・・・○○は・・・!」
文ちゃん、可愛すぎる・・・![]()
彼が低い声でそう言うと、裕ちゃんはあわてて主人公から手を離して微笑む。
裕 「別に・・・そういうつもりじゃないって」
文 「うー・・・意味もなく抱きつくのはもっとダメ」
一言一言が可愛すぎる・・・文ちゃんは・・・(〃∇〃)
裕 「ごめんごめん、いや、そんなに怒らなくても」
そのとき、買い物袋を手に戻ってきた翔ちゃんの声が飛んでくる。
翔 「あー、もう、何してるんですか! 人に夕食当番の買い物を押し付けてー」
裕 「うわ、翔吉! ・・・なんだ、意外に早かったな」
翔 「早かったな、じゃないですよ」
そう言いながら翔ちゃんは主人公たちを見て顔を赤くした。
翔 「・・・って、栗巻さん・・・いくらなんでも人前で・・・」
(あ・・・)
主人公は後ろから抱きつかれたままの状態だったことに、照れくさくなる。
主 「く、栗巻さん・・・ちょっと今は離れたほうが・・・」
文 「んー・・・」
すると、突然、創ちゃんの部屋の扉が開いた。
創 「あー、もう、うるさいっすよ!」
不機嫌そうな創ちゃんが出てきて、リビングの中に緊張が走る。
(うわ・・・)
翔 「あ・・・創一さん、ぼ、僕じゃないですよ。裕介さんと文太さんが・・・」
創 「ったく、どうせ旅行の準備で、って言うんだろ? ・・・こっちだって課題が
あるってんだよ」
主 「ご・・・ごめんなさい」
あわてて主人公が割って入るようにして謝ると、創ちゃんは大きく息を吐いて
頭をかいた。
プププ・・・創ちゃんって、主人公には怒らないんだ・・・( ´艸`)
創 「・・・別に・・・誰もお前のせいだなんて言ってないだろ」
すると、裕ちゃんがニヤニヤしながら話に加わってくる。
裕 「うわー、創ちゃんてば、○○ちゃんには甘いんだなぁ」
創 「な、なんですか! 騒いでた声の中にコイツのはなかったから・・・」
裕 「わ、ちゃーんと聞いてたわけだ、○○ちゃんの声が聞こえないってー?」
創 「さ、桜庭さん!」
そこへ、和にぃが入って目を丸くした。
和 「・・・なんだ、みんなして。・・・あ、翔吉、買い物してきてくれたのか」
翔 「あ、はいはーい。これです、これ・・・キッチンに持っていきますね」
そう言って翔ちゃんはそそくさとリビングを出て行く。
裕 「アイツ・・・うまいこと逃げたな・・・」
和 「・・・まったく・・・文太も○○ちゃんも、旅行前にモメごとはやめてくれよ」
主 「あ・・・すみません」
今度は和にぃに向かって謝ると、裕ちゃんが間に入った。
裕 「いや、そもそもオレが悪ふざけしすぎちゃったから・・・」
文 「そ・・・サクさんが悪い」
文ちゃんが静かに突っ込むと、和にぃはみんなの顔を見ながら
ため息をつく。
和 「まあ・・・どうでもいいが、仲良くやってくれよ。・・・じゃあ、夕食の支度するから・・・」
そう言って和にぃが立ち去るのをきっかけに、創ちゃんも背を向けた。
創 「支度するのは自由ですけど、とにかく静かにしてください。いいですね!」
なんか、他人行儀だな・・・創ちゃん・・・
そのとき、裕ちゃんは文ちゃんの顔を見て笑った。
裕 「なんだよ、文ちゃん。ひょっとしてまだすねてんの?」
そう言われた彼は、少しムッとしたように目を伏せる。
文 「・・・別に」
(うわ・・・機嫌が悪い・・・のかな?)
裕 「でも・・・インド行きが決まったのって割と急だったみたいじゃない?
よく○○ちゃんもついていくことにしたね」
主人公は文ちゃんの顔を見ながら、数日前のやりとりを思い返した・・・。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
ギュッと文ちゃんに握られている主人公の手。
そして、迫ってくるキラキラとした瞳に、主人公は完全に言葉を失っていた。
文 「もちろん、○○も一緒に行くよね?」
改めてそう言われ、主人公は彼のことを抱きしめていた。
春休み中、インドに行くと決心した彼が真剣に見つめてくる。
(ど、どう答えようかな・・・)
選択肢・・・ ちょっと待ってください
文 「ん? ・・・何?」
主 「そんな急に言われても・・・すぐに決めることはできないですよ。だいたい、まだ
両親に何も言ってないですし・・・」
文 「○○の両親? ・・・どうして?」
篠崎 「そりゃあいきなり海外だなんて、お金のことだってあるでしょうしねぇ」
文 「あ・・・そういうこと・・・?」
和 「誰もがお前みたいに、勝手に決めて、勝手に行動することが許されるとは
限らないんだぞ」
篠崎 「まあ、確かにそうよね」
ふたりの言葉を受けて、彼はまるでしかられた子どものように、肩をすぼめながら
主人公を見る。
文 「・・・そうなの?」
その姿が可愛く見えて、つい笑ってしまった。
主 「まあ・・・おふたりが言っていることは、確かにそうですね。
栗巻さんはご両親にインドへ行く話しをされたんですか?」
文 「ん・・・俺はちゃんと話したよ」
篠崎 「あら・・・それで?」
文 「別に好きにしろって・・・だから、あとは○○だけ」
主 「そう・・・なんですね・・・」
主人公は話を終わらせるように立ち上がる二人に、とっさに言っていた。
主 「私・・・栗巻さんと一緒に行きます」
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
「と・・・いうわけなんです・・・」
主人公の話を聞いていた裕ちゃんは大きくうなずいた。
裕 「なるほどね。それで両親もあっさり認めたってわけだ」
主 「まあ・・・そうですね。篠崎先生がなんて言ってくれたかはわからないんですけど、
海外で学ぶことも多いと判断したみたいで・・・」
その言葉に文ちゃんが突っ込む。
文 「実際、学ぶことも多いから」
裕ちゃんがリビングを出て行くのと入れ替わるようにして、コウキとイゾウがリビングに
入ってきた。
コウキ 「○○さんー! おカメラさーん! これ持っていくです」
元気のいい声で言ったコウキの手には1冊の本。
主 「これは・・・なんですか?」
受け取ると同時に、イゾウが甲高い声で鳴いた。
イゾウ 「キキッキー! キキ!」
文 「・・・インドのガイドブック・・・って、言ってる」
文ちゃんの通訳に、手元の本に視線を落とす。
(あ・・・ホントだ・・・)
主 「お気遣いいただいて、ありがとうございます。 ・・・でも・・・どうして梅宮さんが
インドのガイドブックを・・・?」
コウキ 「・・・インドにはサルの神様がいるんです」
主 「サルの神様・・・ですか?」
コウキ 「はいです。それを寝る前にイゾウにお話するため本を買ったんです。
それがたまたまガイドブックで・・・」
文 「インドって確か西遊記の天竺のことで・・・その神様がモデルになったって
説もある」
主 「へえ・・・」
コウキ 「・・・そうなんですか。それは初耳です」
そのとき、イゾウが主人公の身体に飛び移り、主人公の手元の本をのぞき込んだ。
主 「あ・・・イゾウも一緒に行く?」
からかうようにそう言うと、イゾウはくりくりとした瞳で答える。
イゾウ 「キキッキ!」
コウキ 「ダメです! オレ、イゾウがいないと寂しすぎるです・・・!」
彼がそう言うと、イゾウはパッとコウキの身体に飛び移り、ギュウッとコウキに
抱きつくようにした。
イゾウ 「キー・・・」
文 「・・・俺もって言ってる」
コウキ 「イゾウー・・・!」
抱き合う2人を前に、主人公はなんとなく頬をゆるませる。
(ふふ・・・本当に仲がいいんだから・・・)
文 「・・・○○、現地へ行ったら、これ、着てね」
主 「あ・・・これって、サリーでしたっけ?」
(インドやネパールの民族衣装なんだよね・・・)
主 「じゃあ、栗巻さんはこっちですね」
主人公はそう言いながらターバンを巻いた男性の写真をさすと、
文ちゃんはコクンとうなずいた。
文 「・・・ん、ターバン、楽しみ」
コウキとイゾウが抱き合う隣で、主人公と文ちゃんはそっと笑顔を交わすのだった。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
文ちゃんとインドへ発つ日。
主人公たちは、創ちゃんとちーちゃんとともに空港へとやってきていた。
ここで、ちーちゃん&創ちゃん&文ちゃんのトークが入ります。
創 「どううして俺たちが、こいつらの見送りをしないといけないんだか・・・」
ち 「俺が気乗りしているように見えるか、宝来さんに頼まれたんだから仕方が
ないだろう」
(う・・・)
背後でボソボソと話す2人に、主人公は振り返って声をかける。
主 「すみません。お手数おかけして・・・」
ふたりは車を出してくれただけでなく、主人公たちの荷物を運んでくれている。
ち 「いや・・・たくさん荷物もあったわけだし」
そう言って笑みを浮かべるちーちゃんの横で、創ちゃんは不満そうに唇をゆがめた。
創 「ホントなら桜庭さんや翔吉の役目じゃないすか」
ち 「仕方がないだろ、ふたりはもう帰省しちゃったんだし・・・
まあ、ふたりとも見送りに来たいって残念がってたけどな」
創 「ったく、なんで俺が・・・」
その言葉に文ちゃんがボソリと言う。
文 「・・・別に頼んでない」
すると、創ちゃんの眉毛がピクリと動いた。
創 「お前なー! こんな重い荷物、持ってきてやってるのに・・・」
文ちゃんは無表情なまま、創ちゃんが持っていたカバンを奪うようにする。
文 「もういいって。車だけなら、別にキクさんだけでよかったし」
創 「お、おーまーえーなあ! いい加減にしろよっ!」
怒りでみりみる赤くなっていく創ちゃんを前に、主人公はそっと息を吐いた。
(あーあ、こんなところにまで来てケンカなんて・・・。でも、インドへ行ったら、
ケンカも出来なくなるんだしなあ・・・)
ふたりのやりとりを見つつぼんやりそう思っていると、ちーちゃんがそっと
耳打ちをしてくる。
ち 「・・・もし、インドで何かあったら、君だけでも帰っておいでよ?」
主 「え・・・?」
ち 「・・・慰めてあげるから」
ちーちゃんの冗談にどう反応していいかわからないでいると、ふいに文ちゃんが
やってきて背後から抱きしめられた。
文 「・・・キクさん、変なこと言わないでくれる?」
文ちゃんの目が怒ってる・・・(°д°;)
年上のちーちゃんに言っちゃうってすごいね・・・
ち 「変なことは言ってないけど?」
相変わらず不敵な笑みを浮かべて言うちーちゃん( ´艸`)と文ちゃんの間で、
パチパチと火花が散った。
創 「まったく・・・桜庭さんとだけじゃなくて。菊原さんともかよ。そんなに
大事なら金庫に入れてかぎかけとけっての!」
文ちゃんがすねて、先に行っちゃったよ・・・
創 「まったく・・・面倒くさいヤツだよな。なんかカバンからも変な音がしてたし・・・
いったい何を持っていく気なんだか」
(変な音・・・?)
ち 「もっとも清田に面倒くさいなんて言われたら、ますます機嫌が悪く
なりそうだから、先に行ってくれて良かったのかもしれないが」
創 「それって・・・どういう意味すか・・・!?」
主 「あ、あの、それじゃ・・・失礼します」
不穏な空気を察して遮ると、ふたりはやわらかい表情を浮かべる。
創 「・・・ま、がんばれよ」
ち 「気をつけて」
主 「はい。送ってくださってありがとうございました」
結局は、みんな主人公に甘いんだよな・・・( ´艸`)
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
長い長い移動時間の末、やっとたどり着いたインドの街並み。
空港からタクシーで移動して主人公と文ちゃんは、宿泊予定のホテル近くまで
やってきていた。
夕暮れ時のせいか、道を行き交う人の姿はちらほらとした程度。
主 「やっぱり空港の辺りとは違って、外国って感じがしますね。
・・・当たり前ですけど、日本とは雰囲気がまったく違って・・・」
見渡せば、雑多な建造物やサリーを着た女性が目に入る。
主 「そう思いませんか?」
文 「んー・・・」
はっきりしない返事の彼は、インドの町並みを見つめたままぼんやりとしていた。
(もしかして、もう何かを写すことを考えているのかな?・・・それとも、お腹がすいたとか・・・)
主人公はそっと彼の腕に触れた。
選択肢 ・・・写真のこと
(やっぱり写真のことかな・・・日本でもかなり不安だったみたいだし・・・)
主 「栗巻さん、いい写真が撮れるといいですね」
文 「・・・ん、そうだね」
彼はそう言いながら、主人公の手をギュッと握ってくる。
主 「そういえば、どんな写真を撮るつもりですか? 植物とか・・・?」
すると彼の口角がゆっくりと上がっていく。
文 「・・・秘密」
主 「ええ? 少しくらい教えてくれてもいいじゃないですか」
文 「・・・それは、あとのお楽しみ」
ふと見れば彼のやわらかい笑顔。
主人公はそのまま彼に引き寄せられ、抱きしめられた。
文 「・・・ありがと」
主 「え・・・?」
文 「・・・俺のワガママで・・・ここまで着いてきてくれて」
主 「栗巻さん・・・」
改めてお礼を言われた主人公は、なんだかくすぐったいような気持ちになった。
主 「そんな・・・心配でしたし、それに、栗巻さんのゼロに戻りたいって言う気持ち、
痛いほど伝わってきていましたから・・・」
文 「・・・そっか。・・・やっぱり俺のこと、一番わかってくれているのは○○なんだな・・・」
そう言いながら彼は目を細めると、主人公のおでこに唇で軽く触れてくる。
主 「栗巻さん・・・・」
その長いまつげが揺れると、彼は自分のおでこと主人公のおでことコツンと合わせた。
唇と唇が触れ合うまで、あと1センチほど。
文 「○○・・・」
まぶたを閉じようとしたそのとき。
ゴトッと何かが倒れる音がした。
(え? な、なんだろ・・・?)
主 「な、なんの・・・」
文ちゃんはハッとした表情で、主人公から手を離した。
文 「あ・・・そうだった」
彼はあわてたようにカバンに近寄り、彼はチャックを開いた。
すると、中から出てきたのは・・・。
?? 「ウッキーッ!」
主「ええっ!?」
聞き覚えのある鳴き声・・・そしてその姿。
そこには、日本にいるはずのイゾウがいた。
主 「イ、イゾウ・・・?」
主人公がそうつぶやくと、イゾウはそれに応えるように片手を上げる。
イゾウ 「キッキ!」
そして、初めてのインドに歓喜が増したのか、イゾウは主人公と文ちゃんの周辺を
飛び跳ねていた。
それを見つめる文ちゃんの表情はニコニコうれしそう。
(いったい、どうして・・・)
主人公はわけがわからないままに、その様子を見つめるのだった。
~そして・・・コウキからメールが届きました~
Title: イゾウがいないです!
オレがアルバイトに行ってる隙に、イゾウがいなくなったです!
部屋も四つ葉荘も、管理人さんとガンコさんに手伝ってもらって、くまなく
探したんですが、まったく見つからないのです・・・。
あ、ブラック王子は、笑うだけで手伝ってくれなかったです。
まさかですが、イゾウ、インドに行ってたりしないです?
オレ、イゾウがいないと・・・
早く見つけないと、寂しすぎて、寂しすぎて泣きそうです・・・。