描かないことの意味《改訂・再掲》- The value of not drawing - | 塾長の日記

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“描かない”ことの意味を考えながら描くということ…。

 

 

以前から言っている 『描かないことも描くことのうち』 という私の持論の押し売りでもある…、かな?

 

 

 

まずは、いわさきちひろ作品集5 『むらさきいろの童画集』(中期童画集)の中のこの作品を見てもらいたい。

 

 

 

その上で、描きたいところ、伝えたいところと、それを引き立てる“描かないところ”について考えてほしい。

 

例えば…

右のページもすべてこの絵の一部であること。
描かない部分も、描くべき部分以上によく考えられていること。
対比によって表現がよりドラマチックになること。

などなど、見てもらいたいこと、考えてほしいことなど。

 

 

 

 

いわさきちひろさんは、昔からずっと気になる存在だった。 

 
そして、私自身が絵を描く人になった今でも、変わらずずっと気になる存在だ。 その絵の持つ卓越した描写力、観察力はもちろんだし、水彩画であることも大きな理由だと思う。 
 
 
でも、もっと気になるところは、紙の白が多く、筆数が少ないのに、奥深い表現が成立していること。そして、それに対する尊敬と嫉妬が同居したような不思議な感覚…。
 
 
以前、ある生徒さんが、いわさきちひろ美術館に行った時、ちひろさんが 『絵本は俳句に似ている』 と言っていたことを知り、「画塾と同じことを言っている」と思ったそうだ。 
 
それを聞いて、私も何か腑に落ちた感があった。 
 
常々私は、紙の白を生かすこと、筆数を減らすこと、イメージをしっかり持って臨むこと、描くところと描かないところを強く意識すること、描かないことを真剣に考えること… などなど、繰り返し言ってきている。 
 
 
その根底には俳句的 “そぎ落とし” に通じる取り組み方の重要性があったのだと思う。 
 
 
いわさきちひろさんのサイトには、こんな記述がある。
 
ちひろは、世阿弥が著した芸術論『風姿花伝』にも共感し、画用紙の端に「惜(せき)墨(ぼく)」「捨(すて)技(わざ)」ということばを書き写しています。“業(わざ)を捨(す)て”、“墨(すみ)を惜(お)しむ”という言葉は、ちひろの“引き算”の考え方をあらわしています。

あえて描かないことで、より深く、想像が広がる表現を目指していたことがわかります。

 
 
 
 
『説明』するのではなく、
『感じさせる』ということ。
 
 
 
 

とてもいい本。
いわさきちひろ作品集
 
 

 

 

 

 

 

 

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