絵の描き手は、自分の絵にとっての“監督”や“指揮者”と言っていいだろう。
原作や原曲を“解釈”し、“演出”して作品にしていくのが“監督”や“指揮者”であると同様に、絵を描く人はその絵に関しての全権を握る“独裁者”だ。
絵の中に限っては、民主主義は成り立たない。絶対的な独裁者(作者)が思いのままに依怙贔屓し、誰とも協議せず勝手に描いてもいい。その際、現実を捻じ曲げても構わない。いわゆるアーティスティック・ライセンス(詩的許容または芸術的許容)と言われる特権だ。
絵は基本的に、
どう描いても自由だし、
失敗しても誰も困らない。
すべて“自己責任”
“あるがまま”ということで、“原作”に忠実に、あるいは“オリジナル・スコア”に忠実に、という選択肢もあるが、そこに“自分”を介在させる方が創造的だし、なにより達成感や充実感があって私は好きだ。
“観たまま”をそのまま描くだけのものだとしたら、“上手(うまい)”か“下手(へた)”かだけになってしまう。
もし絵がそれだけだったら、つまらないと思う。
“自分”の解釈と演出を加え、自分が観たい絵、見せたい絵ができたらうれしさひとしおだと思うが、いかがだろうか?
音楽も同じだね。
大雨のNYタイムズスクエア。晴れた日に現場でも描いたが人が多すぎて途中で断念。雨の方が都会の情緒を表現できるのでは?と思い、ほぼ“演出”で描いてみた。
タイムズスクエアにて
実際には曇りで陽射しがなく影もない状況でも、光の方向を想定し白い壁に影を落とすことによって明るい週末感を演出するのも楽しい。
ベトナム・ハノイ、アプリコットホテル前
私は現場で描くのはもちろん、写真を参考にして描くこともある。
でもそれは“写し取る”ために使うのではなく、“見たい絵”を描くための“参考”として使っている。
絵を見た瞬間に“元の写真”を連想させるような絵は面白くないと思っている。
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