輪郭線が邪魔《改訂・再掲》-Contour lines get in the way- | 塾長の日記

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私が“境界”と聞いて最初に頭に浮かぶのは国境だ。


※これは雰囲気のある水彩を描くための、一つの描き進め方の提案。 

 

さまざまな“境界”の中で、ハッキリしていそうでハッキリしていないのが国境ではないだろうか。地図上でははっきりと線引きされている国境だが、電波や空気(気流)や海流は全く関係なく“国境”を越えていく。 

 

インターネットに至っては、国境などないに等しい。だから、政治、宗教、民族、思想などなどのあらゆる“境界”をないモノとして情報が飛び交うようになり、それぞれの独立性や独創性はなし崩しになっているのが“今”だと思うし、それによってまったく新しいUNIONができつつあるのも事実だと思う。 

 

 

 

さて、絵に関してはどうだろう。絵画の場合の“境界”と言ったらまず思い浮かぶのは“輪郭”だ。 子供のころからの習慣として、色を塗る前に鉛筆で下書き(線画)を描いてから色を塗る癖が付いている方がほとんどだと思う。

 

 

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輪郭線は境界線。

 

この“線のおまじない=結界”は超強力で、どうしてもはみ出さないように細心の注意を払っている自分に気づく。 これが画面全体を支配すると、とてもかたくるしい絵になってしまう。  

 

 

 

 

私は、“輪郭は形のほんの一部”だと思っているので、「輪郭はあってもなくてもいい、必要な時だけ際立つ輪郭がドラマチック!」と考えている。 

 

それを絵に表す時、『スモークの中から現れる演歌歌手』を想像したりする。 

 

観客とは別の空間にいるのがスターだ。 だから、ステージ上は舞台美術や脇役のダンサーなどで演出されている。でもたくさんの脇役や派手な装飾でスターが埋もれてしまうこともあるので、スモークを炊いたり暗転してスポットで浮かび上がらせるわけだ。 

 

 

スモークが晴れる、スポットが当たるということは、ある意味で“輪郭(境界)”が際立つことでもある。 

 

だから、最初は輪郭のないモヤモヤした色の下地を作っておいて、後から必要なところだけ鉛筆で輪郭を描いて“彫り起こすように”際立出せていったらどうだろう、と思うのだ。

 

 

 

あるところはモヤモヤなままでもいいかもしれない。ところが最初にしっかり輪郭を描いてしまうと、もうその結界の呪縛にあってモヤモヤにはできなくなってしまうのだと思う。 

 

このモヤモヤが“雰囲気=Atomosphere”の重要な要素であることを説明している教本はないかもしれない。そして、実はこのモヤモヤこそがさまざまな“境界”に、というか“境界”だからこそ必要なんじゃないかと思うのだ。

 

そのあいまいさが心地よさの源なんじゃないかと。

 

放射性物質が気流に運ばれて境界を超えるのは問題だけど…。 

 

 

ということで、私の“演歌・スモーク理論”、何かの参考になれば幸いです。

 

 

 
 
 

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