アニメ、ダンダダン2期(18話)での一幕が話題となってる。
今視聴中なのでレビューはまだしないけども、
メタラーとしてどうしても伝えたくなってしまった。
作中では、とあるビジュアル系メタルバンドが登場。
HAYASiiと名乗る彼らには、霊感こそ1㍉もないのだが、やっている音楽は本物で、幽霊?にすら影響を及ぼすほどの力があるという。おもむろに楽曲「Hunting Soul」の演奏が開始されるわけだが、主人公のオカルンとモモもポカーンとしてる…
「おはらいだぁぁぁぁ!!!!!」
!!!???
突如として爆音と共に撒き散らされるハイスピードパワーメタル。(ジャンル的にも)日本の一アニメがやっていいレベルとは思えないほどの高クオリティな楽曲に視聴者も度肝を抜いたことだろう。
ボーカルに声優の谷山紀章(GRANRODEOというユニットで音楽もやってる)、ギターはマーティ・フリードマン(元メガデス)、ベースはわかざえもん(East of Eden)、ドラムはマーティ・フリードマンのツアードラマーやZIGGYでも活動してるCHARGEEEEEE…が担当してたりと、日本のアニメの、1話のたった数分に登場するにはあり得ない程のスーパーグループなのである。
音楽やバンドをメインとした作品でさえ、ここまでの面子はさすがに揃えられないだろう…
そんなこの曲が今、めちゃくちゃ話題になってる。後にYoutubeにてリリックビデオが公開されると、(現在までに)650万再生を記録。この再生数はMETALLICA等の世界的なメタルバンドが新MVを発表したとしても達成するのが困難な数字である。
しかしこの曲、問題があるのだ。
このYoutube動画に、ある方がコメントを残した。
日本のビジュアル系、ヘヴィメタルシーンの先駆者といっても過言ではない、XJAPANのYOSHIKI様である。
「この曲、XJAPANに聞こえない?ファンのみんな、どう思う?」「製作陣は事前に一言言ってくれてもいいのに」「弁護士からも連絡きた。著作権侵害の可能性があるとか。どうなるだろね」
YOSHIKI様の主張は概ね正しい。ハッキリ言ってこの「Hunting Soul」、誰がどう聴いてもXJAPANの「紅」を意識して作られてる。というか、ダンダダンの製作陣もそれを特に隠そうとはしてない。
まず彼らのビジュアルだ
笑
わかる人ならわかるだろう、初期のXJAPANである。
思いっきり、寄せにいってるw
メンバーは左から
パターソン、ヨシキチ、トシロウ、ヒデジだ
(PATA、YOSHIKI、TOSHI、hide…笑)
ついでに言うと、Hayasiiというバンド名だが、
日本の【お囃子】から来ていると作中で語られているものの、YOSHIKI様のの本名が林佳樹(はやしよしき)であることも偶然ではないだろう。(てゆーかドラム担当のヨシキチ、首にコルセットしてるしw)
お分かりかと思うが、これで「偶然なんです」はさすがに無理があるだろう。明らかにバレるのを承知で作ってるwそう、リスペクトを思いっきり込めた、オマージュ楽曲であり、パクッてるわけではないのだ。パクッてると言えば、「紅」でさえStratovariusのとある楽曲に思いっきり似ているが…まぁこれについては割愛…
話題となっているのが、
YOSHIKI様の反応である。
ハッキリ言って、言ってることは正しいんだが…
「ファンのみんな、どう思う?」というのは、自分は動きたくない、けど同情してほしいからファンを味方につけて対応してもらおう、という考えが見え透いており、これがかなりの人から「ダサい」「いつからこんな小物に」と批判されている。
その後の対応もまた陰湿だったりする。
「事前に一言言ってくれればいいのに…」
「著作権侵害の可能性があるみたいだよ…」
とモジモジと中途半端な発言…
その後、親日家のマーティ・フリードマンがわざわざこのYOSHIKI様の投稿を引用リツイート。「はい、私たちはXJAPANの愛と尊敬からこの楽曲を作成しました」とカミングアウト。自身と同じく世界的なアーティストの発言にYOSHIKI様も「また一緒にセッションしましょう!」と返答した。
この事態は、YOSHIKI様が特に悪いことしてないけど「お騒がせしました」と投稿したところでとりあえず鎮静化。なんなら「空気読めない」というレッテルまで貼られてしまった。しかしこの経緯をもってこの「Hunting Soul」は凄まじい再生数を記録することになったのだ。
しかし、鎮静化したはずなのに
今週に入ってまたYOSHIKI様からこんな発言が。
原文
「よく考えたけど、これ俺のLast Name?自殺した俺の父の名前?著作権や肖像権は色々な会社が動いているので任せているけど。この件は直接話し合う?」
「自分のことを書かれた本が出版されるまでは、自分は“Yoshiki”だけを名乗っていた、父が自ら命をたった、と言う事実と今に至るまで、むきあえないまま生きてきたから。とても複雑な気持ち、みんな、悪気わないのはわかってるっけと…心が痛いしなぜか涙が出た」
「私は長い間、自分の苗字が嫌いでした。もしかしたら今でもそうかもしれない。なぜなら父は私を置いて自ら命を絶ったから。私は彼を愛していたのに。苗字を変えたいと思っていたけど、家族は変えなかった。とても複雑な話」
結局根にもってるやーつ
それも、かなりヒステリックな方向に…
【HAYASii】というバンド名は、作中(原作漫画)でもある通り、日本の【お囃子】から来てる。お囃子とは、日本の伝統芸能において、音楽や効果音を用い、それを演奏する人のことである。実際作中でも、このバンドの扱いはそういうものだ。もちろん、オマージュなのだからYOSHIKI様の本名である「林」とかけている部分もあるかもしれないが、それを証明することは事実上不可能であーる。
なのに、わざわざ「自殺した父」というワードを持ち出し、自身の苗字が「林」であることに対する悩みや経験を公表し、またしても同情を誘おうと…。これに対し、またしても批判が殺到してしまってるのだ。
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では、この件は実際に著作権の侵害になるのか。
正直、厳しいと思う。
詳しくないけど。
著作権侵害というのは、個人または会社(グループ)で保有・管理している著作物を、許可なく侵害することを指すっぽいんだけど、この「Hayasii」というバンドやビジュアルがXJAPANを、「Hunting Soul」が紅を、侵害している部分はどこにあるんだろうか。
思いっきり寄せてる、それは見たら、聴いたら、誰でもわかる。てか作曲した側(マーティ・フリードマン)が「XJAPANへの愛と尊敬からこれを作った」と認めてる。
ただ、メンバーの髪型やコルセットを含めたビジュアルに著作権なんてものは存在していないはずで、もっと言うと、曲が始まる前に「おはらいだぁぁぁああああああ!!!」とシャウトする部分についても、著作権なんてものは存在しないのだ。
肝心の楽曲も、確かに「めっちゃXJAPAN意識しとるメタルナンバー」のは感じられるが、似てると言えば似てるし、似てないといえば似てないのだ。
例えばどこかのバンドが、冒頭のシャウトを抜きにしてこの楽曲を世にリリースした場合、おそらく「同じような曲」で終わるだろう。歌詞やフレーズ、コード等をそのまま使ってる部分も全くないのだから。たぶん作ってるサイドも、これを映像化するにあたり、訴えられても大丈夫なラインを考えて作ってそうな気もする。
ということでみなさんも、一度聴いてみてくれ。きっとパクったとかそういうの全くどうでもよく思えるくらい、笑えるはずだから。YOSHIKI様も「めっちゃ笑える。どんどんやれ。」と発言していたら好感度爆上がりで今とは状況も印象も180度違っていたのになーと。