はめつのおうこく
★★★★☆
アマプラで視聴。2023年の秋クールアニメ。
アマゾンでは星2と辛辣な評価を受けていたので逆に気になって見てみた。
というのも、アマゾンの評価はアテにならない部分が多いのよね。悪い評価のアニメってちょいちょいあるんだけど、その原因が【単純に面白くないから】なのか【原作は面白いが、アニメ化に納得できない原作ファンがボロクソにいう】なのか、大雑把に言うとこの2つのみで、今作は明らかに後者。つまり、原作を知らない僕のような人がアニメのみを見たら「え、面白いじゃん」という評価に。
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あらすじ(wikiより)
かつて魔女と人間が共存していた世界帝国リディア。しかし科学文明が発展し魔女の力を恐れた人間族の王が魔女狩りを強行する。魔女に育てられた人間アドニスは師匠クロエとの逃亡の果てに目の前で彼女が殺される事となり、帝国への復讐を決意する。
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(ここからネタバレあり)
同系統の異世界・魔法モノとしては個人的に久々のヒット。
まず1話のあらすじがわかりやすくて良い。
なんでも、帝国リディアではかつては魔女と人間が問題なく共存しており、魔女は魔法をもって国家の繁栄に貢献していたが、文明(科学)の発展により魔女の力が不必要になった=なんか怖いんで殺しちゃおう(魔女狩り)という思考になる無理矢理感でまず笑いを誘ってくる。
文明(科学)の発展というのも、現代社会に見られるような(スマホ等の普及)ライフラインの充実のみにとどめているため、魔法の存在する異世界×現代社会というありそうでなかった時代背景が妙に斬新で面白い。わかりやすく言うと、現代社会に魔法が存在したらどうなってる?が描かれている。
特徴として挙げられる容赦ないグロ描写も、主人公アドニスの「師匠クロエを国家に殺されたことによる憎悪」や「全人類抹殺を狂ったように遂行するサイコパス」が感じられるという点においてGOODだった。主人公はこれくらいインパクトないとダメよな。
グロいと言えば終盤のシロウサギ戦もなかなかで、同じくアドニスを狙っていた美忍者2名がシロウサギに瞬殺され生首と生首によるブッチュー描写があったり、ドロカちゃんの目玉をくり抜いたりと結構気持ち悪いのだが、このグロがあってこそ、シロウサギの残忍さやイカレ具合が促進され、よりカオスな雰囲気が漂ったりする。
ストーリー的なこに関していえば、
1~6話までの展開は神がかりだったかなと。
10年の時を経て復活するや否や、魔法による容赦ない復讐を敢行するアドニス。しかし、SDAM-2という魔法無効化装置の影響で追い詰められるも、収容所に捕らえられていた魔女(ドロカやアンナ)によって月園(ルミナリア)と呼ばれる魔女の国にエスケープ。魔女狩りで絶滅の危機に瀕していた魔女たちだが、月に拠点を設けて暮らしていた。
「クロエを生き返らせる」
窮地を救ってもらい、魔法の力でクロエを生き返らせることが可能と知ったアドニスだが、感謝の気持ちは1ミリもなしで魔女たちにはかなり反抗的な態度を貫いていた。なんだこいつは…?コミュ障か…?と思ったが、実際は
魔女の国ルミナリアも、魔女狩りの報復を考えており、人間社会に復讐しようとしていた。
その方法として、地球から人間を捉え、魔法を教え込ませ武器にすると。しかし、人間が魔法を使うためにはアドニスのようにクイルを用いた記述式召還魔法しか方法がないため、クイルがどうしても必要。そしてそのクイルを作れるのがクロエだけ。つまり魔女サイドは、報復のためにクロエを復活させ利用しようとしていた。
アドニスは、魔女サイドのこの策略に気付いていた。
(この辺の展開、いいよね)
結局、クロエ復活の儀式の際、アドニスは魔女たちを騙して序盤で戦死した素直な魔法少女、ドロカちゃんを蘇らせた。
あまりにもクロエLOVEすぎるアドニスにとって、クロエを殺した国家(人間)は皆殺し確定!そんでもってクロエを利用しようとしている魔女どももぶっ殺し確定!クロエは蘇らせません!という凄まじい境地に。そんな中、転送装置を利用して軍隊(人間)が登場。アドニスVS魔女たちVS人間の三つ巴合戦が開催される。この辺のハチャメチャ具合とテンポも良かった。
中盤ちょいとアドニスとドロカによるラブコメ要素強めでダレたものの、上にも書いた終盤のシロウサギ戦はなかなか見応えがあり、シロウサギを退けた後の最終話は今後に期待が持てるようなシーンが多分に含まれていた。
強いて1つ挙げるなら、戦闘シーンなんかももう少しインパクトが欲しいところ(魔法サイドがセーラームーンみたいだしw)
先月終わったばかりなので現状では当然2期の話はないが、これはぜひともお願いしたいところ。