エラスリスの中では廉価な方に入ると思いますが、チリワインとしては高い方でしょうか、チリワインとしては高級なワインも生産する作り手なので、廉価版でも期待してしまいます。
手書きをコピーしたラベルです。本当に手書きだと凄いんですが。
畑は、アコンカグア谷のマックス・ヴィンヤードで、注意深く手摘みし、醸造してオーク樽熟成だそうです。
キャップシールはつまらないものです。
透明感のない濃いワインですが、年数が経っていないせいかコルクへの色づきは非常に薄く見えます。
開栓直後は、少し青臭い若いワインの香り、酸味と渋みはあるものの、カベルネと思えないような力強さのないものですが、果実味は濃縮したブドウジュースのように十分にあり、微かに甘みを感じるものでした。
しばらく時間をおくと、多少は樽香がするようになって、酸味は変わらずそこそこで強くはなく、たっぷりと口中に広がるまろやかな渋みが増し、果実味は十分にある状態が続きました。雑味が全くなく、若々しい感じはするものの、それ程良作ではない時の十分熟成したボルドーの1級ものに近いような上品さを持っており、それが3年しか経っていないときから10分の1以下の価格で飲めるのは、ある意味驚異的です。この作り手の上級キュベがボルドーの1級ものと比較できると言うのも十分頷けます。
ただ純粋さが前面に出てと上品過ぎるため、力強さや味・香りに複雑さはないので、その当たりがいわば人工的に感じて、物足りなく感じる人もいるかも知れません。
ちまたに溢れるやたら濃度だけが高く荒々しいチリワインとは1線を画すもので、濃度があって雑味がなくタンニンもまろやかな早飲みできるワインは、本場のボルドーでも3千円ちょっとではもちろん、1万円だしても到底見つからないと思います。
非常にコスパに優れたワインで早飲みでも十分飲めますが、10年くらい経ったらどのようなものになるのかも試してみたくなります。