[ニューヨーク 18日 ロイター] 18日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが上昇した。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を2兆ユーロに拡大することで、フランスとドイツが合意したとの英紙ガーディアンの報道を受けて値を上げた。
同紙が欧州連合(EU)筋の話として報じたところによれば、仏独首脳はまた欧州の銀行は資本増強が必要との認識で一致したほか、ギリシャ国債保有者の一段のヘアカット(債務元本の減免)でも合意した。
10月の独ZEW景気期待指数が予想を下回り、2008年11月以来の低水準となったことや、フランスの格付けをめぐり、同国がトリプルAを失う可能性が指摘されたことなどで、ユーロの地合いは当初悪化していたが、ガーディアン紙の報道や株高を受けて改善した。
その後、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、スペイン政府債の格付けを「Aa2」から「A1」に引き下げたと発表したことを受けて、ユーロは上げ幅を縮小。
ユーロ/ドルは一時EBSで1ドル=1.3818ドルまで上昇していたが、ニューヨーク市場終盤は1.3737ドルで取引されている。
フォレックス・ドット・コムのチーフストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「独仏がEFSFに5倍のレバレッジをかけ、2兆ユーロに規模を引き上げるとの報道を受けて、午後の取引で株、ユーロが上昇した」と指摘した。
ただアナリストの間では、欧州連合(EU)首脳会議で十分な対策が打ち出されないといった報道が再び流れれば、ユーロが値を下げる可能性もあるとの見方が出ている。
ドーラン氏は「EFSFの規模拡大は市場が待ち望んでいたものだ。2兆ユーロという規模は適切とみられる。ただ、メルケル独首相は以前、EU首脳会議で大型合意は予想していないとの認識を示しており、今回の報道は割り引いて考える必要がある」と述べた。
メルケル首相はこの日、今週末に開かれるEU首脳会議で、ギリシャ問題への対応策として、同国に対する債務監視団の常設化を含む「作業計画」を策定することを明らかにした。
ドイツは、国内への配慮から、思い切った危機対策の策定には消極的な姿勢を示している。
米IBM<IBM.N>の決算がさえなかったことや、ゴールドマン・サックス<GS.N>の決算が赤字になったことも、投資家のリスク志向を弱める要因となった。
ドル/円は0.04%安の1ドル=76.76円。
ユーロ圏債券市場では、ムーディーズがフランスの格付け見通しを3カ月以内に「ネガティブ」に変更する可能性があると表明したことを受けて、フランス国債の対独連邦債スプレッドが19年ぶりの水準に拡大した。
三菱東京UFJ銀行(ロンドン)の為替エコノミスト、リー・ハードマン氏は「万が一フランスがAAAの格付けを失えば、EFSFの融資能力が低下したり、融資保証を強化する必要が生じる可能性が高い」と指摘。
野村(ロンドン)の為替エコノミスト、ジェフ・ケンドリック氏は「G20首脳会議で銀行の資本再編について具体的な行動が取られなければ、ユーロは急落し、1.30ドルを割り込むだろう」と述べた。 【関連記事】
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