メディカルジェットを全国に! | よこやま信一公式ブログ

メディカルジェットを全国に!

2018年2月に森成之北海道議会議員から「北海道患者搬送固定翼機運航事業」の存続が難しくなっているとの連絡を受けました。この事業は、北海道が「メディカルウィング」と呼んでいるジェット機(メディカルジェット)を使った医療搬送で、道議会公明党が推進し、2017年7月末から運航が始まりました。

数日後に森道議に同行して北海道保健福祉部で、運航開始後の実績や搬送事例などの説明を受けました。広大な北海道では、第二次医療圏内の医療資源が偏在しているため、地域の医療機関では対応できない高度・専門医療を必要とする患者を搬送する必要が生じます。こうした患者を適切な医療機関に搬送するために、国は、へき地保健医療対策予算の中で北海道のメディカルジェットの運航費を支援してきました。

2017年度の予算は約1億円で搬送実績は21件でした。国は、道に対し運航費の減額を問い合わせてきました。搬送実績に対する予算額としては多すぎるのではないかというのです。メディカルジェットは、ドクターヘリのような救急搬送ではなく計画的な搬送を行っています。搬送要請があれば運航管理病院と搬送元医療機関、搬送担当航空会社などとの調整や駐機場所の名古屋空港からの運航可否の判断を行い、搬送のたびにチャーターする仕組みです。国庫補助は、距離に関係なく定額で移植用の臓器搬送より低い額でした。

 

私は北海道の運航状況を背景に、メディカルジェットを健全に運航できるよう救急・周産期医療等対策室と話し合いました。そして、2018年3月の予算委員会でメディカルジェットを取り上げることにしました。現行の「へき地患者輸送の実施~メディカルジェット(へき地患者輸送航空機)運行支援事業」の実施主体は都道府県であり、北海道以外の都府県も実施できるようになっています。各県の医療圏域内においてあらゆる高度な専門医療を提供することは難しいので、医療圏域以外の医療を求めるニーズは全国にあります。そこで、都道府県を超えた搬送体制を整備すべきと主張しました。加藤厚労大臣(当時)からは、どこに住んでいても適切な医療を安心して受けることは大事な観点なので必要な取り組みを進めるとの答弁がありました。

これによってメディカルジェットの運航は2018年度以後も続くこととなりました。運行支援事業の予算額は、2018年度から倍増し約2億円となり、現在(2020年度)まで続いていますが、実施主体は北海道だけにとどまっています。国は、離島を多く抱える県の参加を念頭に置いているようですが、質問で取り上げたように都道府県を超えた運航圏の在り方を模索すべきであり、今後もメディカルジェットの活用推進を図っていきます。