カムチャッカ会議1 | よこやま信一公式ブログ

カムチャッカ会議1

2019年9月1日に日ロ友好議員連盟の一員としてカムチャッカ会議に出席しました。訪問団は自民党4名、立憲民主党2名、公明党2名、希望の党1名の計9名。カムチャッカ会議はペトロパブロフスク・カムチャツキーにあるスィプチカと呼ばれる知事公邸で行われました。ペトロパブロフスク・カムチャツキーまでは、成田空港からウラジオストック空港まで約2時間半、そして、ウラジオストクからカムチャッカ半島のエリゾヴォ空港まで3時間半の合計約6時間の行程。時差は3時間あります。

 

私たちが訪問したのは安倍総理とプーチン大統領が出席した東方経済フォーラムの直前で、ウラジオストク空港はすでに多数の関係者が来ており大変に込み合っていました。ウラジオストクからロシアのオーロラ航空に乗り換えてエリゾヴォ空港に到着。空港にはロシア連邦院のネヴゾロフ議員が出迎えに来てくれました。ネヴゾロフ議員はカムチャッカで水産加工場やホテルなど幅広く事業を展開されている実業家です。空港からは彼が手配したバスで、彼が経営するホテル・ミステリー・カムチャッカに移動しました。

 

到着後、すぐにスィプチカに移動して、カムチャッカ会議が始まりました。テーマは「地域間・自治体間協力」ですが、ロシア側の意向としてはカムチャッカ観光のアピールをメインに考えているようでした。冒頭にイリューヒン知事から挨拶があり、ネヴゾロフ議員がオゼロフ議員に代わりに連邦院対日議員グループ代表に就任することが報告されました。続いて、上月豊久ロシア全権大使、逢沢一郎日ロ友好議員連盟会長、ラエンコ・カムチャッカ地方議会議長、ネヴゾロフ連邦院議員の挨拶と続いたところで、イリューヒン知事からロシア側から5本の話題提供を用意しているが、まず「カムチャッカと日本:観光における国際協力」をテーマにしたいと提案がありました。その他の話題は懇親会で話し合おうというのです。

 

 確かにこの時点ですでに2時間近くが経過しており、休憩なしで会議を継続しても終了予定時刻を大幅に超えそうだったので日本側の議員もみな了承。早速にストラトノヴァ・カムチャッカ地方観光対外関係庁長官からカムチャッカのエコツアーの取り組みが紹介され、日本語で制作されたプロモーション動画が上映されました。ヒグマやアザラシなどの野生動物、噴煙を上げる活火山やダイナミックな間欠泉などの大自然の映像がまとめられており、日本語のナレーションも違和感がなく見応えのあるものでした。

 

カムチャッカ半島は日本の面積の1.2倍以上の46.4万㎢。その広大な半島に約31.7万人しか住んでいません。手付かずの大自然のなかでのトレッキング、釣り、サーフィン、スキーなどのアクティビティに、多くの日本人も魅力を感じるとは思いますが、成田から乗り換えを含めて片道約6時間はやはり長いと感じました。日本からのクルーズ船が入港していますが、日本人観光客の誘致には利便性を含めもう少し準備が必要だろうと率直に思いました。

 

意見交換は、日本側からだけの発言となり、私からは、東北・北海道沿岸では地球温暖化の影響により、従来、漁獲されていた魚種が急速に獲れなくなっている。そのため、水産加工原料が不足する深刻な事態に陥っていると報告。漁業は、流通、冷蔵、加工、観光、飲食業など幅広く様々な産業に影響するので、日ロ間、とりわけ漁業を基幹産業としているカムチャッカとは、今まで以上に情報交換を密にすべきであり、日ロ双方に貢献できることが多いのではないかと意見を述べました。ロシア側出席者の反応はよく、関心が高いとの印象を持ちました。後ほど、分かったことですが、ロシア側出席者には水産関係者が多く、漁業と観光にはもともと関心が高かったようです。