【乳がん術後の補助療法を最適化する為に】
画一された治療から、
治療を個別化、最適化して、無理や無駄を無くそうという動きはやはりこれから加速していきそうです。
早期寄りの乳がんの場合、術後に抗がん剤をするかどうかは必ず議題になります。
エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン受容体陽性であった場合、
タモキシフェンやアリミデックスなどのホルモン治療が治療の選択肢として有力となりますが、
タモキシフェンなどが自分のがんに、本当にきちんと効いてくれるのであれば
何も副作用がきつく、QOLが著しく低下する抗がん剤までしなくてよいかも知れません。
タモキシフェンも、吐き気やだるさなど副作用がある薬ですが、タモキシフェンが自分のがんに本当に効くと確信できれば、
五年間頑張って、きちんと飲むことも継続出来そうです。
【オンコタイプDX検査の目的】
本当に効くのか?
デメリットを上回る、ベネフィット(利点)があるのか?
最終的には自分で判断し、
自分で選択するしかないのですが、
主治医に聞いても、
やってみないとわかりません
としか普通言われません。
でも、最新の乳がんゲノム検査で、
それがわかるとしたら?
抗がん剤を受けなくていいのではないか、できたら受けたくないと思っていた方には、
自信を持って「受けません」と言える強い後押しになると思います。
【個別の乳がんの遺伝子を詳しく調べる】
乳がん遺伝子は16種類、報告されています。
①増殖系
・KI67
・STK15
・Survlvin
・Cyclin B1
・MYBL2
②浸潤系
・Stromelysin3
・Cathepsin L2
③HER2系
・GRB7
・HER2
④エストロゲン系
・ER
・PR
・Bcl2
・SCUBE2
⑤その他
・GSTM1
・CD66
・BAG1
これら16の乳がん遺伝子と、5つの標準遺伝子、
合わせて21の遺伝子を詳しく調べることにより、
その患者さん個別の
「オンコタイプ」がクリアになります。
【再発スコアを算出する】
オンコタイプDXでは、それらを総合的に判断し、
再発(RSスコア)を算出します。
0〜100で数値化します。
低リスク群(〈18 )
中リスク群( 〈30 )
高リスク群( 31以上)
というようにざっくり判断をすることができます。
とても簡潔明瞭ですが、これは世界的にもエビデンスレベルの高い、信頼できる数値で、
治療の指針を決めるのに非常に役立ちます。
【今後10年間の再発リスクがわかる】
10年間の再発リスクについても、
AI=アロマターゼ阻害薬
TAM=タモキシフェン
【どんな方にオススメか?】
オンコタイプDXの検査は、
・術後、抗がん剤をするべきか、悩んでいる早期乳がんの方
・自分のがんのタイプが、詳しく知りたい方
・治療の効果予測をきちんとした検査で明らかにしたい方
・自分で納得して、治療を選択したい方
・検査費用を見て、それだけの価値はあると感じた方
にオススメです。
ただし、オンコタイプDXは乳がんなら誰でも受けられる検査ではありません
・2センチ以下の浸潤乳がん
・ホルモン受容体陽性
・HER2陰性
・リンパ節転移がないか、あっても3個以下
の方しか、検査を受けれません。
適正があるか、医師とよく話し合う必要があります。
【タイミングも重要】
検体が必要ですから、
術前に生検したタイミングや、術中、術後にがん細胞の病理検査をしたタイミングがベストです。
医師になるべく早く相談しておくとスムーズだと思います。
因みに、
検査結果が来るまで3〜4週間かかります。
【乳がん以外では?】
残念ながら、オンコタイプDXによる、がんゲノム検査は日本ではまだ乳がんしか実用化されていないようです。
アメリカでは、前立腺がんや大腸がんでも応用されているようです。
【乳がんゲノム検査の価格について】
この画期的な乳がんゲノム検査、
もちろん自費です。
40〜50万の費用がかかるようです。
皆保険に守られた日本人の感覚では、高い!と感じる方が多いでしょう。
医師の言われるがままに治療を受けるほうが、楽ですし、難しいことを考えずにすみます。
検査の為の出費も抑えられますが、
10年と言うような、長期的なスパンで考えたら
知らず知らず、これ以上の無駄な出費をしているかもしれませんよね。
価値観は様々ですが、
治してもらうから自分で治す、
要するに、
言われるがままの受動的医療から、
主体的医療への価値観の転換が必要な時代が来ていると思います。
【ゲノム検査の現在、そして未来】
日本は皆保険制度で、医療を保証されていますが、アメリカでは自己責任となり、いざがんなどの病気になると莫大な費用がかかります。
効くかどうかもわからない治療に、支出を許す余裕はなく、治療効果の見極めは死活問題。
この検査は、そんなアメリカで発達した最先端の技術です。それも、ほぼ完成されたものです。
自分の価値観や意思、希望よりガイドライン、
医師の意見が優先されるのが日本です。
CTC検査にしても、このような、
治療効果の見極めや、侵襲のない予後予測などは国民皆保険制度がある限り、日本では発達しないでしょうね。
病院経営や製薬会社との絡みの問題も、出てきます。(この辺は、糖質制限と同じ壁ですね)
しかしいずれ、日本も今のように悠長に構えている場合ではなくなり、医療の適正化や無駄な医療費の抑制に真剣にならざるを得ない時代がきます。
時間はかかるかもしれませんが、その時には、このような検査はきっと普及するのではと思います。
乳がん、治る時代になって欲しいですね。
まずは、食事からですよ。
Mrs.GAGA
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