754『ほの蒼き瞳』→士官学生時代のポーも捜査協力 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

画面に実在した著名作家エドガー・アラン・ポー(1809-1849年)が

登場する推理サスペンス作品ということもあって、その原作はてっきり

ポーの小説だとばかり思い込んでいました。 

ところが、

~原作はルイス・ベイヤードの小説『陸軍士官学校の死』と案内されて

いて、ちょっとばかりビックリ。

 

下の肖像の通りに、いささか特異な風貌を持つポーの存在・活動が作品に

違和感なく溶け込んでいたということなのかもしれません。

 

   エドガー・アラン・ポー

 

劇中の年代は1830年なっていますから、計算すれば1809年生まれのポーが

二十歳を少し超えた頃のお話という設定になります。

実際の経歴も、このように案内されています。

~1830年7月、ポーは入学試験を経てウェスト・ポイント陸軍士官学校に入学した~

 

そこの登場する「士官学生だった若き日のポー」が、その風貌といい

雰囲気といい実に画面に溶け込んでいて、それもこの作品の楽しさの一つに

なっています。

 

お話の展開は、

~1830年のある冬の日の早朝、ニューヨーク州ウェストポイントにある

 陸軍士官学校において起こった士官候補生惨殺事件をひそかに調査するため、

 世の中に嫌気がさした様子の元刑事が雇われる。

 沈黙を守ろうとする士官学生たちに阻まれるなか、元刑事は一人の若い

 士官学生に捜査協力を求め、共に事件の謎を追っていく~

 

その「若い士官学生」こそ、後に世界的作家として有名になる

エドガー・アラン・ポーでした。

 

蛇足ですが、日本において探偵小説の草分けとなった作家のペンネーム

「江戸川乱歩」(えどがわ・らんぽ/1894-1965年)は、このポーの

名のもじりになっています。

 

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「ほの蒼き瞳」 2022年 監督:スコット・クーパー/  

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左から)トビー・ジョーンズ/クリスチャン・ベール/

    ジリアン・アンダーソン/ハリー・メリング/

 

出演は、捜査を依頼される元刑事に、

2010年『ザ・ファイター』(監督:デヴィッド・O・ラッセル)

でAW助演男優賞に輝いたクリスチャン・ベール

その他にもAW演技賞には何度かノミネートされています。

 

注目の「エドガー・アラン・ポー」役には、

『ハリー・ポッター』シリーズのダドリー・ダーズリー役で知られる、

ハリー・メリング

 

その他にも、

TVシリーズ『X-ファイル』でFBI捜査官ダナ・スカリー 役を演じた

ジリアン・アンダーソン

 

2017年『オリエント急行殺人事件』(監督:ケネス・ブラナー/)

などのルーシー・ポイントン

 

個性的な風貌を持つトビー・ジョーンズ

 

父親が歌手セルジュ・ゲンズブール、母親が女優のジェーン・バーキン

という家庭に生まれたシャルロット・ゲンズブール

 

『ハリー・ポッター』シリーズにもいくつか出演している

ティモシー・スポール

 

AW賞には前後7回ノミネートされており、

1983年『テンダー・マーシー』(監督:ブルース・ベレスフォード/)

で主演男優賞を受賞したロバート・デュヴァル/が、うっかりすれば

見逃しそうな小さな役で出演しています。

 

監督は、

2009年『クレイジー・ハート』で、ジェフブリッジスに待望の

AW主演男優賞をもたらしたスコット・クーパー/が務めました。

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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