615「深夜の告白」→倍額保険殺人事件 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

1927年に実際に起きた保険金殺人事件に触発されて、

作家ジェームズ・ケインが書いた小説『倍額保険』が原作と

なっています。

そのタイトル『倍額保険』とは、

~自動車など交通機関に比べて乗車中の危険率が低い

 鉄道での死亡事故が起きた場合、通常の生命保険契約の

 倍の保険金が支払われる~

という作中での設定からきています。

 

美貌の女性に出合い不倫に陥った保険外交員は、

その女性と一計を案じます。

~夫に『倍額保険』を掛けた上で、保険対象となる

  「鉄道での死亡事故」に見せかけ夫を殺す。~

 

そのための変装やアリバイ工作など、殺人は周到な偽装の

もとに仕組まれ実行されます。

結果、その死は目論見通りに、単なる列車転落事故として

処理され、保険金殺人は完全に成功するはずでした。

 

ところが・・・・。

 

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「深夜の告白」 1944年 監督:ビリー・ワイルダー  

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左から)フレッド・マクマレイ/バーバラ・スタンウィック/

     エドワード・G・ロビンソン/

 

出演は、

1954年『ケイン号の反乱』(監督:エドワード・ドミトリク)

などのフレッド・マクマレイ/

 

1937年『ステラ・ダラス』(監督:キング・ヴィダー)

1941年『教授と美女』(監督:ハワード・ホークス)

そして本作と、合計三回ものAW主演女優賞にノミネートされた

バーバラ・スタンウィック/

年配の方なら、ひょっとしたら1965年からはじまり、日本でも

人気を博したTV作品『バークレー牧場』にも出演していたことを

思い出すかもしれません。

 

保険調査員を演じたのは、個性派性格俳優とも評された

エドワード・G・ロビンソン/

こちらもまた年配の方なら、

1965年『シンシナティ・キッド』(監督:ノーマン・ジュイソン)

での堂々たる貫禄を備えた老ギャンブラー役をご記憶かも

しれません。

 

蛇足ですが、人気探偵小説家のレイモンド・チャンドラーも

カメオ出演していたそうです。

とんと気が付いていませんでした。

本作では、ワイルダーと共同で脚本を担当しました。

 

監督は、

1960年『アパートの鍵貸します』(出演:ジャック・レモン/ほか)

で、アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞を受賞し、1本の映画で

一人の人物が3つのオスカーを受賞するという史上初の快挙を

成し遂げたビリー・ワイルダー/

 

ちなみに、本作はアカデミー賞の

作品賞/監督賞/主演女優賞/脚本賞/撮影賞(白黒部門)/

録音賞/作曲賞/にノミネートされました。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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