アフリカ系アメリカ人による選挙権を求めるデモ行進を
白人警官隊が暴力で鎮圧し、多くの人々が血を流す場面が
テレビで報道されたことで、大きな衝撃を招いた、
いわゆる「血の日曜日事件」も本作では描かれています。
1965年3月7日の出来事でした。
原題の「Selma(セルマ)」とは、その流血事件の舞台に
なった土地、アラバマ州セルマを指しています。
この日のデモ隊の目的は、州都モンゴメリーまで行進を
続けることで、警官隊達が合衆国憲法違反をしたことを
アピールしようとしたものだったようです。
ところが、アラバマ州ウォレス知事(白人)は、そのデモ行進
そのものが既に公共の秩序を乱す恐れがあるものとして、
これを非難し、あらゆる手段を使ってデモを阻止することを
宣言したのです。
そして、現場では無抵抗のデモ隊を、警官隊が、棍棒や
催涙ガス、鞭などを使って追い返す混乱が展開されました。
本作は、その事件をきっかけに人種を超えた3万人を集め、
歴史を動かした世紀の大行進の模様と、その指導者となった
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(1929-1968年)の
実話を映画化したものになっています。
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「グローリー~明日への行進」 2014年
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監督:エイヴァ・デュヴァーネイ
トム・ウィルキンソン/デヴィッド・オイェロウォ
キング牧師役には、デヴィッド・オイェロウォ/
2006年「ラストキング・オブ・スコットランド」(監督:ケヴィン・マクドナルド)
2012年「ペーパーボーイ 真夏の引力」(監督:リー・ダニエルズ)
2012年「リンカーン」(監督:スティーヴン・スピルバーグ)
など、出演作も多彩です。
ジョンソン大統領役を演じたのは、
2001年「イン・ザ・ベッドルーム」(監督:トッド・フィールド)
2007年「フィクサー」(監督:トニー・ギルロイ) で、2度の
AW助演男優賞ノミネート経験を持つ、名優トム・ウィルキンソン。
ジョージ・ウォレス(アラバマ州)知事役には、
2014年「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」(監督:オリヴィエ・ダアン)
で、グレース・ケリーの夫君・レーニエ3世を演じたティム・ロス/
ほかにも、
キューバ・グッデインヅ・ジュニア/ジョバンニ・リビシ/
カルメン・イジョゴ/ディラン・ベイカーなどが顔を揃えています。
よくは知らない監督サンですが、こんな案内がありました。
~ゴールデングローブ賞監督賞およびアカデミー賞作品賞に、
ともにアフリカ系女性監督として初めてノミネートされた~
さらには、こんな説明も。
~2018年に公開される予定の映画「 A Wrinkle in Time 」でも
監督を務め、その製作費には1億300万ドルが投じられることになった。
女性の映画監督が製作費1億ドルを超える作品の監督を務めたのは
デュヴァーネイが3例目となった~
今後ますますの活躍が期待できそうな「女性監督」です。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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