かつて人気の舞台を提供し続けていた劇作家は、ここ十年来
スランプ気味で、イライラが募る日々を過ごしていました。
しかも、妻は子供が欲しくてたまらず、話題と言えばこのことばかり
の上に、家庭には「認知症」の母親もいて、その言動に引っ掻き
回される日々です。
とてもじゃないが、落ち着いて仕事に没頭できる環境ではありません。
さらには、根っからの「子供嫌い」ということもあって、今回の作品に
登場する「子供」についても、思うよう筆が進まず、これも劇作家の
イライラを増幅させる原因になっています。
そんな折、足に障害を持つ「少女」がいる家族が、お向かいに
引っ越してきました。
「隣人」になったのですから、イライラ劇作家にも世間並みの付き合いが
求められるところですが、これも「子供嫌い」のせいで気が進みません。
しかし、舞台の「子供」を生き生きと描写することでスランプを脱する
ためにも、心ならずもこの「少女」との交流を始めます。
~ああ、うっとうしい~ これが本音ですが、舞台作品のレベルアップの
ためには致し方ありません。
少女は少女で、足の障害を気にして内気になっていました。
そこで劇作家は、この「少女」にプール遊びやダンスを教えたり・・・
こうして、「子供嫌い」の劇作家と少女の間に、やや奇妙な友情?が
芽生え始めるのでした。
こうした成り行きが、嫌みのないタッチで進んでいきます。
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「舞台よりすてきな生活」 2000年 監督:マイケル・カレスニコ
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劇作家:ケネス・ブラナー/少女:スージー・ホフリヒター
主演は、「ローレンス・オリヴィエの再来」との評価も受け、事実
アカデミー賞ノミネートも経験しているケネス・ブラナー。
1989年「ヘンリー五世」(監督:ケネス・ブラナー自身)→主演男優賞
2011年「マリリン7日間の恋」(監督:サイモン・カーティス) →助演男優賞
ちなみにこの作品では、シェークスピア役者の大御所である
「ローレンス・オリヴィエ」役を演じました。
(マリリン・モンロー役は、ミシェル・ウィリアムズ)
また、テレビ映画2001年「謀議」では、エミー賞の主演男優賞を獲得
しています。
さらには、近年の活躍にも目を見張るものがあって、
2017年「ダンケルク」(監督:クリストファー・ノーラン)
2017年「オリエント急行殺人事件」(監督:ケネス・ブラナー自身)
など、大車輪の状況を呈しています。
本作監督は、マイケル・カレスニコが務めましたが、
残念ながらあまりよく知りません。
蛇足ですが、本作の製作総指揮としてロバート・レッドフォードの名が
ありました。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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