こんにちは、りこみです。

 

京都東山の琵琶湖疎水を訪ねたときに

寄り道したのは、南禅寺の塔頭である

天授庵(てんじゅあん)です。

 

 

古い歴史がありますが、一時期

「応仁の乱などで荒廃」していたそう。

 

(このフレーズはあちこちの寺社で聞くので

応仁の乱というのは本当に京都の街を

破壊してしまったのだなぁと痛感します。

教科書でしか知らない用語でしたが

今度その時代背景を勉強してみよう…)

 

130年間も荒廃していた後に

安土桃山末期に武将でもあり茶人でもある

細川幽斎が再興したとのことです。

 

 

順路で最初の庭園が方丈東庭の

枯山水庭園です。

方丈の広い縁側に腰かけて

この静寂な庭を楽しむことができます。

 

そばにいた海外からの拝観者は

瞑想のポーズをとられていました。

国境に関係なくこの静けさは

心地いいものなんでしょう。

 

 

この庭園の敷石に特徴があるようなので

私は興味がありました。

この切石です。

菱型の石の敷き方がとてもモダンです!

 

この部分はのちのち…江戸時代に

手を加えられたいう説もありますが。

この令和にでもモダンだなと感じさせて

しまうような感覚がすごいなと感じました。

 

 

白砂には紅葉の枝がせり出していて

中央辺りに見える松は

海に浮かぶ一つの島のよう。

白い大海の向こうの苔と紅葉も

その奥までまだまだ続いていくような

奥行きが感じられました。

 

♦■の直線的な切石がアクセントになって

庭を引き締めている感じ。

 

 

書院南庭には池泉回遊式庭園があります。

池を目にした途端、息を飲んでしまいました。

私の大好きな睡蓮がこんな一面に!

知らないで訪れたもので

かなりのサプライズプレゼントです。

 

訪れたのは夕方で

時間的にはほぼ咲いていませんでしたが

覚えていればいつかはまた会えるでしょう。

 

 

池をぐるっと一周できるのも嬉しい。

飛び石で向こうへ渡ります。

 

飛び石のこの微妙な曲線が

余韻があってすてき…

 

 

飛び石からだと

少し睡蓮に近づくことができて

お寝坊の睡蓮に出会うことができました。

色も形も清楚だなぁ…

 

これがもしも一面に咲いていたら…?

と想像してしまいますね。

同じく睡蓮好きな夫を誘って

これはまたぜひ来ねば…。

 

 

花がなくとも

切れ目の入った睡蓮の丸い葉っぱだけでも

可愛らしく癒されます。

 

 

あそこに見えるのが蓬莱島。

たくさんの石が積み上げられて

石の間を縫うように苔が覆っていました。

中央の大きめの石が三尊石らしいです。

 

 

つくばいがまたすごい存在感でした。

すぐそばの曲がりくねった

松の枝(だったか)と

鉢の巨石とそれを覆う苔が全部一体化して

ものすごい自然の造形物と化していました。

 

長い年月がなせる業ですね。

 

 

聞こえるか聞こえないかくらいの

かすかな水音。

緑を映した水面に広がる波紋が

美しかったです。

 

 

こんな時期でも葉が赤くなる紅葉の

種類があるようで。

青もみじとのコントラストが

まばゆいばかりでした。

 

ところであの建物は…

入り口から見えていた書院かな。

 

 

そういえば入り口正面の建物(書院)には

入れず、玄関先までだったのですが

その薄暗い室内越しに浮き上がる庭園が

ため息がでるほど素晴らしかったのです。

 

へたに目にしてしまうと

入れない場所への想いが募るというか。

室内から眺める庭園も

ぜひ体感してみたかった。

 

南禅寺の塔頭寺院ではすぐそばの

金地院が特別名勝として本などで

よく紹介されている印象があります。

そちらもぜひ訪れてみたいですが

この天授庵もかなり良かったです。